バイロケーション[表] (評価:★★☆) | そんなことより恋をしろ

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※※※ 注意 ※※※

 「シネマ報告書」には、映画の内容や核心・結末に触れる、いわゆる“ネタバレ”が多分に含まれております。
 これから観ようと思っている方は、本報告書の内容についてご理解のうえ十分注意してお読みください。

「『シネマ報告書2014』の掲載にあたって」



結局は原作のほうがいいという話になる

★★☆

バイロケーション



(2013年/日本/119分)

【 監督 】
安里麻里

【 原作 】
法条遙
バイロケーション 【角川ホラー文庫】


【 出演 】
水川あさみ
千賀健永
高田翔
滝藤賢一
浅利陽介
酒井若菜
豊原功補




【あらすじ】

 画家志望の桐村忍は、自分が住むマンションの階下に越してきた高村と恋に落ち、結婚することに。
 ある日、忍がスーパーで買い物をするとニセ札の容疑をかけられてしまい、10分前の防犯カメラにはなぜかにいるはずのない自分が映っていた。そして現場に来た刑事の加納に連れられ、ある会合に連れられる。その会とは、自分と同じ容姿を持ちながら、全く別の人格を持つもう1人の自分“バイロケーション”の被害に遭っている人たちの会合だった。
 会の主催者である飯塚は、バイロケーションはオリジナルよりも凶暴な性格を持ち、必ずオリジナルを殺しにくると告げ警戒を促すも、忍は加納のバイロケーションに襲われてしまう。
 そして、バイロケーションの恐怖におびえる忍には驚愕の真実が待ち構えていた―


【コメント】

 本作は、角川書店ならびにフジテレビが主催する“日本ホラー小説大賞”の第17回(2010年)長編賞に輝いている小説の映画化でして、過去には『パラサイト・イヴ』や『黒い家』『ぼっけぇ、きょうてぇ』なんかが映像化されていますが、そもそもこの大賞、優秀作品は映像化されるという特典があるにもかかわらず、ほとんど映像化されていないというのが現状なのであります。
 僕はそれほど本を読む人間ではないのですが、角川ホラー文庫は大好きなレーベルでして、けっこうな本数を読んでいますし、もちろん本作『バイロケーション』は既読です。その、角川ホラー文庫を読んで思うのは、おおよそ映像化に支障がありそうな刺激的なものばかりでして、設定や残酷描写など文字だから成立するものが多いなか、本作『バイロケーション』は映像化しやすかったんだと思います。

バイロケーション


バイロケーション


バイロケーション


 作品に登場するセリフじゃないですが、僕は本作の原作を読んじゃっている手前、映像化された本作と原作との“差異”を楽しむことに専念しました。
 いろいろと人物設定は弄ってますし、2時間弱の作品とはいえ、やっぱり原作のエッセンスをすべて盛り込むのはムリがあったのか、さまざまな場面を端折っているのは分かりますが、テンポが悪く全体的にメリハリに欠けていて、盛り上げなくちゃいけない場面が全然盛り上がらない。中盤の酒井若菜の病室シーンも中弛みしちゃっていて退屈。いろいろと辻褄が合わない部分もあったしね。
 本作のキモである“どんでん返し”にしても全然「えぇぇ!?そうだったの!!??」とはならない。どんでん返しは一気にドーンと見せるからインパクトがあるわけで、後半からネタを小出しにバラしちゃったため、全然盛り上がらなかったですね。原作が良かっただけに非常にもったいない。
 原作の映像化はハードルが高くなるのは致し方ないことではあるけども、このように中途半端に映像化されてしまうと結局のところ「やっぱ原作のほうが面白いよね」って話になっちゃうわけです。

バイロケーション


バイロケーション


バイロケーション


 本作の気に入らないことがもう一つあるんですが、ラストのバージョンを変えた『バイロケーション[裏]』なるものが続けて公開されるとか。どういう算段でラストだけ変えた同作品を分けて公開しようとしたのか、理解に苦しみますね。こういうのはDVDの特典映像で済むんじゃないかと。「これは面白い!絶対観客押し寄せて来んぜ!同じ映画で倍の収益なんてウハウハ!」なんて内輪で盛り上がっちゃったんでしょうか。
 ちなみに、僕は[裏]は観ません。

 あ、でも水川あさみは良かったかな。


【2014年度 Myランキング】(1/18時点)

 本作は、本年度のワースト3中1位(暫定)にランクイン。
 [裏]の評価どうしよ・・・


(ベスト)… ★★★☆以上が基準

  1位:トリック劇場版 ラストステージ ★★★★
  2位:
  3位:
  4位:
  5位:
  6位:
  7位:
  8位:
  9位:
 10位:
  次点:
          


(ワースト)… ★★☆以下が基準

  1位:バイロケーション[表] ★★☆
  2位:
  3位:


<その他ランク外一覧>
大脱出






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