サムソンとサリー(Samson & Sally, 1984)デンマークのアニメーション
テーマ:デンマークのアニメサムソンとサリー - 白鯨の物語
Samson og Sally, Historien om den hvide hval
http://www.youtube.com/watch?v=tZHeYuCKHgk
原作(Forlæg):ベント・ハラー(Bent Haller)
監督(Instruktør):ヤニク・ハストロップ(Jannik Hastrup)
脚本(Manus):ヤニク・ハストロップ(Jannik Hastrup)
他
【制作会社】(Produktionsselskab):
アトランティス映画(Atlantis Film)
デンマークアニメーション(Dansk Tegnefilm Kompagni)
北方映画(Nordisk Film)
【声の出演】(Stemme):
サムソン(Samson):イェスパー・クライン(Jesper Klein)
サリー(Sally):ヘル・ハインツ(Helle Heintz)
モビーディック(Moby Dick):プレブン・ネアゴー(Preben Neergaard)
他
【仕様】
フィルム:35mm
時間(Varighed):62分
【資料】
http://www.dfi.dk/faktaomfilm/nationalfilmografien/nffilm.aspx?id=291
http://da.wikipedia.org/wiki/Samson_og_Sally
http://en.wikipedia.org/wiki/Samson_%26_Sally
http://www.imdb.com/title/tt0091889/
ベント・ハラーの『クジラの歌』(Kaskelotternes sang)が原作。
かなり以前にご紹介した『サークリーン』(Cirkeline)を制作した
ハストロップ監督による長編アニメーションです。
『サークリーン』の場合は切り絵アニメーションだったのに対し、
『サムソンとサリー』は、本格的なセルアニメーション。
『白熊になりたかった子供』(Drengen der ville gøre det umulige, 2002)
ではCGによる制作となっており、時代を経るに従い、技術が進化していっています。
ハストロップは、日本ではメジャーな方なのではないか?
(海外アートアニメーションファンの間では)と思っていたので、
余り目を向けていませんでしたが、余り知名度に拘らない様にしようと思った事と、
コメントをよく付けてくださるMatyikaさんの薦めでこのアニメーションを知り、
ブログで紹介しようと思いました。
デンマーク語の読み方についてですが、ちょっと疑問に思う事があります。
デンマーク語の入門書を見ると、英語の様に語尾の[e]は発音しない様なのですが、
デンマーク語オペラを聴くと、語尾の[e]をちゃんと発音するのです。
例えば、『Lille』(姫)を「リレ」という風に。
デンマークロマン派を代表する作曲家『Gade』も「ゲーゼ」ですしね。
現代になってからいきなり語尾の“E”を発音しなくなったのでしょうか?
取り敢えず、デンマーク人日本語表記の時、
語尾の“E”は発音しないという設定の表記にしました。
デンマーク語、スウェーデン語、ノルウェー語、フィンランド語等では、
[y]の発音がドイツ語の[ü]に近いので、『Sally』は「サリュ」に近いのですが、
便宜上、英語風に『サリー』としました。
●感想
観た感想ですが、アニメーション処理がきめ細かくてとても好きになれます。
日本のアニメーションに多い手抜きっぽい感じよりも、
こちらの方の手間が掛かっている感じの方が、個人的には好きですね。
しかも、ディズニーとも雰囲気が違います。
絵柄の質感が、鉛筆による手描き感みたいな温もりを感じるのです。
それでいて、波の表現などの、まるで見て来たかの様なリアリティには、
目を見張るものがあります。
また、海洋汚染問題(環境問題)とも絡めて描かれており、
作者の先見の明さえ感じられます。
地球的規模の環境問題が大きくクローズアップされ始めたのは、
1980年代後半からですし。
今現在、日本では放射能汚染問題が深刻さを増していますけど、
だからこそ、核汚染も描いたこのアニメーションを、今見る価値はあると思います。
更に、最後の方では、“人類の驕り”“現代文明”に対する批判と思われる場面も描かれ、
一応子供向けアニメーションとは銘打ってますけど、
環境問題どころではなく、とてつもなくスケールの大きい問題を扱っています。
●実は、日本で既に紹介されていた!!
このアニメーションについて色々と調べてみた所、
何と、日本でも既に紹介されていました!!
http://www.cinemawork.co.jp/cwhp/list/samson.htm
上に示したリンク先の内容からして、1985年頃に日本でも上映されたようです(多分)。
東映ビデオから、1996年頃に日本語吹き替え版のVHSも出ております↓
私の知る限り、商業主義的な周縁的海外アニメーションが
日本でVHS化(あるいはDVD化)されるというケースは珍しく、
他には、ハンガリーの長編アニメーション『ヴーク』(Vuk, 1981)が
『わんぱくダッグの大冒険』という邦題で1983年にVHS化されるなどしていますが、
数としてはそんなに多く無いと思います。
そういえば、自然界の過酷な弱肉強食を描いているという意味でも、
最後のオチも、『サムソンとサリー』と『ヴーク』はちょっと似ていますね。
ちょっと残酷的な場面があるのが、子供に見せるのに抵抗感があるかも?
【VHS購入はこちら】↓
●北欧アニメーション全体の個人的印象
私の知る限りでは、デンマーク、というか、北欧は全体的に、
余りアニメーションが数多く制作されている様には見えません。
何故なら、検索で見つけ辛いからです。
所謂“アートアニメーション”は数多いかも知れませんが、
私は主に、商業的に制作されたものが知りたいのですけど、
商業的に制作されたアニメーションは、
ディズニーとかドリームワークス等といった限定されたものしか
まともに日本に入って来ません。
周縁的な海外のアニメーションは、せいぜい、
マニアックな映画館で細々と上映される程度です。
昨年日本初上陸したエストニアのアニメーション
『発明村のロッテ』(Leiutajateküla Lotte)なんかがまさにそうでしょう。
あれは内容的に絶対一般ウケする内容です。
それが、阿佐ヶ谷の小さな映画館で上映された程度だというのが、
甚だ納得行きません。
そんなわけで、どんどんブログで紹介していきます!!
【関連エントリー】
ヴァルハラ(Valhalla)1986
http://ameblo.jp/ssatoloux-1987/entry-11156680888.html
ラスムス・クロンプ(ペッツィ)アニメーション(Rasmus Klump, Petzi)1997
http://ameblo.jp/ssatoloux-1987/entry-10097009171.html
ジャングルアニマルフーゴの大冒険(Jungledyret Hugo)1993~
http://ameblo.jp/ssatoloux-1987/entry-10094346206.html
サークリーン(Cirkeline)

































