【帚木377-3】「かなぐる」
源氏物語イラスト訳のあいです
勉強がんばってますかー?
(ノ´▽`)ノ
【今回の源氏物語】
並々の人ならばこそ、荒らかにも引きかなぐらめ、それだに人のあまた知らむは、いかがあらむ。
【今回の古文単語】■【並々】…並大抵の、普通の
■【の】…連体修飾格の格助詞
■【人】…人間、ここでは男の人の意
■【なら】…断定の助動詞「なり」の未然形
■【未然形+ば】…順接仮定条件の接続助詞
■【こそ】…強意の係助詞
※【こそ…め、】…係り結びの逆接用法
■【荒らかなり】…荒々しい
※【に】…形容動詞連用形の活用語尾
■【も】…強意の係助詞
■【引きかなぐる】…引き放つ
※【引き―】…語気を強める接頭語
※【かなぐる】…荒々しく引きはがす
■【め】…推量の助動詞「む」の已然形
■【それ】…指示語
■【だに】…類推の副助詞
■【人】…人々
■【の】…主格の格助詞
■【あまた】…たくさん
■【―むは】…―としたら、それは
※【む】…仮定の助動詞「む」の連体形
※【は】…提示の係助詞
■【いかが】…どう、どのように
■【あら】…ラ変動詞「あり」の未然形
■【む】…推量の助動詞「む」の連体形
↑では、単語と文法の説明をしています。
今日は、「かなぐる」についてです☆
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「引き―」という接頭語は、
動詞に付いて、語調を強めるはたらきをします。
【かなぐる】
(ラ行四段動詞)
…荒々しく引きはがす、荒々しく引きのける
【ひきかなぐる(引きかなぐる)】
…手荒く引きのける、引きむしる
*学研全訳古語辞典より
「かなぐる」という言葉は、
今でこそあまり用いませんが、
「かなぐり捨てる」などの複合語に見られるように、
この言葉だけで
非常に力強く、かきむしるイメージです!
(`・ω・´)ゞ
なのに、
「引き―」という語調を強める接頭語のついた「引きかなぐる」は、めちゃくちゃ力強いニュアンスですね!
Σ(゚д゚;)
空蝉の女房「中将の君」は、
主人の空蝉を抱いてさらっていく男が、
もしも、あの光源氏でなかったら…、
主人を力ずくでも取り返した、というんです。
ただただ、男尊女卑的に、
男にむりやりおかされれるのを、
黙って受け入れるのではなく、
本来ならば、女主人を身を挺して守る女房像がうかがえますね。
ε=(。・д・。)
しかも、それでいて、
光源氏の前には何の術ももたなかった中将。
それだけ光源氏のカリスマ性がうかがえる場面です。
(o^-')b
● 本日の「源氏物語」~帚木377(原文)
並々の人ならばこそ、荒らかにも引きかなぐらめ、それだに人のあまた知らむは、いかがあらむ。
● 本日の古語~過去記事リンク~
■こそ
■も
■め
■あまた
■いかなる
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