【夕顔30-3】古文単語「すさむ」
源氏物語イラスト訳の重要古語です
古文単語でよく出題されるのは、
1.古典特有語
…現代にない古語。
2.古今異義語
…現代と意味の異なる古語。
3.死語的現代ワード
…受験生世代はほぼほぼ使わない語。
…ですが、今回の古語は、
受験世代の人はあまり使わない死語☆
はい、ではいってみましょぉ~♪
٩(๑•̀∇•́๑)و
【今回の源氏物語】
もて馴らしたる移り香、いと染み深うなつかしくて、をかしうすさみ書きたり。
「心あてにそれかとぞ見る白露の
光そへたる夕顔の花」
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今回出てきた古文単語
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■【もて馴らし】…サ行四段動詞「もて馴らす」の連用形
※【もて馴(な)らす】…使い慣らす
■【たる】…完了の助動詞「たり」の連体形
■【移り香(うつりが)】…他の物に残り移った香り
■【いと】…とても
■【染み】…マ行四段動詞「染む」の連用形
※【染(し)む】…しみ込む
■【深う】…ク活用形容詞「深し」連用形のウ音便
■【なつかしく】…シク活用形容詞「なつかし」の連用形
※【なつかし】…心惹かれる
■【て】…単純接続の接続助詞
■【をかしう】…シク活用形容詞「をかし」連用形のウ音便
※【をかし】…美しい。趣深い
■【すさみ書く】…書き流す
■【たり】…存続の助動詞「たり」の終止形
■【心あて】…あて推量
■【に】…状態を示す格助詞
■【それ】…その人。ここでは光源氏その人をさす
■【か】…疑問の係助詞(文末用法)
■【と】…引用の格助詞
■【ぞ】…強意の係助詞
■【見る】…マ行上一段動詞「見る」の連体形
■【白露(しらつゆ)】…(花についた)白い露
■【の】…連体修飾格の格助詞
■【光(ひかり)】…(露の)光。光源氏を暗示する
■【添へ】…ハ行下二段動詞「添ふ」の連用形
※【添(そ)ふ】…添える。つけ加える
■【たる】…存続の助動詞「たり」の連体形
■【夕顔の花】…白い夕顔の花。光源氏を暗示する
◇ 単語の意味と文法的説明です。
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今回の古文単語 「すさみ書く」 ☆
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「すさみ書く」という複合動詞は、
カンタンな辞書には載っていませんが;
(;゚;∀;゚;)
古文ではよく用いるので、
連語として覚えておくといいですね♪
♥-(´ε`● )
では、まず「すさむ」という語の辞書的意味から~♪
ε=ε=ε= ヾ(*~▽~)ノ
【自動詞:マ行四段活用】
①気の向くままに~する。慰みに…する
②勢いが甚だしくなる。激しく…する
【他動詞:マ行四段動詞】
①心がひかれて楽しむ。もてはやす
②きらって避ける
*『学研全訳古語辞典(Webilio古語辞典)』より
①の意は、
「遊む」という字義にちなみ、
②の意は、
「荒む」という字義にちなんでいますね。
((( ⊂⌒~⊃。Д。)⊃
また、
「…書く」との複合動詞になっていることから、
①の「…」部分がある意味に解釈するとよいですね。
では入試対応問題☆
─=≡Σ((( つ•̀ω•́)つ
もて馴らしたる移り香、いと染み深うなつかしくて、をかしうすさみ書きたり。
「心あてにそれかとぞ見る白露の
光そへたる夕顔の花」
問)傍線部の意味として最も適当なものを次の中から選べ。
1.すばらしい和歌が書いてある。
2.趣深くていねいに書いてある。
3.美しい字体で書き流してある。
4.ひどくおかしい字体で書いてある。
5.激しくすさんだ字で書いてある。
もちろん、重要古語「をかし」の意味から
ある程度はしぼれますが…
「すさむ」のニュアンスも、しっかり押さえておく必要がありますよ!
(▰˘◡˘▰)
解答……3
もて馴らしたる移り香、いと染み深うなつかしくて、をかしうすさみ書きたり。
「心あてにそれかとぞ見る白露の
光そへたる夕顔の花」
● 過去記事リンク
■ならす
■いと
■なつかし
■をかし
■ぞ・ぞや
■見る
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