のどに何かがつまった感じ、梅核気かも? | 春月の『ちょこっと健康術』

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おてがるに、かんたんに、てまひまかけずにできる。そんな春月流の「ちょこっと健康術」。
体験して「いい!」というものを中心にご紹介します。
「いいかも?」というものをお持ち帰りくださいませ。

おはようございます ニコニコ


東洋医学には、「梅核気(ばいかくき)」という病症があります。のどから胸にかけて感じる異物感。梅の種ほどの大きさの、何かがつまっているような感じ。咳をして出そうとしても何もでてこない状態。棒か何かをつっこんで、かき出してしまいたいような感覚。


西洋医学では、「咽頭神経症」とか「咽喉頭異常感症」、「ヒステリー球」なんて呼ばれます。X線やCTをとっても何も写らないので、「何もないですよ。気のせいでしょう。」なんて言われてしまいます。でも、確かに何かつまってる感じで、本人は苦しいし、わずらわしい。


「気のせい」という言葉の使い方は違いますが、これ、まさに「 のせい」なんです。 肝気と痰飲が互いに結びついたこと(痰気互結)が原因。肝気が強くなる春に起こりやすい症状でもありますが、もともと気滞体質 タイプだったり、気虚体質 タイプで特に が弱い人に出やすい。


私も1~2度経験しています。忘れもしない鍼灸国家試験の前後、2~3ヶ月にわたって、胸がつまって苦しくて、一時は食事を飲みこむときに痛みさえ感じたので、思わず食道がんを疑いそうになりました。もちろん、梅核気だって、わかってましたけどね。


そう、精神的な緊張やストレスが続いた結果、肝気鬱結 を起こして気滞 (肝鬱気滞)になる。それが脾の変調 を招いて、脾の運化が悪化し、痰飲 を生じて、鬱結した肝気と結びつくと、梅核気のできあがりです。


立春からの3ヶ月は、春で、木( )の季節。今年のように、暖かくなったと思うと、急に冷え込むようなときは、その天気の変化の大きさだけで、からだにとってはストレスになるというもの。しかも、雨が多いので、湿気に弱い脾もやられやすい。つまり、梅核気ができやすい条件がそろってるんです。


西洋医学には、これという有効な手立てがありません。ストレスを解消しなさい、異物感そのものを気にしないように、なんて言われるくらい。場合によっては、精神安定剤が処方されるかもしれませんが、たぶん効かないでしょう。最近は漢方薬を使う先生も増えているので、その場合は半夏厚木湯が処方されることが多いようです。


でも、薬に頼る前に、呼吸法やツボ押しを試してみてほしい。気のめぐりがよくなって、梅核気が溶けて流れていくようなイメージを持ってね。ツボは、気の流れをよくする合谷だん中天突 に、痰飲を解消する豊隆 (ほうりゅう)を加えます。


また、梅核気予防のためにも、春の養生法シリーズ もご参考にどうぞ。解消法はこちら→梅核気の解消法

一天一笑、今日もいい1日にしましょう。


春月の『ちょこっと健康術』
紅色の桃。


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