物理サークル通信のアーカイブより。
「最近流行の大道芸」とありますが、ぼくの「レンガ割り」が呼び水となったのか、とたんにこういう実験が、例会でわんさか登場。
1.の(S、O)というのは、スギさんとボクのこと。この頃、スギさんとボクで毎週のように集まっては、いろんな実験開発をして遊んでいたんですね。
「指に火」は『いきいき物理わくわく実験』でも紹介しましたが、「火吹き」は本に載せていません。残念ながら、今回出版した『いきいき物理マンガで実験』にも未収録。
授業で演示実験をしてみせたことは何度かありますが、この絵と違って、上がる炎は半端ない派手さがあります。怖いくらい。
このイラストはサークル通信の記録者が描いたものです。素朴でいいですね。
ぼくは、この実験の練習を一人で延々としているうちに、あることに気がつきました。
エチルアルコール(薬品)を半分くらいに薄めて、火吹きをしていると、口の中にいやな味が残るんですね。
どこかで、記憶のある嫌な後味でしたが、やがて、わかりました。
当時、売られていた日本酒を飲んだ後に口に残る後味と同じだったんですね。
当時の「一級酒」はアルコール濃度を基準値にするため、時間をかけて醸造したお酒に、工業的に作った醸造アルコールを混ぜていました。その味と同じだったのです。
あまりに集中的に実験した成果、醸造アルコールの量がかなり少なくても、その後味を感じることができるようになっていました。
もっと後になり、とある地方の酒蔵で、勧められた「純米酒」を味見したとき、やはりこの味がかすかにしました。そのことをオクサンに耳打ちしていたら、それが聞こえてしまったのか、酒蔵の主人が顔色を変えて、別のお酒を持ってきてくれました。そちらも「純米酒」と書かれていましたが、醸造アルコールの味はしませんでした。
本格的なお酒に変えてもらったので、そちらは購入して帰ったことがあります。
そのお店からは、今でも、ときどき、新しいお酒の案内が来て、余裕のあるときに注文しています。
今は日本酒もいろいろな種類に分かれましたが、相変わらず、この実験の後遺症(?)で、醸造アルコールの入ったお酒は苦手です。
ところで、この通信に載っている「皿回し」は、たしかCさんが発表したものだったと思います。こちらは、『いきいき物理マンガで実験』に「CD皿回し」という新しい形での紹介ができました。
この「CD皿回し」は知人の数学の先生、加藤裕二さんのアイディアです。本の解説ページにそのことも書いたのですが、文字数の関係で割愛せざるをえなくなりました。
この場で、はっきりと書いておきたいと思います。
もともとは、裕二さんに「子どもたちと遊ぶいい実験ネタはないかね」といわれ、菓子箱のフタで作る『皿回し」のことを教えてあげたのが始まりです。しばらくしたら、裕二さんの独創的なアイディアにより、CD板を使ったニューバージョンに進化して、帰ってきました。
やはり、科学は対話で進む学問なんですねえ。
『いきいき物理マンガで実験』は発売日を迎え、店頭で買えるようになりました。本屋さんで見あたらない場合は、取り寄せていただくか、アマゾンで注文してください。
たくさんの方に読んでいただきたいと思っています。
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