花子とアン　あらすじネタバレ　第14週「揺れる想い」　79話

花子とアン　あらすじネタバレ　第14週　第79話「」6月30日（月）放送。

（美輪ナレーション）
まさか自分が道ならぬ恋をしていたなんて思ってもみなかったはな（吉高由里子）でした。
はなたちは新しい雑誌の完成に向けて大忙しの毎日を送っていました。

そして後は宇田川満代（山田真歩）の連載小説を残すのみとなった。
だがまだ執筆の承諾すらもらえていない。
もう時間がないのだが、梶原（藤本隆宏）は
宇田川満代の連載はこの雑誌の目玉になるので、他の作家には頼まず、諦めずに口説き落とすのだと言う。

そこへ三田が「いや～宇田川先生やっぱり今勢いありますよ。
『文芸東洋』に連載してる『逢引』も気合い入ってます。」と言いながら、その『文芸東洋』を持って来る。
三田は『文芸東洋』を開くと『逢引』を勝手に読み始めた。

「なぜあんな告白をしてしまったのだろう。
女の口から『あなたを好きです』と言ってしまったのだ。
どしゃ降りの雨の中、男は春子を追ってきた。
春子の胸は春の嵐のように轟々と高鳴っていた。
男は傘を差し出し春子を抱き締めた。
だが明くる日男は春子に信じられない言葉を言い放った。
『ゆうべの事は忘れて下さい』」

あまりにも内容が、はなと英治（鈴木亮平）の近頃の事に似ていたので醍醐が「はなさんこの小説ひょっとして…。」
と小声で尋ね、
梶原にも「安東君どうかしたのか？」と聞かれてしまい、はなが困惑しているところに
はなに向けて宇田川満代から電話が入る。

内容は『にじいろ』に掲載するための第一話を今書いているので原稿を取りに来るようにというものだった。
それを聞いて社員一同からどよめきが上がる。
はなは、早速、原稿を受け取りにカフェー・ドミンゴへ走った。

ドミンゴへ着いて宇田川満代を見るなり「宇田川先生！」と声を掛けたはなは
「話しかけないで！ここまで来たら一気呵成よ。」と叱られてしまい、
おとなしくカウンター席に座り原稿の仕上がりを待つ事とした。

この日も来ていた村岡平祐は「今日は静かでいいなあ。」と一人呟いていた。
「お姉やんよかったね。苦労したかいがあったじゃん。」とかよは喜んでくれた。

時計の針が午後二時を過ぎた頃、ようやく宇田川のペンが止まった「出来たわ。」
出来上がった宇田川の新作『銀河の乙女』を、はなは、ワクワクしながらその場で読む。
そして読み終えるとすぐに
「素晴らしいです！傑作です！」と絶賛するが、
宇田川はちっとも喜ばず
「簡単に褒めないでちょうだい。作家に最高の作品を求めるのが編集者でしょ。
駄目を出してちょうだい駄目を。」と駄目出しを要求するのであった。
「駄目なんてそんな…。」とはなが困って言うと
「まあ『みみずの女王』に言われても私は書き直さないけど。」と、
実際には自信作のようなのだが…。
宇田川の求めているのは本当のところは、駄目出しなどではなく具体的な感想なのである。

はなは「本当にすばらしいです！特にここ。」と原稿のその箇所を指さして
読みだした。

「『スピカスピカ。おお私の美しい星よ』。ルカは囁きました。
『二度とこの地球に帰ってこられなくてもいいの』
その時、銀河の女王が見えない翼をルカにそっと授けました。」
すると「そこ実は私も一番気に入ってるの。」と宇田川が言ったので、はなは
「本当に素晴らしいです。本当にありがとうございました。
第２話以降も楽しみにしています。」と重ねて褒め原稿執筆のお礼も述べた。
その様子を離れたテーブル席から眺めていた村岡平祐は
「ごちそうさま。」と立ち上がると、かよに
「君のお姉やんもようやく編集者らしくなってきましたね。」と耳打ちした。

その後、はなはドミンゴから聡文堂へ原稿受け取りの連絡を入れたが
梶原に「もう時間がないから、そのまま直接村岡印刷に届けてくれ。」と言われる。
そうなると、またはからずも英治と顔を合せてしまう事になると躊躇いのあったはなであるが、
そんな事も言ってはおられず、はなは、その足で村岡印刷へ向かう。

ドミンゴを出てから、はなが
「村岡印刷か…。こぴっと届けるしかねえ。」と独り言を言っていると、
はなに続いてドミンゴを出てきた宇田川が
「あの男は結婚してたんじゃないかしら。」とまるで、はなの心を見透かしたような事を言ったので
はなはドキッとして「あの男って…。」と聞き返してしまった。
宇田川は
「だから抱き締めた翌日『ゆうべの事は忘れて下さい』と言い放った男よ。
作家の勘ではね彼には妻がいたのよ。あなたも大変だったわね。」と、
そこまで一気に言い放つと行ってしまう。
「あ…宇田川先生！だからそれは友達の事で私は大変なんか全然…。」
とはなは、宇田川の背中に向かいまだ言い繕うのだが
宇田川は振り返ると「まあ頑張って。原稿無くさないで届けてね。」
と言って去った。
はなは自分で自分に「こぴっとしろし！」と気合を入れると村岡印刷へ向かう。

緊張の面持ち村岡印刷の英治のいる部屋のドアをノックして入ってゆくはな。
はな＞「ごきげんよう。聡文堂です。あの…こ…この原稿を至急『にじいろ』
のページに組み版して頂きたいんです。」
英治＞「分かりました。確認します。」
はな＞「はい。」
英治＞「あ…宇田川先生、書いて下さったんですか。よかったですね。」
はな＞「ええ…。ではよろしくお願いします。」
英治＞「できるだけ早く組み版して弟に届けさせます。」
はな＞「では失礼します！」
努めて必要な事意外は話さないようにと気を付けて、はなは用件を済ますと早々に英治の前を去った。

その夜も寝付けずにいたはなに、目を覚ましたかよが話しかける。
かよ＞「今日村岡印刷に行ったら？大丈夫だったけ？」
はな＞「ああ…村岡さんの事？もう忘れた忘れた。奥さんのいる人だって分かった途端ただの物体に見えたさ。」
かよ＞「物体？」
はな＞「うん。大きくて邪魔な、か…壁じゃん。」
かよ＞「お姉やん無理しんで。」
はな＞「てっ！無理なんて…。」
かよ＞「お姉やんのこんだからきっと仕事場ではうんとこさ無理して頑張ってるら。
おらの前まで無理しんでいいだ。」
はな＞「かよ…。」
「お姉やんが本気で好きんなった人ほんな簡単に嫌いになれる訳ないじゃん。おやすみ。」と
かよは微笑んだ。

「お待たせしました！」
２週間後、郁弥が刷り上がった『にじいろ』創刊号を持って聡文堂へやって来た。
社員達はみな嬉しそうに『にじいろ』創刊号を手にして眺めている。

納得の仕上がりに梶原も上機嫌だった。
聡文堂の面々は創刊号の完成をサイダーの乾杯で祝う事にした。
梶原＞「記念すべき創刊号の完成を祝って乾杯！」
一同＞「乾杯！」
醍醐＞「英治さんこんな日にもいらっしゃらないなんて残念ね。」
はな＞「きっとお忙しいのよ」
醍醐＞「でもはなさんとは順調に愛を育んでるんでしょう？」
はな＞「醍醐さん…それはもういいの。」
「いいって？」と醍醐が目を丸くした時、はからずも梶原がその答えを郁弥への質問という形で口にした。
「そういえばさ、ずっと英治君、見ないけど奥さんの具合そんなに悪いの？」
郁弥＞「はあ…。」
醍醐＞「奥様！？お兄様、結婚なさってたんですか？」
須藤＞「僕も知りませんでした。」
郁弥＞「兄と結婚してすぐに義姉は胸を患って今も入院してるんです。」

醍醐ははなを、少し離れた場所へ引っ張って行くと「はなさんは知ってたの？」と詰問する。
「あ…あ、ええ…。」と答え曖昧な表情を浮かべるはなを
「はなさん大丈夫？」と醍醐は心配して、目の前にあった『にじいろ』創刊号の『王子と乞食』のページを開くと、
「こんなにロマンチックな挿絵を描いてくれた人が結婚してたなんて…。」と呟いた。

（美輪ナレーション）
これからもこの絵を見る度に、はなは切ない気持ちになるのでしょうか。

その頃、花を手に英治は妻の病室を見舞っていた。
病室へ入ると「香澄、今日はどう？」と英治は呼びかけた。
振り向く香澄（中村ゆり）。

（美輪ナレーション）
この人が奥さんの香澄さん。なんと美しい人なんでしょう。
ごきげんよう。さようなら。

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