レーウェンフックは球レンズでつくった自家製の顕微鏡で、史上初めて微生物の姿をとらえた人。球レンズの顕微鏡は原始的な姿に似ず、性能は高いので、作って覗いてみるとびっくりします。
このタイプの顕微鏡は、対象物とレンズの間の距離調整が重要。以前は、空き缶を切り取ったたわみのついた金属片の真ん中に穴をあけて球レンズをつけて作っていました。
対象物はガラス板などにおいて、金属片を適当な力で押しつけることで距離調整をする方式です。
タイトルイラストに紹介したものは、これをペットボトルで作ったもので、距離調整が非常に簡単に行えます。本当は「いきいき物理わくわく実験3」に載せる予定で記事が書かれ、このようにイラストもきっちり描いたのですが、編集会議で「いまさらレーウェンフック顕微鏡でもないだろう」という意見が出て没になりました。つまり、レーウェンフック顕微鏡は理科の教材として十分広まっているから、「いきわく」に載せるのは遠慮しておこう、との判断でしょう。
諸事情で本に載らなかった実験が(そしてイラストも)いくつかあります。せっかくなので、このミオくんと科探隊サイトで紹介しておきますね。(イラストを書く方の身にもなってくれよ~と叫びたいことも何回かありました。没にするなら、イラストを依頼する前にしてくれ~~! ・・・その辺の裏話は、「いきわく3」巻末のマンガに描いておきましたが)
さて、話を戻して、レーウェンフック顕微鏡です。
レーウェンフックは、球レンズを高度に磨く技術を持っていて、非常に性能の良い球レンズを自作して使っていたのですが、ぼくたちが使う球レンズは、もっと素朴なものです。
ガラス棒をバーナーであぶって柔らかくし、両側から引っ張ると、ガラスが糸状になって切れます。
この切れた先を再びバーナーであぶって融かすと、糸の先端が丸まって球となります。完全な球体ではありませんが、理科教材として原理を見るくらいなら十分使えます。
図のように、球レンズをシッポの付いたままペンチで折り取り、ペットボトルのふたに開けた穴に球レンズをあてがい、シッポをセロテープでフタの内側に貼り付ければほとんど完成。
ペットボトルの口にセロテープで支持台を作り、そこにプレパラートを乗せ、球レンズのついたフタをねじ込んでいくと、適当な位置でピントが合います。フタを回すだけでレンズと対象物の距離を微調整できるので、誰にでも簡単に扱えます。
ぼくなんかは、すごいアイディアだと思うのですが・・・
ガラス細工の経験が少ない人には、ガラス細工の練習にも最適です。レーウェンフック顕微鏡は、簡単に作れるガラス細工の代表ですね。
生徒さんは、火傷の心配などがありますので、必ず経験のある大人の指導のもとで作成を行ってください。
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