「シネマ報告書」には、映画の内容や核心・結末に触れる、いわゆる“ネタバレ”が多分に含まれております。
これから観ようと思っている方は、本報告書の内容についてご理解のうえ十分注意してお読みください。
「死なないのに必死で生きた心地がしない」
★★★★☆
(2013年/アメリカ/117分/Dallas Buyers Club)
【 監督 】
ジャン=マルク・ヴァレ
【 出演 】
マシュー・マコノヒー
ジェニファー・ガーナー
ジャレッド・レト
スティーヴ・ザーン
ダラス・ロバーツ
マイケル・オニール
デニス・オヘア
グリフィン・ダン
ジェーン・マクニール
ジェームズ・デュモン
ブラッドフォード・コックス
ケヴィン・ランキン
ローレンス・ターナー
マシュー・トンプソン
アダム・ダン
【あらすじ】
1985年のアメリカ・テキサス。
電気工でロデオカウボーイのロン・ウッドルーフは、たまに現れる強い耳鳴りとめまいで気を失うことがあった。ある日も気を失い、病院に担ぎ込まれると、医者からHIV陽性で余命30日と告げられる。
エイズにまだ偏見があったこの時代、ロンは仲間を失いひとり哀しみに暮れるが、エイズの治療薬を求めたメキシコで、未認可医薬品の密輸を思いつく。ロンは、同じエイズ患者のレイヨンとともにエイズに苦しむ人たちに薬の提供を始めるが、その目の前には司法当局が立ちはだかるのだった―
【コメント】
今年度の米アカデミー作品賞は『それでも夜は明ける』のようですな。
まあそれは今週末公開のようですので、それはそれで楽しみにするとして、本作『ダラス・バイヤーズクラブ』にノミネートされた作品で、評価もかなり良いようなので、雨の中新宿まで足を運んだ次第。本作も公開する劇場数の少ないこと。作品のテーマとしてはあまりよろしくないと判断したんでしょうか。
そんなわけで本作、僕は2014年度のベストムービーとして推したいと思います。
本作や『それでも夜は明ける』、『ウルフ・オブ・ウォールストリート』、先に観た『ラッシュ/プライドと友情』のように、ここ最近ずいぶんと実話ベースものが多いな~と感じていましたが、少なくとも僕は断然に本作がお気に入りです。
生きることへの執着、喜び、どん底から這い上がる男の執念。「法律なんか関係あるか!俺は生きたいだけなんだ!」という主人公の強い想いがひしひしと伝わってきます。そして、同じ苦しみを持つ人たちのために法を犯してまでも行動し続け、どんな権力にも屈しない力強さ。十字架を背負った人間は本当に強い、誰よりも何よりも強いと感じさせます。
僕は、終盤で主人公がつぶやく「死なないのに必死で生きた心地がしないよ。意味ないよな・・・」というセリフが大のお気に入りなんです。このセリフこそ、十字架を背負った人間だけが口にできる矛盾、そして主人公の人生の総括だったんだと思います。
それにしても、本作のためにガリガリに痩せて役作りしたマシュー・マコノヒーの演技は賞賛に値します。事実、今年度米アカデミー賞の主演男優賞を受賞していますからね。さらに、オカマちゃん役のジャレッド・レトも助演男優賞ですからね。本作はこの2人の輝きによるものだと言っても過言ではありませんね。
毎度思うんですが、これほどまでに生きることの素晴らしさを考えさせられる作品を全国的に広く公開しないのはいかがなものかと。
いや、確かにエイズをテーマにしているし、法を犯すということについても問題はあるかもしれないけど、こんな秀作をこじんまりと公開して終わっていいものか。もったいなさ過ぎる。
僕は、本作をもっと多くの人に観てもらいたいと思いますよ。
【2014年度 Myランキング】(3/2時点)
本作は、本年度のベスト10中第1位(暫定)にランクイン。
今年のベスト1候補来たな。
(ベスト)… ★★★☆以上が基準
1位:ダラス・バイヤーズクラブ ★★★★☆
2位:新しき世界 ★★★★
3位:永遠の0 ★★★★
4位:ヌイグルマーZ ★★★★
5位:トリック劇場版 ラストステージ ★★★★
6位:ジャッジ! ★★★☆
7位:
8位:
9位:
10位:
次点:
(ワースト)… ★★☆以下が基準
1位:バイロケーション[表] ★★☆
2位:
3位:
<その他ランク外一覧>
大脱出マイティ・ソー ダーク・ワールドオンリー・ゴッドスノーピアサーラッシュ/プライドと友情土竜(モグラ)の唄 潜入捜査官 REIJIキック・アス ジャスティス・フォーエバーマチェーテ・キルズ
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