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Kierkegaard
『地図』物語を構成する世界地図です。
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Kierkegaard
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「彼氏の事情、彼女の事情」

賊は、キョーコの体を布でくるむと、夜陰の助けを借り誰に見とがめられもせずに後宮の城壁近くまで運ぶことができた。

「こちらの門が手薄だったな」

「神仙は出入できない結界なぞ、俺らにはどうてことない、行くぞ」

賊は懐より縄梯子を取り出すと高い城壁のひっかけた、一人が先にかけ上り下へめがけ縄を渡すとキョーコの体に巻き付け上まで引っ張り上げる。

城壁の内までが結界だが、ここでなら術が使える。賊は、使役している獣を呼び出した、おおきな鷲だった。

鷲は、朱雀の眷属だ、光は大鷲めがけ飛んでゆくと、支配下に置いた。

「何者だ」

「それはこっちのセリフだ。誰の命令で動いている」

「ちっ」賊は懐から目つぶし玉をとりだし、発光させた。光が一瞬ひるんだ隙にキョーコを抱き城外へ飛び出す、が城壁の下で玄武と白虎が待ち受けていた。

けんかが大好きなショー君にコテンパンに伸されました。

キョーコは、レイノの胸に抱かれてました。

「姫さんは大丈夫か」(ショー)

「ああ、薬で眠っているだけらしい」(レイノ)

キョーコを覆う布が取り払われ、少女が姿を現す、三人は眠る少女を見つめた。

「薔薇姫・・・」

誰にだって恋に落ちる瞬間があるのだ。

「このまま天へ連れて行くか?」(ショー)

「彼女の本性が目覚めないと、天へは連れては行けない、彼女がはじかれてしまう」(レイノ)

「どうすれば」(光)

「とりあえず彼女を元の寝室へ」(レイノ)

「お待ちください三神さま」

「君はさっきの」(光)

「彼女をこちらへお渡しください、私が連れてゆきますので」

「君の名前は」

「申し遅れました、真君社に仕える女仙の奏江です」

「ふーん、真君ねえ」(ショー)

「真君が、彼女の本性を封じ込めたのか」(レイノ)

「違います、この王宮に捨てられていた赤子のときに術が施されていました。強い術で真君にも解けないのです」

「彼女を攫ったものの仕業ではないのか、亡国の神獣の術であれば真君に解けないはずがない」

「判らないのです、誰が、何のために術を施したのか」

「どうやら姫さんには、おおきな秘密がありそうだな」(ショー)

「とりあえず、後宮へ行きますか」(光)

「三神さま?」

レイノは少女の体を抱き、三人は後宮の中へ、蓮がいる公主の部屋へ向かう。

三神は、後宮の門をくぐると蓮同様に女官服を纏っていた。

続く その7  へ

Kierkegaard
(目的だった女装を描く、うーん、あとで描き直そうと思いました)