北米版レイトン教授VS逆転裁判解説

序章
嵐の夜の訪問者 / Prologue On a Dark and Stormy Night
異国の法廷 / Prologue English Turnabout

第1章 迷宮の町 / Chapter 1 Mysterious Labyrinthia
その1 / その2

第2章 豪炎の魔女裁判 / Chapter 2 The Fire Witch
その1 / その2

第3章 大魔女のナゾを追え / Chapter 3 The Great Witch
その1 / その2

第4章 黄金の魔女裁判 / Chapter 4 The Golden Court
その1 / その2

第5章 失意の後に / Chapter 5 A Taste of Despair
その1 / その2

第6章 地下遺跡のヒミツ / Chapter 6 Secrets of the Underground Ruins

第7章 終わる物語 / Chapter 7 The Story's End

第8章 最後の魔女裁判 / Chapter 8 The Final Witch Trial
その1 / その2

第9章 最後の検察士 / Chapter 9 The Last Inquisitor
その1 / その2

終章 はじまりの物語 / Epilogue The First Story
その1 / その2

クリア後のおまけなど

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今回から何回かに分けて(多分本編紹介は20回くらい)、日本版からの変更点、個人的に面白いと思ったところなど、日本版の「レイトン教授VS逆転裁判」と比較しつつ、北米版(英語版)を紹介していきます。
ブログ記事のタイトルは、わかりやすいよう日本版のタイトルにしてあります。
本作のネタバレが含まれますので、未プレイの方はご注意ください。

プレイ前に‥‥

1

ファイル名を入力する画面‥‥下画面が切れてしまってすみません。
文字数が10文字までなのは日本版、北米版ともに同じですが、使える文字はもちろん異なります。

2

記号オンリーで遊ぶことも可能です。w
北米版は日本版ほど記号は充実していないのが残念。
(そこを充実させる必要はないけどねw)

■序章 嵐の夜の訪問者 / Prologue - On a Dark and Stormy Night

成歩堂龍一 / Phoenix Wright
エルシャール・レイトン / Hershel Layton
綾里真宵 / Maya Fey
ルーク・トライトン / Luke Triton
チェルミー / Chelmey
バートン / Barton
マホーネ・カタルーシア / Espella Cantabella
ジョバンニ・ジコール / Carmine Accidenti

レイトンの研究室 / Layton's Office
テムズ川のほとり / Thames Riverside
公園・事故現場 / Park - Car-Crash Site
タワーブリッジ / Tower Bridge
ブリッジ・トンネル内 / Bridge Tunnel
謎の空間 / Mysterious Room

本作ではゲーム中にボイスが入るシーンがありますが、ポリゴンキャラの動きは英語版では英語のセリフにきちんと合わせてあります。
ボイスがないところでも、口パクの尺はセリフに合わせてありますし、SEのタイミングも変更されています。
そのへんの調整もローカライズは大変そうですね。

ナルホド
‥‥あのさ 真宵ちゃん
少し寝かせてくれないかな
マヨイ
もう 元気ないなあ

Phoenix
I know you're exited, Maya...but can't
a guy get a few last Z's in?
Maya
This is no time to be sleeping!


成歩堂&真宵初登場シーン(飛行機内)。
「Z's」で「睡眠」の意味。
ちなみに、Mayaの返事が「寝ている場合じゃないでしょ!」となっています。

ちなみに成歩堂から真宵への呼びかけ「真宵ちゃん」は英語版では「Maya」、
真宵から成歩堂への呼びかけ「なるほどくん」は英語版では「Nick」。
本作でもそのあたりは、これまでの英語版逆転裁判シリーズに合わせてあります。

基本的にアニメムービーはボイスと字幕が変更されているだけで、絵そのものに変化はありません。
唯一の例外と言っても良いのが、オープニングでロゴが登場するシーンです。
ロゴは英語版に変更してあります。
たぶん、ここだけアニメとは別にCGで重ねてあるんでしょう。

レイトン
重要な情報以外にも、『ナゾ』や
『ひらめきコイン』が隠されているよ。

Layton
In addition to important imformation, there
are also puzzles and hint coins waiting to
be found.


ナゾは「puzzle」、ひらめきコインは「hint coin」。
なので「ナゾ01」は「PUZZLE 01」というような表記になります。

ルーク
へええ。なんだか、珍しいですね。
先生が絵本だなんて‥‥。あれっ?
レイトン
気づいたようだね、ルーク。そう。
その絵本には『ナゾ』が仕掛けられているんだ。

Luke
Wow... I wouldn't have expected you to
have a picture book, Professor!
Wait a second...
Layton
That's right, my boy...
There's puzzle hidden within that book.


日本版ではルークからレイトンへの呼びかけは「(レイトン)先生」ですが、英語版では「Professor」。
また、レイトンからルークへの呼びかけは、日本版でも英語版でも「ルーク/Luke」です。
このシーンでは「That's right, my boy」と言っていますが、これは「よくやったね」という意味合い。
「~, my boy」はこの後もしばしば登場するので、原作でも登場している言い回しなのかも。
‥‥海外版のレイトン教授シリーズをプレイしたことがないので、私にはわかりませんが‥‥

ルーク
もちろん解いてみせますよ!
ボクは先生の一番弟子なんですからね!

Luke
Naturally. After all, I am your apprentice!


ルークの口癖の「ボクは先生の一番弟子ですから!」は「I am your apprentice!」。

3

日本版と海外版の見かけの違いとして、セリフのウィンドウの大きさがあります。
海外版ではセリフが3行表示になるので、日本版よりもウィンドウがやや高くなっています。
このため、上のシーンでは、虫めがねの説明で表示されている右上の絵の大きさが、日本版と英語版で若干違うのが解りますでしょうか。
そんなに大した違いじゃないですけど、このウィンドウサイズの違いの為に、ちょこちょこ細かい調整が入っている箇所が見受けられます。

4

こちらはカバンメニュー。
英訳されているだけで、画面構成は同じです。

5

ナゾ関係ですが、基本的に翻訳されているのみで、ほとんどのナゾの解法は日本版と同じです。
ナゾ01「魔女のナゾ」は、PUZZLE 01「Paths of Light」と翻訳されていますが、内容はあみだくじですから、解法は変化なしです。
ナゾ30「うるさいヤギ」は問題文自体に日本語(というかヤギの鳴き声)が表示されるので、解答は日本版と少し変わるのですが。
以降では、そういった、日本版とはちょっと違うナゾについては紹介していきます。

ちなみに日本版ではナゾ正解後、キャラが決めポーズを取った後に「ナゾ解明!」って文字が入りますが、北米版だと何も表示されません。何故なんだろう。

事の発端は、ある奇妙な町にあります。
その町の名は『ラビリンスシティ』
どんな地図にものっていない町です。

It all started in a town called Labyrinthia.
A mysterious town, one that you will
not find on any map.


マホーネ
これは『ラビリンシア』‥‥。

Espella
This book is the Historia Labyrinthia.


上はジョバンニの手紙の文章。
ラビリンスシティがLabyrinthia。
ラビリンシアがthe Historia Labyrinthia。
ややこしい。

6

もちろん英語版にも「ふかまるナゾ」があります。登場するタイミングも、日本版と同じです。

レイトン
困っている女性を助けるのは、
当然のことです。英国紳士としてはね。

Layton
And it is the duty of every gentleman to
help a lady in trouble.


レイトンの決め台詞。英国にかぎらず「全ての紳士」になっています。

魔女がレイトンの研究室を襲撃した時に、マホーネを眠らせますが、その時の呪文が日本版では「パトネルーファ」のように聞こえます。
(手元に日本版の「レイトン教授VS逆転裁判」があったら、「ひみつのモード」でムービーを見てみてください)
ゲーム後半で判明する、眠らせる魔法は「パトネル」。
英語版ではこのシーン、「フェインフォールマ」のように聞こえます。
英語版の眠らせる魔法は「Fainfol」。
日本版も英語版も、似てるけど何か違う?

レイトン
テムズ川の方角へ向かったはずだ。
追いかけて、マホーネさんを助け出そう!

Layton
They seemed to be headed towards the
Thames. Let's follow them and rescue
Espella!


テムズ川(River Thames)やタワーブリッジ(Tower Bridge)はそのまま。

テムズ川 - Wikipedia
タワーブリッジ - Wikipedia

ご存知の通り、どちらも実在しますし、背景の絵や、アニメムービーのブリッジ稼働の動きなんかも、実際のタワーブリッジ等を参考にして描いたのではないかと思われますが、動く石像が置いてある公園が近くにあるかどうかは知りません。w っていうか、地球上のどこにもそんな公園はないよ!w

ルーク
‥‥チェルミー警部に、バートン巡査です!
どうしてあの二人がここに?

Luke
Inspector Chelmey and Constable Barton?
I wonder what they're doing here...


Inspector:イギリス英語で「警部補」
Constable:イギリス英語で「巡査、警官、警察官」

なお、イギリス英語で「警部」は「chief inspector」だそうです。
アメリカ英語とイギリス英語で、階級の名称は異なります。気になったら調べてみてね。

バートン
りょ、了解であります。

Barton
Yes, sir! Understood, sir!


Bartonの返事はイエッサー!

ちかづく:Zoom in

チェルミー
なぜ、それを知っている?
どこで、その情報を?
レイトン
‥‥なあに。
虫の知らせというやつですよ。

Chelmey
How the devil?!
Where did you get that information?
Layton
Ho ho. Well...
You could just say a little bird told me.


レイトンパートは割と日本版に忠実な訳が多いというか、わかりやすい英語が多く、そういう意味では学生さんの英語の勉強としても良いかもしれません。
(日本でプレイ出来る環境を揃えるのは大変ですけど‥‥;)
ということで、私の紹介記事ではできるだけ、忠実じゃない翻訳部分や、教科書には載っていないような英語を取り上げていこうかと思うのですがw
たとえばここだと、チェルミーの「なぜ、それを知っている?」が「How the devil?!」(なんてヤツだ)になっていたり‥‥
レイトンの「虫の知らせ」という表現が「a little bird told me.」(そんな噂を聞いたんだ)という慣用句になっていたり。

レイトン
時間がありません。
さあ、急いで!

Layton
There's not much time, so listen carefully.


タワーブリッジ地下でマホーネ救出後の台詞。
レイトンの「さあ、急いで!」が、英語版では「so listen carefully.」(よく聞いて)と、ちょっとニュアンスが違う感じで訳されています。
この後マホーネを逃がす為の作戦が実行されるので、英語版のこれはこれでありかもしれない、そんな感じ。

タワーブリッジ地下といえば、ルークが突然現れた階段を落っこちるアニメムービーのところで、「アウチアウチアウーチ!」(日本版だと「あいたたた‥‥」というセリフのところ)って叫んだのでなんか笑ってしまった。w
ouch!ですね。亜内亜内亜内!
というところで、今回はここまで。

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