【帚木457-3】古文単語「不用なり」 | 【受験古文速読法】源氏物語イラスト訳

【帚木457-3】古文単語「不用なり」

源氏物語イラスト訳のあいですラブラブ 

 

古文単語でよく出題されるのは、


チェックボックス1.古典特有語

   …現代にない古語。


チェックボックス2.古今異義語

   …現代と意味の異なる古語。


チェックボックス3.死語的現代ワード

   …日本語にはあるが受験生世代はほとんど使わない語。



…ですが、今回の古語は、

☆古今異義語☆

 

ではいってみましょぉ~♪

٩(๑•̀∇•́๑)و

 

帚木457のイラスト訳はこちら

 

【今回の源氏物語】

いかにたばかりなさまだ幼きうしろめたく待ち臥したまへる不用なるよし聞こゆれ

 

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今回出てきた古文単語
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■【君(きみ)】…源氏の君。光源氏

■【は】…提示の係助詞

■【いかに】…どのように

■【たばかりなす】…考えをめぐらして手配する

※【たばかる】…考えをめぐらす。工夫する

※【―なす】…ことさらに―する

■【む】…推量の助動詞「む」の連体形

■【と】…引用の格助詞

■【幼(をさな)し】…幼い。幼少である

■【を】…順接の接続助詞

■【うしろめたし】…不安だ。気がかりだ

■【待ち臥す】…横になって待つ

※【臥す(ふす)】…横たわる

■【―たまへり】…―ていらっしゃる

※【たまふ】…尊敬の補助動詞作者⇒光源氏

※【る】…存続の助動詞「り」の連体形

■【に】…単純接続の接続助詞

■【不用(ふよう)なり】…役に立たない。むだだ

■【よし(由)】…旨。いきさつ

■【を】…対象の格助詞

■【聞こゆれ】…ヤ行下二段動詞「聞こゆ」の已然形

※【聞こゆ】…「言ふ」の謙譲作者⇒光源氏

■【ば】…順接確定条件の接続助詞

   アップ

単語の意味文法的説明です。

「重要古語一覧」もご参照ください。
 

 

 

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古文単語の学習法☆

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古文単語の勉強は、

 

まるで知らない古語は、語呂でも何でも覚えてしまう。

 

現代に通じる古語は、漢字や語感でイメージする。


 

この2本立てで勉強します!

٩(๑•̀∇•́๑)و



ゴロゴで語呂暗記するのは、

前者の古語のみ!


 

今回出てきた「不用」のような古語は
実際、ゴロゴには載ってないですよねぇ;


 

ですが、こんな問題が出てきたらどうでしょうか?

(^-^)/

 

 

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大学入試古文 問題例

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君は、いかにたばかりなさむと、まだ幼きをうしろめたく待ち臥したまへるに、不用なるよしを聞こゆれば、

問題)傍線部の意味として最も適当なものを、次の中から選べ。

1.空蝉への同情から連絡した光源氏の恩幸に対し、そんな情けはいらないとすげなく断られてしまったという事実。

2.光源氏と密会を重ねようということを、すでに空蝉は決めており、小君を通した連絡は不必要であったということ。

3.前回の逢瀬の際にまた逢いたいと話し合っていたはずなのに、空蝉の心変わりによりむだになってしまった約束。

4.空蝉に密会の約束を取りつけようと、小君に取り次ぎを頼んだものの、むなしく断られてしまったといういきさつ。

5. 光源氏が小君を通じて空蝉に密会を申し出たにもかかわらず、なぜそれを受け入れなかったのかという理由。


 

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本日の古語 「不用なり」☆

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ふようなり【不用なり】
 (ナリ活用形容動詞)
①用がない。不必要だ
②役に立たない。むだだ
③乱暴で手に負えない。不届きだ


 *「学研全訳古語辞典(Weblio辞書)」より

   

   

「不用」という言葉は、

その漢字のニュアンスどおりの意味ですね。

ヘ(゚∀゚*)ノ


 

同じニュアンスの古語に

「無用なり」というのもあります。

 

セットで押さえておくといいですね♪

('-^*)/

 

 

むようなり【無用なり】
 (ナリ活用形容動詞)
①役に立たない
②してはいけない。してはならない


 *「学研全訳古語辞典(Weblio辞書)」より

   


 

今回の文脈では、


 

光源氏が小君に、

連絡係を頼んだものの…

 

幼い子どもが、うまく密会の手筈を取りつけられるか

不安に思って、小君が帰ってくるのを

待っています。。。

 


幼きをうしろめたく

 

ようやく小君が帰ってきて、

 

不用なるよし」を申し上げたのですね。

 


不用なるよしを

 

 

1.空蝉への同情から連絡した光源氏の恩幸(△)に対し、そんな情けはいらないとすげなく断られてしまったという事実。

2.光源氏と密会を重ねようということを、すでに空蝉は決めており(△)、小君を通した連絡は不必要であったということ。

3.前回の逢瀬の際にまた逢いたいと話し合っていたはずなのに、空蝉の心変わりにより(△)むだになってしまった約束。

4.空蝉に密会の約束を取りつけようと、小君に取り次ぎを頼んだものの、むなしく断られてしまったといういきさつ。

5. 光源氏が小君を通じて空蝉に密会を申し出たにもかかわらず、なぜそれを受け入れなかったのかという理由(△)

 

 

「不用なり」「由(よし)」の意味は、

言葉尻をつかんだら、

どの選択肢も間違いだと絞りきれません;


 

でもね。

 

こういう問題も、

センター古文問1なんかで

出てくるんですよね~;

ヽ(;´ω`)ノ





 

「不用なり」のニュアンス☆


 

こういう実学の古文でつかんでくださいね♪

(o^-')b

 


正解は……
 


【源氏物語イラスト訳】冒頭から読む⇒

【帚木の巻】の始めから読む⇒

 

【今回の源氏物語】
いかにたばかりなさまだ幼きうしろめたく待ち臥したまへる不用なるよし聞こゆれ

 

 

過去記事リンク

君(光源氏)

いかに

たばかる(謀る)

なす

む(助動詞)  

と(格助詞)

うしろめたし(後ろめたし)

ふす(臥す)

たまへり

に(助詞)

よし(由)

を(格・接続助詞)

きこゆ  きこゆ②

ば(接続助詞)

 

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最後までお読みくださりありがとうございました☆

お役に立ちましたでしょうか?(o^-')b