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Kierkegaard
『地図』物語を構成する世界地図です。
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Kierkegaard
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その6

「待ち人来ず」

公主の部屋に四神が集まり、今後のことを相談しました。

薔薇姫がLMEの後宮で真君社により結界に閉じ込められ守護されていること、そして、姫の体にかけられた術を解かないかぎり天に連れ帰ることができないという事実確認後、とりあえず女官に化けて姫を見守ることにしました。

「おほほ、皆様お似合いですこと」

マリア公主は大爆笑です、そして、女官に指示をだすと、宝物殿から様々な玉を使った簪、耳飾りなどを取り寄せて着せ替え人形遊びに没頭します。

「おいこら、俺たちは人形じゃねえぞ」(ショー)

「白虎さまには、このヒスイの耳飾りがお似合いですは、朱雀さまには、ボタンの簪が、玄武さまには、こちらの椿の簪が、青竜さまには、こちらの薔薇の耳飾りを...、青竜さま、蓮さまはどちらに」

蓮は、とっとと公主の部屋から逃げ出しました。

薔薇姫は、キョーコは、寝室でぐっすり眠っているはずです。

蓮は、少女が眠る寝屋の前の階段に腰掛けると二胡を懐から取り出し、曲を奏でました。

少女の哀しみが少しでも和らぐように、柔らかで優しい音色が後宮に静かに流れます。

「蓮さまの二胡だわ、珍しいこと」

「公主、俺たちの寝室はどこだ、疲れたから休みたい」(レイノ)

「早速案内させますわ」

「薔薇姫って可憐だったなあ」(光)

「あんな子供みたいな女」(ショー)

「・・・」(レイノ)

朝陽が登る頃、キョーコは目を覚ますと奥庭の薔薇園へ、清冽な朝陽は本性が薔薇であるキョーコにとって大切なエネルギー原なのです。

真君社が後宮に結界を張り、少女を閉じ込めたのも、薔薇に溢れた庭園なくしてキョーコはその命を削りやがて気に溶け込んでしまうからです。

甘やかな薔薇薫る庭園で、手を大きく広げ朝陽を浴びきらきらとひかり輝く少女の姿を、庭園の小鳥が、木々が、花だけがみておりました。

少女は目を閉じ彼の人を想います、ひと月を待たずに送られてくる文が滞っているのです、昨夜の少女の涙は届かない文を、彼の人に何かあったのではと案じ涙をこぼしたのです。

「鳥よお前はいいわね、空を飛べて、私も鳥になってあの人の元へ飛んでゆきたい・・・」

「連れていってあげようか?」

「あなたは誰?」

「蓮・・・」

「本当に?」

「ああ」


Kierkegaard

(切り絵って難しいなあ、日進月歩だ、頑張ろう)

続く その8  ヘ