皆さま、おはようございます!

 

群馬県の渋川駅と大前駅を結ぶ吾妻線ですが、

線内一広い構内を持つはずのに、駅舎がない駅があるのですよ。

いや、マジでビックリです。f05310/吾妻線・羽根尾駅

吾妻線・羽根尾(はねお)駅です!

ねっ、駅舎が無いでしょ!

 

駅前にあるのは、高架線ホームに繋がる通路の入り口だけなのですよ。f05311/吾妻線・羽根尾駅

 

薄暗い通路を突き進むと階段が見え、

それを登ればホームに入ることが出来ます。f0531a/吾妻線・羽根尾駅

 

そもそもこの羽根尾駅、昭和46年に開通した、

吾妻線の延伸区間である

長野原草津口駅‐大前駅間のど真ん中にある駅でして、

同区間では唯一の貨物の取扱い駅であり

また、列車の交換が可能な駅でもありました。f05312/吾妻線・羽根尾駅

昭和50年に撮影された航空写真より。

 

開業当時は吾妻線延伸区間の貨物集積駅として、

大きな貨物ホームを備えた小ヤードがあったようですが、

昭和57年に吾妻線の貨物列車が廃止されると羽根尾駅のヤードも休止、

放置され続けた荷役設備は最近なって撤去されたらしく。f05317/吾妻線・羽根尾駅

 

廃止されたヤードですが、

長大な編成の貨物列車でもホームに進入出来るよう

スイッチバック構造が取られていたようです。

こんな経路で貨物ホームに進入していたようですよ。f0531b/吾妻線・羽根尾駅

 

なお、羽根尾駅について、

「開業時は貨物駅で旅客営業の設備は無かった」

旨の記載がネットで見られますけど、

開業年の航空写真に旅客ホームがしっかり写ってました。

ホームに繋がる通路には昭和46年竣工を示す銘鈑もあるし、

単に旅客営業の開始が遅れていただけなのかもしれませんね。f05313/吾妻線・羽根尾駅

 

羽根尾駅は島式ホーム1面2線構造で、

ホーム中央に地上に続く階段と、その上には近代的な上屋が載ってます。f05315/吾妻線・羽根尾駅f05314/吾妻線・羽根尾駅

 

それにしても、何で羽根尾地区に

こんな貨物の輸送拠点が設けられたかということですが…f05316/吾妻線・羽根尾駅

 

羽根尾地区は長野県上田市に延びる国道144号線、

沼田市に延びる国道145号線、

軽井沢町に延びる国道146号線の分岐点でして、

それぞれの国道はすべて、駅前の羽根尾交差点が起点なのですよ。0531g/吾妻線・羽根尾駅

吾妻線が延伸した昭和40年代と言えば、

モータリゼーションが進展し鉄道貨物が衰退した時代。

羽根尾地区に一大鉄道貨物拠点をつくることで、

鉄道へのモーダルシフトを推し進めようとしたのではないかと。

 

極めて高規格な軌道で延伸した吾妻線ですが、

既存区間の渋川駅‐長野原草津口駅間の路盤が弱く、

当時の貨物用標準型電気機関車のEF15形が

軸重制限を受けて入線出来なかったことは、

鉄道ファンの間では有名な話でしたよね。

そのおかげで戦前製のEF12が生き延びたわけですけど…

 

開業からわずか11年で使命を終えた羽根尾駅のヤード。f05318/吾妻線・羽根尾駅

貨物輸送が途絶えてなかったら、

今頃は盛況な駅だったに違いなかったと思うのですが。

 

 

訪問駅リスト(JR線)
吾妻線

↑(渋川駅方面)
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