あらためて気について考えてみる | 春月の『ちょこっと健康術』

春月の『ちょこっと健康術』

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「いいかも?」というものをお持ち帰りくださいませ。

おはようございます ニコニコ


東洋医学でいう「気」って何だろう?最近、またあらためて、ことあるごとに考えています。東洋医学講座No.19 で、『広辞苑』と『Alternative Health Dictionary』に書かれている「気、Qi」をご紹介していますが、先週「東洋医学の本あれこれ」 に載せた『中医基本用語辞典』には、↓次のようにあります。


① 人体を構成し、人体が生命を維持するための基本的物質の1つ。すなわち体内を流動する精微な栄養物質のことで、水穀の気・呼吸の気などを指す。

② 臓腑の生理機能のこと。呼吸を主り、血の運行をコントロールし、津液を化生して運行させ、肌肉皮膚を温養するなどの機能を指して「気」と呼ぶ。気は生成過程や機能の違いによって、原気・営気・衛気・宗気の4種類に分けられる。また、部位に応じて、五臓の気・六腑の気・経脈の気などがある。臨床では臓腑の機能失調によって起こる病状に関連して「気」という言葉を用いることが多い。例えば脾気不足・胃気不降などである。

③ 温病弁証の発展段階の1つ。気分または気分証を指す。


なるほど、さすがによくまとまってますが、東洋医学初心者の方には、ちょっとわかりにくいかもしれませんね。でも、辞書って、目的の語の意味を調べて、そこに書かれている語をさらに引くなんてこと、よくありますでしょ?


①にある水穀は水と穀物ですが、食物全般を指します。つまり、「水穀の気」は、食べ物から授かる気ってことになりますから、現代西洋医学的には食事から得る栄養素と考えることができますね。で、「呼吸の気」は酸素。


「など」となっているのは、栄養素と酸素だけじゃ説明しきれないものを含んでいるからかな。細胞の活動によって生まれる様々な生理活性物質、細胞を構成する物質、つまり私たちのからだをつくっている物質、すべて「気」でできていると考えますから。


そして、地球も宇宙も「気」でできている。だからこそ、宇宙空間を大宇宙・人体を小宇宙と解釈して、自然の中にあって、自然の移り変わりに適応していくことが、健康に生きることだということになるんですね。


②にある臓腑の生理機能は、東洋医学講座のNo.21 にある作用を示し、No.9No.10No.11No.12No.13No.15 に出てくる五臓六腑の働きにも相当します。気のそうした機能がうまく行ってない状態が、気鬱や気滞、気虚だと考えるワケです。


③については、ちょっと特殊なので、入れるとややこしくなっちゃうと思って、このブログではこれまで取り上げてませんでした。温病というのは、外邪 による急性熱病のこと。温病の診断は、病状の進行具合によって、衛気営血弁証理論を使って、衛分証・気分証・営分証・血分証に分けるんです。


こうして見なおしてきてみても、「気」についてわかったような、わからないような…。これまで何人もの大家の先生方も議論し続けてきているものですからね。ひよっこ鍼灸師に「こうだ!」なんて言えるワケないんです。逆に言えば、何でもアリかなぁ…。


一天一笑、今日も笑顔でいい1日にしましょう。


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