ひとりぼっちのウォークマン -19ページ目

ムリーリョ「ロザリオの聖母」

暗い背景の中から、

スポットライトを浴びたように、

赤い衣装のマリアが、イエスを抱いて、

こちらを見つめている。

ロザリオの聖母

この絵はムリーリョの「ロザリオの聖母」である。


目がキリリとして、

しっかりとした表情の幼子は

母の膝の上に立ち、

その首に手を伸ばし抱かれている。


我が子の柔らかな肌を愛おしむように、

頬を寄せている母の姿は

優しい愛に満ち溢れている。


この絵を観ていると心が落ち着く・・・・


これは

ドメニコ修道会の創始者・聖ドミニクスが祈祷中に

聖母マリアが現れ、ロザリオを与えた、

との伝承から描かれたものである。


マリアの肩においたイエスの右手と、

マリアの右手にはロザリオが握られていて、

母と子はしっかりと繋がっている。


この絵は、

当時のスペインの荒廃した社会の鎮魂のために

描いたといわれている。


全ての人に心の安らぎを与え、

とりわけ、

親の子に対する深い愛情と祈りが込められている。


今晩の

「ひとりぼっちのウォークマン」の旅は

この絵の前に・・・





ムリーリョ「蚤をとる少年」

まず、このタイトルに驚かされる。

何ということだ、

胸が締め付けられる。


少年がうす暗い建物の中で、

身体に付いた蚤(ノミ)を取っているなんて、


とても衝撃的な絵だ。

蚤をとる少年

17世紀、スペインのセビリアでは、

戦争、貧困、ペストの流行などで

街が疲弊しきっていた。


この絵の作者ムリーリョは

故郷セビリアの子供達をたくさん描いている。


セビリアといえば、

フラメンコ、闘牛、「セビリアの理髪師」、

明るいアンダルシアの陽の光などなど、

イメージしてしまうが・・・・・


この絵には驚かされる。


誰しも子供の幸せを願わない人はいない。


日本も、今、大きな曲がり角にある。


右に行くのか、左に行くのか・・・・・


子供達に明るい未来はあるのだろうか。

こんな時期だからこそ、


考えさせられる一枚だった。


今晩の

「ひとりぼっちのウォークマン」の旅は

セビリアの街へ・・・




フェルメール「地理学者」

フェルメールが描いた男性の登場する作品は

たった2枚である。


その内の一枚は

1月25日にアップした「天文学者」で、

もう一枚が、この「地理学者」である。


窓から光が差し込む部屋で、

広げた地図の前に身をかがめ、

ふと顔を上げた一瞬を描いたものである。

地理学者

差し込む光によって作られる明と暗の部分が、

とても素晴らしく描かれている。


壁、床、机の上の丸めた紙、地図、

地理学者が着ているガウンなどなど、

実に見事だ。


よく見ると、

手前の机にかけられたテーブルクロスには、

白い光の粒が描かれている。


まさにフェルメールの醍醐味はここだ。


光は目に見えるが、

その質感を感じることは出来ない。


しかし、フェルメールは、

キャンバスの上で、

はっきりとその存在を捉えさせてくれる。


フェルメールのこの独特の世界が好きだ。


今晩の

「ひとりぼっちのウォークマン」の旅は

光が差し込むこの部屋へ・・・





フェルメール 「レースを編む女」

この絵は20cm四方ぐらいの

とても小さな絵だ。


絵に近づいて、吸い付くように見てしまう。


これがフェルメールの「レースを編む女」である。


フェルメールの絵には、黄色い服を着た女性が、

たびたび登場するが、

この女性も鮮やかな黄色い服を着ている。


そして、うつむいて、一心にレース編みをしている。

その一心さは力の入った手元からも伝わってくる。

フェルメール「レースを編む女」

この服の白い衿は

彼女自身が編んだレースを使っているのかもしれないが、

なんと繊細に描かれているのだろう。


また、横には、

白い三本のラインが入った紺色の大きなクッション、


ではなく、これは針山らしいが。


その隙間から赤と白のレース糸が垂れ下がっている。


白い糸は滝のように、


赤い糸は・・・からまり具合が

とても自然でリアルだ。


その先には、いくつもの光の粒が・・・・

まるで、ホタルでも止まっているかのように・・・


小さなこの一枚の絵の中に、

フェルメールはいろいろなものを見せてくれる。


今晩の

「ひとりぼっちのウォークマン」の旅は、

また、この絵を見に・・・・






・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
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また、再開します。

長い旅を終えて、ただいま帰ってまいりました。


また、明日から、

「ひとりぼっちのウォークマン」を

ゆるりと再開したいと思いますので、

よろしくお願いします。


お休みしている間、

多くのコメント、メッセージ、Eメールなど

いただきまして、有り難うございました。


大切に保管させていただきます。


今後とも、よろしくお願いいたします。


         笛ルメール☆かず





しばらくお休みさせていただきます







しばらくお休みさせていただきます





















カイユボット「バルコニーの男(窓辺の若い男)」


ここはパリのアパルトマンのバルコニー


立派な体格の男性だが、

何を見ているのだろう。


この絵は、カイユボットの「バルコニーの男」である。

カイユボット「バルコニーの男(窓辺の若い男)」

後ろ姿しか見えないこの男性は何者なのか。


居住者にしては黒いスーツ姿で違和感があるし、

ここを訪ねて来た人なのか、


この部屋には、誰が住んでいるのか、

さっきまでどんな話をしていたのか、


などなど・・・

いろいろと想像が膨らむ。


反対に廻って、男性の顔も見てみたくなる。


そして、視線の先には何があるのだろう。


いや、ただぼんやり眺めているだけかも知れない。


それとも、近代的な都市に大きく変貌した

この美しい街並みを

感慨深げに眺めているのかもしれない。


この街並みも、こうなる前は狭い路地で

ゴチャゴチャしていたらしいから。


この後姿に、

いろいろと想像させられる一枚だった。


今晩の

「ひとりぼっちのウォークマン」の旅は、

このバルコニーへ・・・・





カイユボット「セーヌ河畔の洗濯物」

強い陽の光を浴びながら・・・・

龍が泳いでいるのだろうか。


いや、違う、

これは洗濯物なのだ。


この絵はカイユボットの描いた

「セーヌ河畔の洗濯物」である。

カイユボット「セーヌ河畔の洗濯物」

それにしても、白くキラキラと輝きながら、

気持ちよさそうに泳ぐ・・・

龍のしっぽだ。


こんなふうに洗濯物を描くなんて、

面白いなあ~


しっぽの端まで何メートルあるのだろう。


縦105センチ、横150センチと、

けっこう大きな作品だが、


それ以上に、もっと、もっと大きく、

ダイナミックに感じる。


この泳ぐ龍を、見たかった。


セーヌ河のほとりのこの芝生に、

ゴロンと寝転び、

太陽の光を浴び、

気持ちのよい風を受けながら・・・・・


今晩の

「ひとりぼっちのウォークマン」の旅は、

この泳ぐ龍を見に・・・・





モネ「バラの小道、ジヴェルニー」

これは、いったい何?


カラフルで、ごちゃごちゃした、これは?

大きな輪の奥に、洞窟でもあるのだろうか。

モネ「バラの小道、ジヴェルニー」

この絵は「バラの小道、ジヴェルニー」である。


モネのアトリエの庭には、

アーチ状のバラの並木道があった。


真中の茶色がそれだ。


それにしても、

けたたましいほどに咲いているバラ、

重く重くのしかかってきて、

息苦しくなりそうだ。


このバラの色も、

インパクトがあって強烈な印象を受ける。


モネが見たこのバラの風景は

どんなだったのだろう。


モネは晩年には目の病で苦しんだようだが、

視力が衰えながらも、情熱を失わず、


ありったけの想いを

この絵にぶっつけたのかもしれない。


今晩の

「ひとりぼっちのウォークマン」の旅は、

このジヴェルニーのバラの小道へ・・・・



モネ「トゥルーヴィル海岸にて」

モネの作品の中にこういう絵があった。


避暑地でくつろぐ二人の女性を描いた

「トゥルーヴィル海岸にて」である。


ここは北フランスのノルマンディー地方で

「浜辺の女王」といわれている

人気の避暑地「トゥルーヴィル海岸」である。


パリからノルマンディ海岸まで

鉄道が開通したことにより、

市民の生活は大きく変わった。


別荘を持たない人達も、

貴族や富裕層に限られていたレジャーを

楽しむことができるようになった。

モネ「トゥルーヴィル海岸にて」

空と海と女性のワンピースの白がとても眩しい。

そして、この自然の中に吸い込まれていきそう。


椅子に座っている女性は、

海のそよ風を背を受けて、

とても気持ちよさそうだ、


もう一人の女性は何をしているのか、

読書かもしれない。


お揃いのワンピースを着ているが

どんな間柄なのか、

側にいて、それぞれの時間を楽しんでいる。


いずれにしても、ゆったりと、

時の流れに身をまかせ、

いい時間を過しているようだ。



忙しく、騒々しい今日このごろ、

こんな風にゆったりとした時間が持てたら、

どんなにいいことか・・・・・



今晩の

「ひとりぼっちのウォークマン」の旅は、

このトゥルーヴィル海岸へ・・・・