東洋医学で体質をみる その7 陰陽偏在の上熱下寒タイプ | 春月の『ちょこっと健康術』

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おてがるに、かんたんに、てまひまかけずにできる。そんな春月流の「ちょこっと健康術」。
体験して「いい!」というものを中心にご紹介します。
「いいかも?」というものをお持ち帰りくださいませ。

おはようございます ニコニコ


梅雨に入って、曇って蒸し暑い日が続いています。いっそ雨が降ってくれたほうがスッキリしそうな、モヤモヤとうっとうしい天気。湿気の多いときは、津液実証タイプ の方や、気滞梅核気 のある方は、体調をくずしやすいので気をつけてくださいね。


「東洋医学で体質をみる」シリーズも、体力・抵抗力の強さで分けた虚実 2タイプ、バイオリズムの振幅で分けた陰陽 2タイプ、からだの冷えと熱で分けた寒熱 2タイプと、虚実をさらに細かく分けた実証の6タイプ虚証の6タイプ 、そして複合タイプ とお届けしてきました。


これだけ出てきても、どうもピッタリくるものがない…なんていう方、いらっしゃいませんか?とくに寒熱に関して、「顔はのぼせるんだけど、足腰は冷えてる」あるいは「顔色はいいけど、おなかが冷たい」のって、どっちに入るのかしら…なんて思われませんでしたか?


寒証タイプでも熱証タイプでもなければ、中庸タイプで、寒熱に関しては健康状態ですけど、上半身は熱証タイプで、下半身は寒証タイプというケースがあります。これを上熱下寒(じょうねつげかん)といいます。


五臓の中で、五行でもっともが強く、 は五行のでもっともが強いため、健康な状態であれば、↓のように互いの陰陽バランスがうまく取れるようになっています。心陽が冷え過ぎないように、腎陰が熱くなり過ぎないように、互いにバックアップしあっているのです。


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ところが、先天的にが弱かったり、病気や産後の不養生、痰飲 が長引いたとき、更年期、糖尿などでが弱ったりすると、↓のように心腎の関係が悪くなります。


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腎陽が弱ると、腎陰が相対的に強くなって冷えが生じ、腎陰から心陰をバックアップするパワーも弱ります。すると、相対的に心陽が強くなって燃え上がってしまい、腎陽のバックアップができなくなって、さらに腎陽が弱るという悪循環に陥ります。


こうして、のある上半身では熱が出て、のある下半身では冷えを生じることになるんですね。この状態を心腎不交(しんじんふこう)といい、上熱下寒の症状が出ます。


① 上熱の症状

○ 顔や頭のほてり・のぼせ

○ めまい

○ 目の充血

○ 口やのどが乾いているが、水を飲みたいとは思わない

○ 歯が浮いて痛む

○ 胸のモヤモヤ感


② 下寒の症状

○ 足腰の冷え

○ 腰のだるさ・痛み

○ 寒がり

○ 下腹部の冷え

○ 尿の色が薄く、量が多い

○ 下痢しやすい


いくら上半身が熱いからといって、冷たいものを飲んだり食べたりしてはいけません。ぬらしたタオルでおでこや首筋を冷やすのはかまいませんが、おなかを冷やすようなことを決してしてはいけません。足湯や半身浴、腹巻や足首ウォーマーなどで温めましょう。


手当てとしては、大椎百会 をこすったり押したりして、関元三陰交 にお灸をします。蒸し暑い日が続きますが、飲みのもは温かいものにしてくださいね。


一天一笑、今日もいい1日にしましょう。


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