ひとりぼっちのウォークマン -23ページ目

ルーベンス 「大地と水の結合」

この絵はギリシャ神話の一場面を

描いたものである。


大地の女神と海の王者が

手を取り合っているところを、

勝利の女神が祝福している場面が描かれている。

ルーベンス 「大地と水の結合」

三又の矛を持った海の王者は、

なんとたくましい肉体なのだろう。


大地の女神は右手に豊かな実りを携えて、

ゆったりと手を取り合っている。


こういう大地と海の代表が、

仲良く語り合う姿はいいものだ。


まさに最高の勝利だ!!


そしてこれは万物にとって、

最高の幸せなのかもしれない。


どうか、いつまでも、

いかなる時も・・・・・


真中にいる勝利の女神ヴィクトリアは、

この同盟が世界に富と平和をもたらし、

実り多きものになることを祈り、


この二人の神に月桂冠をかぶせている。


この両者が反目しあうと、

その損害は計り知れない。


大震災・大洪水のような・・・・・

もっと、もっと恐ろしいことになる。


この二人の神には

いつまでも仲良くしてもらいたいという、

永遠の願いを現わした作品である。


今晩の

「ひとりぼっちのウォークマン」の旅は

この二人の神の同盟の瞬間に・・・



ルーベンス「ローマの慈愛(キモンとペロ)」

この絵は古代ローマの逸話から

描いたものである。

ルーベンス「ローマの慈愛(キモンとペロ)」

娘(ぺロ)が父(キモン)に乳を与えている。


なんという姿だ。


投獄され、餓死の刑を宣告された

父の命を救おうと、

娘が自分の乳を与えているのだ。


こんなことがあるのだろうか。


若く美しい娘の横顔は優しそうだが、

どうにか、この父を助けたいという、

必死な思いが伝わってくる。


その姿はどこか聖母にも似た

たたずまいである。


その結果、父は助かった・・・・・


見ているこちらも、ジーンとしてしまう。



これが慈愛というものなのか。


この場面は他にも多くの画家が描いているが、

ルーベンスのこの絵は、

特に印象的な一枚である。



今晩の

「ひとりぼっちのウォークマン」の旅は

古代ローマへ・・・



ルーベンス 「虹のある風景」

この絵はルーベンスの故郷フランドルの、

「虹のある風景」である。

ルーベンス 「虹のある風景」

これはオランダ戦争のあたりに描かれたようだが、

なんて平和な風景なのだろう。


動物とたわむれる人、

笛を吹く男、

話し込んでいる男女など、


のんびりと、

ゆったりとした時間が流れているようだ。


空には明るい希望の光が見えるかのように、

虹がかかり、

なんて素敵な光景なのだろう。


そういえばルーベンスはオランダ戦争の中を

生き抜いた人だ。


この絵はルーベンスが描く理想郷なのかもしれない。


早く、

こんな平和な生活が戻ってきてほしい

という願いが込められているようだ。


今晩の

「ひとりぼっちのウォークマン」の旅は

フランドルのこの森に・・・




レンブラント「放蕩息子の帰還 」

新約聖書福音書の逸話から

レンブラントの「放蕩息子の帰還 」である。

レンブラント「放蕩息子の帰還 」

頬がこけてやつれた父親が、

息子を抱きかかえている。


父親の表情から、

それまでの苦悩が読み取れるようだ。


この父には二人の息子がいたが、

弟の方は、

父から与えられた財産を持ち、家を出た。


そして放蕩三昧の末、財産を使い果たし、

恥を忍んで実家へと戻ることになった。


その時の様子である。


なんと力強く優しく愛情にあふれた手なのだろう。


ボロボロになった息子を

懐深く受け入れ、背中をゆっくり撫でている。


この後、

叱られると思っていた父親から、

帰還を喜ばれ、祝宴をひらいてもらい、

迎え入れてもらえたようだ。


この時、

右側に立ちつくす真面目な兄は、

どんな思いでいるのだろうか。


人は多かれ少なかれ

後悔するようなことを重ねながら、

生きていくものではないだろうか。


この絵から

「変わらない日常の大切さ」と「無条件の愛」を

教えてもらった。


この絵は262×206cm の大きさがあり、

描かれている人物も等身大で、

心に迫るものを感じた。


今晩の

「ひとりぼっちのウォークマン」の旅は

心に迫るこの場面に・・・




レンブラント「老婦人の肖像」 

この絵は、

椅子に腰掛けて物思いにふける女性を描いた

「老婦人の肖像」 である。

レンブラント「老婦人の肖像」

それにしても、なんと悲しげなのだろう。

自分の母のこんな姿を見たら、

とても心配になる。


うつろな目も気になるが、

前に重ねた大きな手はゴツゴツしていて、

一生懸命働いてきた証のようだ。


苦労が多かったのだろうか。


否、

暗いイメージばかりで考えるのは

良くないかも・・・・・


華やかさはないが、

これは、しっかりと地に足をつけ、

確かな歩みを運んできた人の、

存在感なのかもしれない。


今晩の

「ひとりぼっちのウォークマン」の旅は

エルミタージュへ・・・







ルノワール 「アンリオ夫人」

前回の黒にひきつづき、

ルノワールの白、といえば、この絵が浮かぶ。


それは、若い人気女優を描いた

「アンリオ夫人」である。


ルノワール に描いてもらったモデルが、

とても気にいって、

生涯、手離さなかったという絵がコレだ。


こんなに美しく魅力的に描いてもらったら、

それも分かるような気がする。

ルノワール 「アンリオ夫人」

何と優雅で、やさしい白なのだろう。

まるで真珠のように・・・


上品な白いイブニング・ドレス、

とても似合っているチョーカー、

それにも増して、透きとおるような白い肌、


この白っぽく淡い色調が、女性の優しさと気品を

より一層、かもしだしている。


そして、クリッとした瞳は、

あどけない少女のようでもある。


なんと美しい女性なのだろう。



今晩の

「ひとりぼっちのウォークマン」の旅は

この女性のもとに・・・




ルノワール「黒い服を着た婦人」

今回の絵はルノワールの、

「黒い服を着た婦人」である。


なんと、柔らかな温もりを感じさせる絵なのだろう。

ルノワール「黒い服を着た婦人」


背景は左側の濃い褐色から、

右側に行くに連れ、薄く変化し、

婦人の洋服は、薄い黒から、濃い黒へ変化している。


そのためか、

婦人がいきいきと前面に浮き上がって見える。


そして、肌の白さがとても引き立っている。


また、大きな瞳の中にある、わずかな白も、

インパクトを与え、


絵の前を、通り過ぎても、

後ろに、この婦人の視線を感じてしまう。


これがルノワールなのか。


今迄、印象派の絵では「黒」を、

それほど見て来なかったが、


ルノワールのこの絵は、黒い瞳や、黒い洋服など、

とてもうまい使い方をしている。


今晩の

「ひとりぼっちのウォークマン」の旅は、

この魅力的な婦人とどこかへ・・・




ホッパー「ナイト・ホークス」

何と都会的な、 

センスのいい、


ちょっと冷たい感じもする、

でも、惹かれる絵だ。


熟年の男女が秘密会議?


この絵は、深夜のカフェの、

3人のお客と店主を描いた

ホッパーの「ナイト・ホークス」である。


「ナイト・ホークス」とは、「夜ふかしする人々」という意味。

ホッパー「ナイト・ホークス」

静かに語り合いたいのか、

何を話しているのだろう、

私も隣にお邪魔したくなる。


いいなあ、こんな大人の雰囲気。


それにしても、人けのない街角が、

こうこうと明るい光に照らされている。


その光は、店の中だけに収まりきらず、

前面の歩道と、

向かいの赤レンガ壁まで、

くっきりと映し出している。


もっと賑やかに華やいでいる

街角もあるだろうに、


あえてこの絵を描いたホッパーは、

どうしても、

世の中の暗の部分が、

気になっていたのかもしれない。


今晩の

「ひとりぼっちのウォークマン」の旅は、

このカフェに・・・





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ホッパー「朝の日ざし」

部屋の窓を全て開け放したような、

この明るさ。


思わず、手で遮りたくなるような眩しさだ。


そして女性が一人、


先週の「線路わきの家」に続き、

とても気になる一枚だ。


この絵は、ホテルの一室なのだろうか,

朝の日ざしを受けながら、


ベッドの上に座っている女性を描いた

「朝の日ざし」である。

ホッパー「朝の日ざし」

こんなに明るい部屋なのに、

女性はどことなく孤独で、

暗く沈んでいるように見える。


この明るさが、余計にそう感じさせるのかもしれない。


まるで、映画のワンシーンのような場面だ。


世の中には、光り輝く明るい部分と、

陽の当たらない影の部分もあることを、

忘れてはいけないということなのか。


今晩の

「ひとりぼっちのウォークマン」の旅は、

古き良き時代のアメリカへ・・・




ホッパー「線路わきの家」

今回はアメリカの

エドワード・ホッパーを取り上げる。


線路わきに、こんな家が立っていたら・・・


ここを通るたびに、気になって、

気になって

仕方がないだろう。


そして線路わきの

あの家のことを、

誰かに話したくなるに違いない。


この一軒の古風な4階建ての洋館を

描いたのが、「線路わきの家」である。

ホッパー「線路わきの家」

この家の周りにはどんな風景があったのか、

それを描かずに、

家だけを描いている。


そして、屋根の赤い煙突、

とても、目立っている。


しかも、昼間から、

幾つもある窓は閉じられていて、

中の様子が何も伝わってこない。


なぜ・・・・・


古き良き時代を懐かしむように、

車窓からこの家を眺める人もいるだろうが、


この家の持つ不思議な魅力に取りつかれる人も

いるかもしれない。


何かミステリアスな

不思議なこの家に・・・・・


今晩の

「ひとりぼっちのウォークマン」の旅は、

車窓から、この家を眺める旅へ・・・