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Kierkegaard
『地図』物語を構成する世界地図です。
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Kierkegaard
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「久遠」

真君社君は、頑張った、動機が不純でも彼は、歴史の修正に動く。
(竜王の蓮の花嫁になるのは、嫌なのだ・・・個人的には、これはこれで幸せな落ちだと思うが、そういうのを好まない方も多いのである、私は民主主義者である、数の論理に従うのである)

ひとり薔薇姫の心だけ残して。

LMEの王宮に到着した久遠は、王に拝謁した。

王は一年ぶりに会う久遠を歓待した、派手に、その前に果ての国との外交折衝など、今後の事を話し合い、久遠は、王の名代として、果ての国を訪問することを取り決めた。

キョーコのいない後宮であるが、思い出の場所である、薔薇園に彼は佇む。

一年前、出会いを約束し別れを告げ、そして、再会し、想いを確かめ合った、でも、彼女は薔薇姫で、竜王の后になる天帝の娘で、・・・、俺はあきらめられるのだろうか。

「キョーコちゃん、君に逢いたい・・・」

薔薇が風もないのに揺れる、久遠の想いは、キョーコが愛した薔薇が天宮にいる薔薇姫にも伝えるのだ。
天宮の薔薇園に咲く薄紅の薔薇は、涙のような雫をひとつ零した。

音もなく、久遠の背後に、真君は立つ、彼は蒼い石を左手に持ち、右手を天井へ突出し、そして・・・

月の光が石に、石から光が放たれ久遠の心の臓を突き刺した、久遠の体がゆっくり地面に倒れる。

真君は、久遠に近づくと、石を額にあて、口を閉じ、術を唱える。

「・・・久遠、薔薇姫の記憶を全部消したりはしない、君にとっては大切な思い出だから、ただ、君は薔薇姫と再会してからの記憶は消す、そして、ほんの少し未来に君は、君のキョーコと出逢うだろう・・・」

しばらくして久遠は目覚める、そして、目に映る、キョーコが愛した薔薇に口づけを落とすと、彼は後宮を退出した。

LMEの対岸にある果ての国に大国LMEの王の名代として、彼は訪問した。

王宮へ王の親書とそして二国の結びつきをいっそう強くするために、外交を行ったのだ。

王宮では、一行を歓迎するための宴が行われていて、久遠は、酔いを醒ますために、庭を散策した。

そして少女と出逢う、彼のキョーコと・・・

「あなたが、LMEの大使さま?」

「キョーコちゃん?」

「久遠?」

「逢いたかった」

「私も」

果ての国の少女も記憶が入れ替えられた、真君は、薔薇姫の久遠の記憶を少女に移植したのだ。

でも、それは、彼女の記憶になるはずだったものだから。

薔薇姫は、久遠が、自分とそっくりな少女と幸せになるのだと知った。

彼は幸せになるのだ、喜んであげないといけない、でも、・・・

天宮の薔薇園に、琵琶が鳴り響く、それは・・・・

続く その25 へ

Kierkegaard
(二匹の猫が頭上でけんかしたり、落書きの邪魔をするのである、かなり手抜きな挿絵だな・・・・)