ひとりぼっちのウォークマン -21ページ目

ミュシャ「ジスモンダ」

このポスターはミュシャのデビュー作であり、

なおかつ、代表作となった「ジスモンダ」である。


こんな美しいポスターが貼られていたら、

誰もが立ち止まって見るだろう。


そして、しばらく動けないのではないだろうか。


描かれているのは王妃ジスモンダで、

演劇界を代表する女優サラ・ベルナールが

演じたものである。


それにしても美しく気品にあふれている。


エルサレムにキリストを迎える名場面で、

知恵と勇気の象徴である

大きなアイリスの花を頭に載せ、

神々しいまでの魅力を放っている。

ミュシャ「ジスモンダ」

正月公演のために貼りだされ、

パリ中がこの話題で持ちきりとなったらしい。


女優サラにとっても、

更に大きな飛躍のステージとなり

大成功を治めたといわれている。


ポスターの持つ役割の大きさを改めて感じる。


今晩の

「ひとりぼっちのウォークマン」の旅は、

この劇場の観客席に・・・





ミュシャ「夢想」

桜の季節に、取り上げてみたい一枚。


これはミュシャの「夢想」で、

リトグラフによるポスターである。


この絵は素敵な花に囲まれて、

どこか夢見るようなうつろな表情をして

微笑む女性を描いている。

ミュシャ「夢想」

なんと美しい絵なのだろう。


背景の文様化された花のデザインも、

ミュシャ独特の描き方で、

後にアールヌーボー様式の代表的なものとなった。


彼女の膝に載せた大きな画帳は、

なんと、印刷見本帳だとか!?


ミュシャは印刷会社に勤めていて、

この絵はそのPRのために作ったポスターなのだ。


このようなポスターなら私も欲しい!!


しかし、このポスターには文字が入っていない。


このポスターを利用しようとしているお客様は

どんな文字を入れるのか?

利用者のセンスが問われるところかな?


これぞ、フランス風の粋な計らいなのかもしれない。


今晩の

「ひとりぼっちのウォークマン」の旅は、

このポスターを探し求めて・・・





ル・シダネル「黄昏の古路(ジェルブロワ)」

今回も アンリ・ル・シダネル、


もう3枚目になるが、

どうしても、この絵は紹介しておきたい。


ル・シダネルはジェルブロワの村を、

とても愛していたが、


なぜ、そこまで・・・・・


この絵は夕暮れ時を描いた

「黄昏の古路」である。

ル・シダネル「黄昏の古路」

淡い紫色の色調が

秋の気配を感じさせるが、

季節はいつなのだろう。


踏みしめられて丸くなった石畳が

時の流れを感じさせる。


家の窓や壁には薔薇が咲き、

古い街並みを一層美しくしている。


ちょっと明かりが漏れる家には、

どんな人が住んでいるのか・・・


このような村をふらっと訪れてみたい。



この村は、その昔、長年の戦争によって荒廃し、

人びとの気持ちも落ち込んでいたようだ。


ル・シダネルは、そういうこの村を、

何とかして、盛り上げようとした。


たくさんの薔薇を植えて、

美しい薔薇が咲き乱れる村にし、

やがて、人びとを巻き込んでいった。


今では、観光客も訪れる

「フランスで最も美しい村」となっているようだ。


ル・シダネルは、ただの画家ではなかった。

なんと偉大な人なのだろう。


今晩の

「ひとりぼっちのウォークマン」の旅は、

フランスで最も美しい村ジェルブロワへ・・・





ル・シダネル「青いテーブル(ジェルブロワ)」 

ル・シダネルの作品には

テーブルのある風景がよく出てくる。


絵の中には描かれていないが、

テーブルの手前には、薔薇の咲く庭と、

ル・シダネルの家があると想像できる。


この絵は道路に面したテラスにあるテーブルを描いた

「青いテーブル(ジェルブロワ)」である。


そして、このテーブルの青い色が

幸せを運ぶ色のようで、

インパクトを与えている。

青いテーブル

テーブルには食事の用意がされているが、

誰を待っているのだろうか。


椅子の上には、薔薇の花がそっと置かれている。


ここに座るのは恋人か、それとも・・・・


人物は描かれていないが、

いろいろと想像してしまう。


青いテーブルでの食事は

会話もはずみ、

そこには、ゆったりとした幸せな時間が、

流れていくことだろう。


何気ないありふれた日常を描いた、

こういう絵が好きだ。


今晩の

「ひとりぼっちのウォークマン」の旅は、

この青いテーブルの席へ・・・





ル・シダネル「離れ家(ジェルブロワ)」

これは花のようだが、

桜だろうか?

夜桜? 

奥の方には、ぼんやり灯りが見える。

シダネル「離れ家」

この花は桜ではなく、庭に咲く薔薇のようだ。

なんて素敵なのだろう。


タイトルは「離れ家」だが、

薔薇がたっぷりと描かれ、

薔薇あっての「離れ家」かも知れない。


そういえば庭と花・・・・・


ここからモネをイメージしてしまうが、

作者のアンリ・ル・シダネルは

モネの影響を受けたようだ。


でも、モネとは違った描き方で、

この絵も、いいなあ~と思う。


私は勝手に夜桜を連想してしまうが。


しかし、フランスだから、薔薇、


薔薇は幸せを呼ぶ花とされていた。


たくさんの薔薇に囲まれたこの家は、

きっと幸せに違いない。


今晩の

「ひとりぼっちのウォークマン」の旅は、

この薔薇の咲き乱れる離れ家へ・・・





ボッティチェリ「受胎告知」

新約聖書・ルカ福音書の中に、

神から遣わされた大天使ガブリエルが現れて、

マリアに「あなたは神の子を宿しました。」

と告げる一節がある。


その場面を描いたのが

ボッティチェリの「受胎告知」である。

ボッティチェリ「受胎告知」

その告知を受けたマリアの気持ちは

どうだったのか・・・・


この時、マリアはまだ処女だった。

マリアの姿を見ると、驚いているのか身をよじっている。


そうかもしれない、

神の子を受胎したと聞かされたのだから、


この時のマリアの気持ちは想像を絶するものがある。


一瞬耳を疑い、拒みたいという気持ち、


しかし、ガブリエルから神の意志を告げられ、

厳粛に、必死に受け入れようとする気持ち、


私達には測り知れないが・・・・


そして、マリアは受胎を受け入れたのだ。


今晩の

「ひとりぼっちのウォークマン」の旅は、

この厳粛な場面へ・・・





グエルチーノ「聖母と祝福を授ける幼児キリスト」

3月になると、忘れてはならないことがある。


もう、4年も経ってしまった「東日本大震災」だ。


最近テレビでもよく取り上げられているが、

復興は、まだまだのようだ。


今回、取り上げるのは、

グエルチーノ「聖母と祝福を授ける幼児キリスト」

である。


この絵は、現在、

国立西洋美術館で開催されている

グエルチーノ展の出展作品の1つである。


その作品の多くは、

イタリアのチェント市立絵画館所有のものだ。


チェントは2012年5月に地震に襲われ、

大きな被害を受け、

絵画館は閉館したままで、

復旧のめども立っていないとのこと・・・・。

グエルチーノ「聖母と祝福を授ける幼児キリスト」

この絵は、テーブルの上に、

幼児キリストを載せて、

それを見つめる聖母マリアを描いている。


なんと優しい眼差しなのだろう。


愛しそうに幼児を見つめる

母親の愛情の深さが伝わってくる。


キリストは生まれて数ヶ月だろうに、

その眼差しは幼児ながら、

とてもしっかりとして力強い。


なんと、頼もしいのだろう。


今晩の

「ひとりぼっちのウォークマン」の旅は、

幼児キリストと共に、

        東北とチェントへ・・・





グエルチーノ「聖フランチェスコの法悦」

グエルチーノの作品の中の

代表的なこの絵を取り上げる。

グエルチーノ「聖フランチェスコの法悦」

ビオラを奏でているのは、少々たくましいが、

天使らしい。


音楽を奏でながら、突然、現れたようだ。


その時の強い光で、

聖フランチェスコが「おお眩しい!」

とでも言っているのか、

顔をそむけ、光を遮ろうとしている。


その時、フランチェスコは瞑想していたようだが、

その様子を描いたのが、

「聖フランチェスコの法悦」である。


なんと神秘的な光景なのだろう。

フランチェスコはこの山に籠もって

瞑想していたのだ。


若々しい天使の奏でる心地よいメロディーに

身も心もすっかり癒され、

フランチェスコは法悦(脱魂)状態となっていくのだろう。


修行を積んだフランチェスコには

この天使がはっきりと視え、

奏でている音楽も聴こえたのだ。


まさに「聖フランチェスコの法悦」なのだ。


今晩の

「ひとりぼっちのウォークマン」の旅は、

天使が現れたアルヴェルナの山へ・・・





グエルチーノ「聖母被昇天」

グエルチーノ、

私達には余り馴染みのない画家だが、

素晴らしい作品を残している。


時代は古くさかのぼり、

イタリアはバロック美術だ。

グエルチーノ「聖母被昇天」

なんと厳かな光景なのだろう。


この絵は

聖母マリアの死後、その魂と肉体が共に

天に引き上げられる様子を描いている、


「聖母被昇天」である。


もう陽が沈もうとしている頃だろうか、

夕焼けの赤さが残る。


頭上の白い大きな鳩は、

父なる神が姿を変えて飛んでいる。


この光景を見守るかのように。


その間を飛び交う天使は

赤い服を着た聖母マリアを、

上へ上へと押し上げていくのだろう。


ゆっくりと、ゆっくりと、

天へと押し上げていく。


とても厳粛な気持にさせられる絵だ。


今晩の

「ひとりぼっちのウォークマン」の旅は、

この絵のあるチェントの聖堂へ・・・




ゴーギャン「ナフェア・ファア・イポイポ        (あなたはいつ結婚するの?)」

今回はゴーギャンを取り上げる。


この絵は南国の楽園タヒチに住む2人の女性の

日常会話の風景を描いたもので、

「ナフェア・ファア・イポイポ(あなたはいつ結婚するの?)」

である。


それにしても、タヒチの太陽にぴったり合う、

原色の赤、黄、緑、が美しい。


そして、健康的な小麦色の肌と、

たくましい肉体、

これぞタヒチ、そしてゴーギャンなのだ。


若い女性は伝統的な衣装をまとい、

耳には白い花飾りをつけて、

恥じらいのある初々しい表情をしている。


後方の年上の女性は、貝殻の首飾りの下に

ピンクの伝道師のような服を着て、


「あなたはいつ結婚するの?」と話かけているようだ。


若い女性がなんと答えたかは分からない。

ゴーギャン「あなたはいつ結婚するの?」

それにしても、この原色の美しさは、

上から、黄色い空、深い青、黄緑色、くっきりとした水色、

山吹色、そして前面の緑色が、

鮮やかに程よく調和しながら迫ってくる。


そして2人の女性も、

それには負けない存在感がある。


また、この絵は、絵画取引として

史上最高額の約355億円で売却されたようだ。


今晩の

「ひとりぼっちのウォークマン」の旅は、

この鮮やかな色彩の中に・・・