【夕顔242-3】古文単語「さかしがる」
このブログでは、重要古語のみでなく、
長文読解で押さえておきたい古語を
幅広く解説しています♪
源氏物語イラスト訳 重要古語
【古文単語の覚え方】
1.現代語から想像して覚える
2.漢字のイメージで覚える
3.ゴロを利用して丸覚えする
の3つのどれかで覚えます。
今回は、【漢字のイメージ】で覚えましょ♪
【今回の源氏物語】
我一人さかしがり抱き持ちたまへりけるに、この人に息をのべたまひてぞ、悲しきことも思されける、とばかり、いといたく、えもとどめず泣きたまふ。
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今回出てきた古文単語
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■【我(われ)】…自分
■【さかしがり】…ラ行四段動詞「さかしがる」連用形
※【さかしがる】…こざかしく振る舞う。利口ぶる
■【抱き】…カ行四段動詞「抱く」連用形
■【持ち】…タ行四段動詞「持つ」連用形
■【たまへり】…~ていらっしゃる
※【たまふ】…尊敬の補助動詞(作者⇒光源氏)
■【り】…存続の助動詞「り」連用形
■【ける】…過去の助動詞「けり」連体形
■【に】…順接(単純接続)の接続助詞
■【この人】…ここでは、惟光のこと
■【に】…原因の格助詞
■【息をのべ】…バ行下二段動詞「のぶ」連用形
※【息をのぶ】…(緊張がとけて)ほっとする。安心する
■【たまひ】…ハ行四段動詞「たまふ」連用形
※【たまふ】…尊敬の補助動詞(作者⇒光源氏)
■【て】…単純接続の接続助詞
■【ぞ】…強意の係助詞
■【悲しき】…シク活用形容詞「悲し」連体形
■【も】…強意の係助詞
■【思さ】…サ行四段動詞「思す」未然形
※【思(おぼ)す】…「思ふ」の尊敬(作者⇒光源氏)
■【れ】…自発の助動詞「る」連用形
■【ける】…過去の助動詞「けり」連体形
■【とばかり】…しばらくの間
■【いと】…たいそう
■【いたく】…ひどく(ク活用形容詞「いたし」連用形)
■【えも―ず】…~することもできない
■【とどめ】…マ行下二段動詞「とどむ」未然形
■【ず】…打消の助動詞「ず」連用形
■【泣き】…カ行四段動詞「泣く」連用形
■【たまふ】…尊敬の補助動詞(作者⇒光源氏)
◇ 今回は「れ」にも注意しましょ♪
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☆ 本日の古文単語「さかしがる」 ☆
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我一人さかしがり抱き持ちたまへりけるに、この人に息をのべたまひてぞ、悲しきことも思されける、とばかり、いといたく、えもとどめず泣きたまふ。
問)傍線部の意味として、最も適当なものを一つ選べ。
1.源氏の君は自分一人が高貴であって
2.源氏の君は自分一人が気丈に振る舞って
3.源氏の君は自分一人が気高く振る舞って
4.源氏の君は自分一人がバカを見たようで
5.源氏の君は自分一人が姑息な男であって
この、「さかしがる」は、
重要古語の形容詞「さかし(賢し)」に、
接尾語である「―がる」がくっついたもの。
【さかしがる(賢しがる)】
【自動詞:ラ行四段活用】
…こざかしく振る舞う。利口ぶる
【―がる】
【接尾語】
①~のように思う
②~のように振る舞う
※Weblio古語辞典より
「さかしがる」は、辞書には、
「こざかしく振る舞う」などと、マイナスな感じで書いてありますが、
漢字のイメージを大切にして!
(σ・∀・)σ
夕顔が死んだときにいた右近や従者たちは、
「賢し」の逆、つまり「愚か者」で役に立ちませんでした。
そんな従者たちに対し、
自分一人が「賢し」がっていたんですね!
1.源氏の君は自分一人が高貴であって(△対比ズレ)
2.源氏の君は自分一人が気丈に振る舞って
3.源氏の君は自分一人が気高く振る舞って(対比△ズレ)
4.源氏の君は自分一人がバカを見たようで(×逆)
5.源氏の君は自分一人が姑息な男であって(△ズレ)
【解答】…2
我一人さかしがり抱き持ちたまへりけるに、この人に息をのべたまひてぞ、悲しきことも思されける、とばかり、いといたく、えもとどめず泣きたまふ。
● 過去記事リンク
■たまへり
■たまふ
■ぞ・ぞや
■も
■とばかり
■いと
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