「シネマ報告書」には、映画の内容や核心・結末に触れる、いわゆる“ネタバレ”が多分に含まれております。
これから観ようと思っている方は、本報告書の内容についてご理解のうえ十分注意してお読みください。
恐るべき韓国ノワール
★★★★
（2013年／韓国／134分／新世界）
【 脚本・監督 】
パク・フンジョン
【 出演 】
イ・ジョンジェ
チェ・ミンシク
ファン・ジョンミン
パク・ソンウン
ソン・ジヒョ
チュ・ジンモ
チェ・イルファ
チャン・グァン
【あらすじ】
韓国で最大規模の犯罪組織“ゴールド・ムーン”の理事に就いているジャソン。彼の正体は、組織壊滅のためカン課長に潜入捜査を命じられた警察官であった。警官としての任務を果たそうとする彼だったが、カン課長の容赦ない指令に苛立ちを感じ始めていた。
そんな時、組織の会長が交通事故で急死、中国系の幹部チョン・チョンと韓国人のジュングの後継者争いが勃発する。警察はその隙を狙い、組織を一網打尽にしようと動き始めるが―
【コメント】
何やら評判がよろしい本作。都内では数館のごくごく小規模な公開でしかないし、正直、全然気にも止めていなかったので、ネットでの評判を見てなければ確実にスルーしてたことでしょう。
そんなわけで、特段目ぼしい映画もないし、評判いいならちょいと拝見しようと新宿に繰り出した次第。韓国映画らしく、劇場のロビーは韓流大好きおばちゃんたちでごった返しておりましたね。どう見ても“韓流”で括るようなトレンディな作品だとは思いませんが。
スクリーンも小さい、席も狭い、カップホルダーもない窮屈な状況のなか、作品を鑑賞させていただきました。
なにこれ、スッゲー面白い！
巷では韓国版『インファナル・アフェア』と称されているようですが、僕はむしろ『アウトレイジ ビヨンド』を彷彿とさせていたと思います。しかも、それよりさらに陰気でエグい。韓国映画らしさ満点だったと思います。もうね、潜入捜査よりもヤクザの抗争がメインですよ、これ。
派手なアクションシーンはないものの、後継者をめぐる血みどろの争い、一網打尽を目論む警察の見えないシナリオ、板挟みになって苦悩する潜入捜査官、裏切り者への恐怖の制裁。オープニングからいきなりのエグいシーンで、一気に映像に目が釘付けになり、これからどうなるのだろう、ジャソンはどう立ち振る舞っていくのだろう、という展開に終始ワクワク感が絶えませんでしたね。とにかく暴力に関しても容赦ないし、リアルすぎて恐ろしささえ感じてしまいますよ。
そして、登場するキャラも魅力的。韓流スターについては詳しくないんですが、中国系幹部のチョン・チョンがガレッジセールのゴリに見えたり、対峙する韓国人幹部のジュングがアリキリの石井に見えたり、主人公のジャソンも日本の何とかいう役者に見えちゃったり、そしてなぜか小沢一郎のそっくりさんもいたり。
そんなことはおいといても、なんかスゲーインパクトの強い役者揃えたなと。そして、それぞれが個性あふれるキャラを演じていて、作品にさらに奥行きを深めています。まさに“漢”の映画といった感じ。
韓国で数々の賞を受賞したり、ハリウッドで欲しがっている理由も納得の出来でしたね。
恐るべき韓国ノワール！
相変わらず、韓国ノワール系は重厚で面白いのが多いです。ハリウッドでリメイクしたとしても、これほどの陰惨さは表現できないでしょうし、昨今の日本映画界でもこれほどの作品を作れる人材は皆無でしょう。
韓国映画には、邦画が忘れてしまった何かを思い起こさせる作品だと思います。しかしながら、韓流おばちゃんたちはこれをどういう気持ちで鑑賞したのでしょうかね。
【2014年度 Myランキング】（2/23時点）
本作は、本年度のベスト10中1位（暫定）にランクイン。
アジア勢が強い！
（ベスト）… ★★★☆以上が基準
１位：新しき世界 ★★★★
２位：永遠の０ ★★★★
３位：ヌイグルマーＺ ★★★★
４位：トリック劇場版 ラストステージ ★★★★
５位：ジャッジ！ ★★★☆
６位：
７位：
８位：
９位：
１０位：
次点：
（ワースト）… ★★☆以下が基準
１位：バイロケーション［表］ ★★☆
２位：
３位：
＜その他ランク外一覧＞
大脱出マイティ・ソー ダーク・ワールドオンリー・ゴッドスノーピアサーラッシュ／プライドと友情土竜(モグラ)の唄 潜入捜査官 REIJIキック・アス ジャスティス・フォーエバー
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