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『地図』物語を構成する世界地図です。
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その前の話 その1 その2 その3 その4 その5
その6 その7 その8
「果報は寝て待て」
昏い気に当てられキョーコの体から見る見るうちに生という気が失われ、冷たくなっていく。
キョーコは、薔薇が年中咲き誇る後宮の結界の中で、生を長らえていたのだ。
結界を遠く離れ、清冽で美しい精気の中ならまだいいが、昏い気をまともに浴びてしまったキョーコは生という気を失うことは、本性を封じ込められた現状、霧となり、無となってしまう。
「ぬかった、我が守護する大地でこのような邪気があるとは」
蓮は、竜宮への水路(みち)を開いた。
「キョーコ、もうすぐ竜宮だ、君を助けてあげるから」
蓮は、竜宮で神官に宝珠を持ってこさせ、キョーコの額に当てた、宝珠の力で青白かった頬がうっすらと紅色にそまるが、目を覚まさない。
蓮は自身の気を分け与えるため褥に横たえた。
キョーコの衣を剥ぎ取り、自身の懐に抱いた。
額と額を合わせ、手を合わせ、肌を密着させ、宝珠の力と自身の気をキョーコに注ぎ込んだ。
「一番良いのは、俺の精をその身に注ぎ込めればいいのだが、君には他に想うひとがいるから」
蓮はキョーコを抱きしめる腕に力を込めた。
キョーコの冷たかった四肢にぬくもりが戻ってきた、心の臓も波打つ、ぴくりとキョーコの体が跳ね、まつ毛がふるふると揺れ、閉じられた瞳がゆっくりと開いた。
(ペン画練習中、下手なのは仕方がないのである)
「う、うーん」
キョーコが目をみひらくと、青竜である蓮のドアップで、自分の肌が密着している事実を認識するのにたっぷりかかった。
「あ、あ、あ」
キョーコは、後宮育ちであるが、下女仲間に仲間外れにされていたので、男女の睦事についての知識はゼロである。
自分は裸で青竜さまも裸で、ということは、キョーコは、別の意味でもう一度意識を手放したのである。
「キョーコ?」
蓮はキョーコの頬をぺちぺちと叩くが、キョーコは目を覚まさない。
蓮はキョーコの体を抱きしめると、精気に満ちているのを確認すると、少しだけ眠ることにした。
柔らかで甘い薔薇の香が心地よい、しばしの間だけだ、そう言い聞かせ、蓮は目を閉じた。
精を分け与えるという行為は疲れるのである。
***
後宮では、キョーコと蓮の不在が発覚し、大騒ぎだった。
「公主さま、キョーコがどこにもおりません」(奏江)
「蓮のヤツもいないぞ、どこに行ったんだ」(ショー)
「まさか・・藩へ行ったのでは?」(公主)
「水鏡でその地を覗いてみよう」(レイノ)
「後宮では術は使えないぞ」(光)
「俺は、地と水の両方の力を持つ、亀甲は遁甲に通じるのだ、大丈夫だ」(レイノ)
仕女がかめに澄んだ水をたたえ持ってきた。
レイノは、その水面に・・藩の宮城を映す、そして邪気の存在を知った。
「何だ、この邪気は?」(レイノ)
「俺、見覚えがあるぞ、これは亡国の神獣の気だ」(ショー)
「どうして亡国の神獣が・・・」(光)
「何やら企てているようだが、姫がこの気に当てられたら自身を保てないぞ」(レイノ)
「すぐに竜宮へ水路(みち)開けろ」(ショー)
「公主、清水が永久に湧き出る泉が後宮にあったな、案内してくれるか?」
「わかりました、奏江、すぐに三神様方を泉に案内して頂戴」
「かしこまりました、どうぞこちらです」
竜宮への水路(みち)が開き、三神は竜宮へ向かった。
続く その10 へ
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昏い気に当てられキョーコの体から見る見るうちに生という気が失われ、冷たくなっていく。
キョーコは、薔薇が年中咲き誇る後宮の結界の中で、生を長らえていたのだ。
結界を遠く離れ、清冽で美しい精気の中ならまだいいが、昏い気をまともに浴びてしまったキョーコは生という気を失うことは、本性を封じ込められた現状、霧となり、無となってしまう。
「ぬかった、我が守護する大地でこのような邪気があるとは」
蓮は、竜宮への水路(みち)を開いた。
「キョーコ、もうすぐ竜宮だ、君を助けてあげるから」
蓮は、竜宮で神官に宝珠を持ってこさせ、キョーコの額に当てた、宝珠の力で青白かった頬がうっすらと紅色にそまるが、目を覚まさない。
蓮は自身の気を分け与えるため褥に横たえた。
キョーコの衣を剥ぎ取り、自身の懐に抱いた。
額と額を合わせ、手を合わせ、肌を密着させ、宝珠の力と自身の気をキョーコに注ぎ込んだ。
「一番良いのは、俺の精をその身に注ぎ込めればいいのだが、君には他に想うひとがいるから」
蓮はキョーコを抱きしめる腕に力を込めた。
キョーコの冷たかった四肢にぬくもりが戻ってきた、心の臓も波打つ、ぴくりとキョーコの体が跳ね、まつ毛がふるふると揺れ、閉じられた瞳がゆっくりと開いた。
(ペン画練習中、下手なのは仕方がないのである)
「う、うーん」
キョーコが目をみひらくと、青竜である蓮のドアップで、自分の肌が密着している事実を認識するのにたっぷりかかった。
「あ、あ、あ」
キョーコは、後宮育ちであるが、下女仲間に仲間外れにされていたので、男女の睦事についての知識はゼロである。
自分は裸で青竜さまも裸で、ということは、キョーコは、別の意味でもう一度意識を手放したのである。
「キョーコ?」
蓮はキョーコの頬をぺちぺちと叩くが、キョーコは目を覚まさない。
蓮はキョーコの体を抱きしめると、精気に満ちているのを確認すると、少しだけ眠ることにした。
柔らかで甘い薔薇の香が心地よい、しばしの間だけだ、そう言い聞かせ、蓮は目を閉じた。
精を分け与えるという行為は疲れるのである。
***
後宮では、キョーコと蓮の不在が発覚し、大騒ぎだった。
「公主さま、キョーコがどこにもおりません」(奏江)
「蓮のヤツもいないぞ、どこに行ったんだ」(ショー)
「まさか・・藩へ行ったのでは?」(公主)
「水鏡でその地を覗いてみよう」(レイノ)
「後宮では術は使えないぞ」(光)
「俺は、地と水の両方の力を持つ、亀甲は遁甲に通じるのだ、大丈夫だ」(レイノ)
仕女がかめに澄んだ水をたたえ持ってきた。
レイノは、その水面に・・藩の宮城を映す、そして邪気の存在を知った。
「何だ、この邪気は?」(レイノ)
「俺、見覚えがあるぞ、これは亡国の神獣の気だ」(ショー)
「どうして亡国の神獣が・・・」(光)
「何やら企てているようだが、姫がこの気に当てられたら自身を保てないぞ」(レイノ)
「すぐに竜宮へ水路(みち)開けろ」(ショー)
「公主、清水が永久に湧き出る泉が後宮にあったな、案内してくれるか?」
「わかりました、奏江、すぐに三神様方を泉に案内して頂戴」
「かしこまりました、どうぞこちらです」
竜宮への水路(みち)が開き、三神は竜宮へ向かった。
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