ストローでつくる笛 | ひろじの物理ブログ ミオくんとなんでも科学探究隊

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ストロー笛01


 ストローでつくる笛は、いろいろと発展性のある実験装置です。

 装置と行っても、ストローにハサミを入れるだけという簡便なもの。だれでも作れるし、基本を押さえておけば、工夫によってさまざまな「進化」が楽しめます。

 では、基本から。

 

ストロー笛03


 この図の通りです。

 発音部は2枚の板がぶつかって音を出すので、音が出やすいように歯でかんでしごいたりして、平ぺったくしておく必要があります。ペンチで先を挟んで引っ張ると、歯でかまなくても平たく伸びますが、めんどくさい人はやはり歯でかんでください。

 この三角の部分を口に含んで、強く息を吐くと、アヒルの鳴き声のようなビービーという、ユーモラスな音がでます。

 最初の図にあるように、この笛を鳴らしながら、ハサミで少しずつ短く切っていくと、音程が変化します。絶対音でなくても、音の変化によって、それなりにドレミファ・・・と聞こえますので、音の授業開きなどには最適。ハサミで切る長さは、何回か試して、それらしく音階が聞こえる位置を確かめておいてください。二度と使えない、一回限りのドレミファ楽器で、ウケること間違いなし!

 

ストロー笛02


 どの笛も発音部と音階部で構成されているんですが、ストロー笛の基本形だと音階部をハサミで切らないといけないので、一回こっきりの楽器。通常の楽器にするには、リコーダーやトロンボーンのように、自在に音階が出せるような音階部がいります。

 

ストロー笛04


 上図のハサミで切るケースは、管楽器の固有振動数や音階の仕組みを説明するのに最適で、さまざまな長さの笛を作っておいて吹き比べると、音程が管の長さで決まることが容易に理解できます。

 音階を一本のストロー笛で実現するには、ストローに穴を開け、それを指でふさいだり離したりして、音程を変えます。リコーダーですね。ただ、この方式は単純にストローを短くした場合とは音程の決まり方が違ってきます。

 

ストロー笛07


 穴は、ハサミの先を斜めに2回入れて、図のように三角に切り取るだけで十分です。指で隠れる程度の穴を開けてください。ただし、小さな笛なので、穴が大きすぎると、指で押さえたつもりでも、スキマがあって空気がもれてしまうことがあります。穴は指を乗せたときに隠れる程度のものにしましょう。

 

ストロー笛06


 リコーダーの穴の位置は、実物を参考にして適当に開けてください。出来は器用さに左右されますが、裏側にも穴を開けて、本物のリコーダーのように、ドレミファソラシドが全部出せる笛を作った生徒もいました。普通の人が普通のストローで作った場合は、音階の一部がいくつか出せる程度です。それでもじゅうぶんオモシロイので、作ってみてください。

 径が少しだけ違うストローが二種類あれば、それを重ねることでトロンボーンができます。

 

ストロー笛08


 太い方のストローを伸ばすと低い音に、縮めると高い音になります。これも実際に作って吹いてみて、音階の位置を覚えておいてから、演奏してみてください。楽しい楽器になります。

 ストロー笛を発音部として利用して、音階部は別に作るという方法もあります。この場合は、すこし手間がかかりますが、本格的な楽器に近づきます。

 

ストロー笛05


 ストロー笛をコルクやゴム管に穴を開けて突っ込み、それを発音部として、塩ビパイプなどで作った音階部に結合すれば、ちょっとした楽器ができあがります。昔の芸人さんがやっていたように、その気があれば、大根をくりぬいて楽器にすることもできますね。

 なお、ストロー笛の発音部は、プラスチックの劣化のため、一度作ったものを置いておいて、後日使うということができません。日が経つにつれ、音が出にくくなります。

 ストロー笛は「なまもの」と考えて、作ったその日が「旬」だと割り切ってください。最後のタイプのものだと、発音部だけ入れ替えれば何度でも使えますが、ぼくのお気に入りはやはり、タイトルイラストで紹介した、ハサミで切っていく、一回こっきりのドレミファ笛ですね。

 

 

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