オンリー・ゴッド　（評価：★★★）

※※※　注意　※※※
　「シネマ報告書」には、映画の内容や核心・結末に触れる、いわゆる“ネタバレ”が多分に含まれております。
　これから観ようと思っている方は、本報告書の内容についてご理解のうえ十分注意してお読みください。

「『シネマ報告書2014』の掲載にあたって」

嫌いじゃないけどワケワカメ

★★★

（2013年／フランス・デンマーク／90分／Only God Forgives）

【　脚本・監督　】
ニコラス・ウィンディング・レフン

【　出演　】
ライアン・ゴズリング
クリスティン・スコット・トーマス
ウィタヤー・パーンシーガーム
トム・バーク
ウィーラワン・ポンガーム
ゴードン・ブラウン

【あらすじ】

　タイのバンコクでボクシング・クラブを経営しているジュリアン。彼は裏で麻薬の密売を行っていた。
　ある日、ジュリアンの兄ビリーが売春婦を殺した罪で惨殺される。巨大犯罪組織を取り仕切る母クリスタルは、溺愛する息子の死を聞きアメリカから駆け付けると、ジュリアンに復讐を命じる。
　しかしジュリアンの前に、元警官の経歴を持つ正体不明の男チャンが立ちはだかる―

【コメント】

　さて、一昨年前に鑑賞した『ドライヴ』は、僕の2012年Myランキングのベスト5位に輝いた、クールガイのまさに“シビれる”作品だったのですが、その監督ニコラス・ウィンディング・レフンと主演のライアン・ゴズリングが再びタッグを組むということで、また僕をシビれさせてくれる作品が観れるのかと、ちょいと遅ればせながらも劇場に足を運んだ次第。
　いやしかし、『ドライヴ』と違っていささか公開している映画館が少ないもんで、わざわざ渋谷まで行ってきましたよ。事前情報だと、カンヌで大ブーイングを喰らった問題作のようで、ちょいと心配な面もありましたが。

　カンヌ大ブーイングでネットの評価も芳しくないですが、僕は嫌いじゃないです、この映画。内容ワケワカメですが。
　『ドライヴ』の雰囲気はあるものの、ダークで不気味で陰湿、血しぶきもグロ演出も満載。展開も抑揚がなくひたすら静かで、エンタメ要素は皆無、さすがに「イカす！」なんて空気は微塵も感じられない。加えて意味不明な場面も多く、頭の中？？？な感覚は否めないでしょう。個人的にはそんな刺激的なシーンは好物なので、映像的な見応えはあったかなと。
　そしてなんといっても、謎の元警官という役柄で登場したウィタヤー・パーンシーガームの存在感のまあ圧倒的なこと。主役のライアン・ゴズリングが完全に食われてしまってましたね。ほんと監督はよく見つけてきましたよ、こんな恐ろしい雰囲気を醸し出した人間を。内容ワケワカメでも、彼を観るだけで本作の迫力は十分に伝わってくると思いますよ。
　そんなわけで、不気味で恐ろしげな雰囲気を堪能する“だけ”ならば、本作は十分に見応えがありました。雰囲気だけでごまかした部分もあったかもしれませんが。

　ちなみに、本作の現代であるOnly God Forgivesとは“神のみが赦し給う”という意味のようで、邦題の『オンリー・ゴッド』だけじゃ意味が通じないですよね。
　また、パンフレットに掲載の監督インタビューによると、あの不気味な元警官こそ神的な存在で、彼は剣を使って次々と罪人に裁きを下していき、カラオケを歌う事で人を殺めたことを懺悔し身体を清めてるということらしいです。
　なるほど、それなら一連の流れに合点がいくところですが、解説を読まないと分からない作品も考えものであるのは確か。監督のオ●ニー映画と言われかねませんよ。
　映画は分かりやすさと奥深さが大事ですね。

【2014年度 Myランキング】（2/2時点）

　本作は、本年度のベスト10ワースト3ともにランク外。
　洋画停滞中。

（ベスト）…　★★★☆以上が基準

　　１位：永遠の０　★★★★
　　２位：ヌイグルマーＺ　★★★★
　　３位：トリック劇場版ラストステージ　★★★★
　　４位：ジャッジ！　★★★☆
　　５位：
　　６位：
　　７位：
　　８位：
　　９位：
　１０位：
　　次点：
　　　　　　　　　　

（ワースト）…　★★☆以下が基準

　　１位：バイロケーション［表］　★★☆
　　２位：
　　３位：

＜その他ランク外一覧＞
大脱出マイティ・ソーダーク・ワールドオンリー・ゴッド