ひとりぼっちのウォークマン -10ページ目

ベラスケス「ラス・メニーナス」(女官たち)

今回は17世紀スペインバロック期に

 

最も活躍した宮廷画家の

 

ディエゴ・ベラスケス を取り上げる。

 

 

ベラスケスの顔は余り知られていないようだが、

 

この絵には自分自身を描いている。

 

 

左側でキャンバスの前で筆をもって、

 

立っている男性がベラスケスだ。

 

 

そして、この絵は王女を中心とした宮廷の日常を

 

描いた「ラス・メニーナス」(女官たち)である 。

 

 

 

なんと美しい絵なのだろう。

 

 

宮廷にはこのようなアトリエがあったのだ。

 

 

中央には王女マルガリータがいる。

 

まるで人形のように・・・・・

 

 

ちょっと気取って胸を張って、

 

おませなポーズをとっている。

 

 

小さな王女にはたくさんの女官が付いているようで、

 

年齢も様々なようだ。

 

 

そして気になるのは右に居る女性たちだ。

 

 

ちょっと調べてみると、

 

体は小さいが大人の女性のようで、

 

奴隷?だというのだ。

 

隣の小さい子は犬を踏みつけている。

 

 

とても残酷な場面を見てしまった。

 

 

華やかな宮廷の美しい絵、

 

と思って見ていたが、少々ショックを受ける。

 

 

一般の人にとって閉鎖された宮廷の日常生活は、

 

誰も知らない場所だけに謎めいてはいるが・・・・・。

 

 

ベラスケスは宮廷に出入りするうちに、

 

いろいろなことを見、体験し、

 

それを少しだけ世間に覗かせようと悪戯ごころで、

 

こんな絵を描いたのではないだろうか。

 

 

深読みかもしれないが。

 

 

この絵には

 

秘められた謎があるような気がしてならない。

 

 

今晩の

 

「ひとりぼっちのウォークマン」の旅は  

 

この宮殿のアトリエへ・・・・・

 

 

 

 

 

ドガ「腕を組んだバレエの踊り子」

エドガー・ドガといえば「バレエの踊り子」

 

とすぐイメージが浮かぶ。

 

 

しかし、その踊り子の中に、

 

こういう作品もあったのだ。

 

 

 

 

この絵は、舞台の袖で、出番を待つ

 

「腕を組んだバレエの踊り子」である。

 

 

これも、ドガの作品なのか?

 

それとも未完成なの?

 

 

背景の大胆な色とその塗り方にも・・・・・。

 

 

正直、ちょっと失礼かもしれないが雑なのでは?

 

と思ってしまう。

 

 

でも、ドガが描いた作品なのだから

 

その時のドガの心境を推し測りながら

 

この作品を眺めてみたい。

 

 

少女は目を閉じ、腕を組んでいる、

 

 

背中から光が当たっているのか、

 

少女の前面は暗く影になっている。

 

 

それは少女の不安な気持ちを

 

表しているようにも見える。

 

 

そして、出番を待つ間の緊張を鎮めるためか、

 

精神統一をしているようだ。

 

 

薄暗く静かなこの空間には、

 

少女の強い気迫もピリピリと張り詰めているのだろう。

 

 

それが背景の赤で表現されたのかもしれない。

 

 

ドガはこの瞬間の情景を

 

描き留めておきたかったのだろう。

 

 

この絵は素描なのだという人もいるが、

 

これはこれで一つの作品なのだと思う。

 

 

今晩の

 

「ひとりぼっちのウォークマン」の旅は  

 

このオペラ座の舞台裏へ・・・・・

 

 

 

 

 

ドガ「競馬場の馬車(プロヴァンスの競馬場)」

今回は印象派のエドガー・ドガを取り上げる。

 

 

ドガといえば、バレエの踊り子や浴女など、

 

余りにも有名だが、

 

屋外の競馬風景を描いた作品も多く残している。

 

 

この絵は友人の家族が

 

競馬を見に行ったところを描いた

 

「競馬場の馬車(プロヴァンスの競馬場)」である。

  

 

競馬場とはいうが

 

競馬をして様子は良く分からないぐらいだ。

 

 

ただ、のどかな美しい風景に満足してしまう。

 

 

この広い空と淡いグリーンの芝生は

 

何と美しいのだろう。

 

 

こんな競馬場があるなら、私も行ってみたい。

 

 

遠くには、

 

見物客の馬車と、白馬に跨るレースを待つ選手、

 

更に遠くには、レースの様子が描かれている。

 

 

そして、

 

この絵のモデルは、ドガの幼い頃からの友人と、

 

その家族のようだ。

 

 

日傘をさしながら赤ちゃんに、乳を与える妻、

 

やや上から、その様子を見つめる優しい夫、

 

そばにいる愛犬も、それを見守っている。

 

 

競馬場でのひとコマだが、なんて微笑ましいのだろう。

 

 

遠くに見える場内では、大きな歓声とともに

 

白熱したレースが繰り広げられている。

 

 

しかし、この絵の中心は、対照的に、

 

のどかで幸せな家族の風景が描かれている。

 

 

一枚の絵の中で、

 

このような二つの場面を想像しながら見るのも

 

楽しいものだ。

 

 

今晩の 

 

「ひとりぼっちのウォークマン」の旅は  

 

このプロヴァンスの競馬場へ・・・・・

 

 

 

 

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ゴッホ「子守唄、ゆりかごを揺らすオーギュスティーヌ・ルーラン夫人」

今回の絵は、前回と似ているが違う。

 

どこが?

 

 

今回は女性なのだ。

 

 

この絵はゴッホの

 

「子守唄、ゆりかごを揺らすオーギュスティーヌ・

 

ルーラン夫人」である。

 

 

この女性は前回の郵便配達夫ジョゼフ・ルーラン

 

の夫人なのだ。

 

 

この絵は、夫婦対で紹介されることが多い。

 

 

 やや緊張した表情で、椅子に座っている女性、

 

背景には大きめの白い花が描かれている。

 

 

こうして見ていると夫婦の肖像を並べてみたくなる。

 

 

夫のルーランは

 

優しい人柄がにじみ出るような表情だったが、

 

夫人の方もその人柄が伺える。

 

 

タイトルは「子守唄、ゆりかごを揺らす・・・・・」だから、

 

夫人の前のゆりかごには幼子が寝ているのだろう。

 

 

手に持つ紐でゆりかごを、ゆったりと揺らしている。

 

時々、子守唄を口ずさみながら・・・・・

 

 

そこにはゆったりとした時間が流れているようで、

 

こちらまで心地よくなってくる。

 

 

彼女の衣装はシックなダークグリーンの上着に、

 

ライトグリーンのスカートを身に付けている。

 

 

カーペットの色は赤系で、

 

 

このグリーンと赤が互いを良く引き立て合って、

 

スッキリと見える。

 

 

そういえば浮世絵の背景にも、

 

菊の花が描かれているのを見たことがある。

 

 

これは主役を引き立てるためのようだ。

 

 

この絵の背景も、ゴッホの

 

夫人に対する敬愛の気持ちの表れかもしれない。

 

 

ゴッホはこのルーラン夫婦に対し、

 

どれだけ強い思いを持っていたかが分かる。

 

 

 

今晩の 

 

「ひとりぼっちのウォークマン」の旅は 

 

このルーラン一家の団欒に・・・・・

 

 

 

 

 

ゴッホ「郵便配達夫ジョゼフ・ルーランの肖像」

今回はフィンセント・ファン・ゴッホを取り上げる。

 

 

1888年、ゴッホは活動の場をパリから

 

南仏アルルへと移したが、

 

 

その時に、出会ったのが

 

この絵のモデルになったルーランである。

 

 

絵のタイトルは

 

「郵便配達夫ジョゼフ・ルーランの肖像」である。

 

 

先ず目につくのは背景の小花、

 

なんと可憐で、かわいい、花たちなのだろう。

 

 

そこに立つ男性、郵便配達夫らしく

 

カチッと紺色の制服、制帽を身につけている。

 

 

背景の小花たちと、

 

少々ミスマッチのような気もするが、

 

とてもよく合っている。

 

 

この淡いグリーンが一層、そうさせているのか。

 

 

見事な顎髭を生やしたルーランだが、

 

頬から顎にかけて巻き毛で

 

ダイナミックに覆われている。

 

 

金髪とゴマ塩の混じった色で、

 

本人もさぞや自慢だったのだろう。

 

 

この風貌は

 

ソクラテスに似ているといわれていたらしいが、

 

なるほど、そんな感じもする。

 

 

こんなルーランだが、性格は、

 

とても心やさしい人だったようだ。

 

 

ゴッホが悩み苦しんでいる時に、

 

どれだけ助けられたことか。

 

 

ゴッホにとって心ゆるせる唯一の友だったのだろう。

 

 

それを物語るように、

 

ルーランを描いた絵は、この他に5枚もある。

 

 

ゴッホは日本びいきだったと聞いている。

 

この絵の背景はとても日本的だ。

 

 

私の勝手な想像だが、

 

親愛なるルーランを描くときは、

 

 

大好きな日本の小花模様の背景で

 

飾りたかったのかもしれない。

 

 

 

今晩の  

 

「ひとりぼっちのウォークマン」の旅は  

 

この優しいジョゼフ・ルーランに会いに・・・・・

 

 

 

 

 

セザンヌ 「アヌシー湖」

ポール・セザンヌの風景画をとりあげる。

 

 

この絵は、フランスの小さな村、

 

タロワールを訪れた時に

 

描いたもので「アヌシー湖」である。

 

 

思わず、「わぁーー」と声を上げてしまうほどだ。

 

 

なんという静けさ ・・・・・

 

そして、神秘的 ・・・・・

 

どこか秘境に迷い込んだような ・・・・・

 

 

青と緑が主の寒色系の色で覆いつくされた

 

この風景はそれらをさらに強くし、

 

妙に心を落ち着かせてくれる。

 

 

そして、しばらく観ていると、

 

絵の中に吸い込まれていきそうになる。

 

 

左側に一本の大きな樹、

 

中央にはアヌシー湖、

 

少し遠くには古い小さなデュアン城、

 

奥には、アルプスの山々が描かれている。

 

 

アヌシー湖にはこれらの風景が写し出されている、

 

まるで鏡を見ているようだ。

 

 

この湖はヨーロッパで

 

もっとも透明度が高いといわれている。

 

 

タロワール周辺は「フランスのベニス」といわれ、

 

観光客も多く訪れるようだ。

 

 

私も、この絵を観ているだけでは満足できない。

 

一度、きっと、訪れてみたい。

 

 

今晩の

 

「ひとりぼっちのウォークマン」の旅は

 

アヌシー湖に行って、

 

この空気をいっぱい吸ってみたい ・・・・・

 

 

 

 

 

セザンヌ 「卓上の果物と水差し」

今回は後期印象派のポール・セザンヌを取り上げる。

 

 

セザンヌは友人に、「リンゴでパリを驚かせたい」

 

と語ったとか。

 

 

リンゴでパリを驚かす?

 

 

一体どういうことだろう。

 

 

リンゴぐらいでパリが驚くのか?

 

そんなことを考えながらこの絵を見る。

 

 

この絵は「卓上の果物と水差し」である。

 

 

どこにでもある単純なリンゴという素材を

 

セザンヌはどれだけ深く、長く、見つめたことか。

 

 

リンゴ、オレンジ、レモンが、

 

無造作のようだが、うまい具合に盛り付けられている。

 

 

そして、それぞれの色、赤、橙、黄色が

 

うまい具合に納まっている、

 

それぞれの存在感を保ちながら。

 

 

その豊かな暖色でまとめられた果物に対して、

 

テーブルクロスは

 

寒色の落ち着いた青とグレーである。

 

 

模様の青がアクセントになって、とても良い。

 

 

何というセンスの良さなのだろう。(失礼)

 

 

最初に戻って、「リンゴでパリを驚かせたい」 だが、

 

 

リンゴをここまで、大切に思い、愛おしみ、

 

良い作品を描くということかもしれない。

 

 

今晩の

 

「ひとりぼっちのウォークマン」の旅は 

 

セザンヌの描いた「リンゴ・・・」の絵を

 

すべて観る旅に・・・・・

 

 

 

 

 

モネ「ルーアン大聖堂、扉口とアルバーヌの鐘塔、充満する陽光」


モネが描いた代表的な連作の中に

 

「ルーアン大聖堂」がある。

 

 

ルーアン大聖堂は、

 

別名、ノートルダム大聖堂とも呼ばれている。

 

パリの西部ノルマンディー地方にある教会だ。

 

 

この建物は、ゴシック様式の建築物で、

 

繊細で華麗な姿はあまりにも有名だ。

 

 

モネは風景を好んで描いていたが、

 

人工の建物を描くのは珍しい。

 

 

この絵は昼の陽光を受けて光る大聖堂を描いた

 

「ルーアン大聖堂、扉口とアルバーヌの鐘塔、

 

充満する陽光」 である。

 

 

これほどまでに輝く大聖堂、

 

いったい何時ごろの光景なのだろう。

 

 

実際の大聖堂は

 

歴史を感じさせる古い建物のようだが、

 

この絵は黄金に輝き、

 

まるで別物のようにも見えてしまう。

 

 

余りにまぶしすぎて、大聖堂の確かな表面も

 

建物の構造など、

 

一つ一つがしっかりと確認できないほどだが、

 

入り口やバラ窓の影は見て取れる。

 

 

ここまで強い陽光が描かれているとは・・・・・

 

建物の質感など全く感じさせないまでに。

 

 

モネのテクニック(失礼)に感動で唸るばかりだ。

 

 

このゴツゴツとした大聖堂は、

 

モネにとって格好の題材だったのだろう。

 

 

一瞬の変化も逃したくない思いで描いたに違いない。

 

 

これから1時間後、2時間後・・・・・

 

どうなっていくのか、

 

 

その移り変わりも見てみたい。

 

 

今晩の 

 

 「ひとりぼっちのウォークマン」の旅は  

 

 このルーアン大聖堂の扉口の前に・・・・・

 

 

 

 

 

モネ「睡蓮」1905年

久しぶりに印象派を代表するモネを取り上げる。

 

 

睡蓮の花が開くのはちょうど今頃だが、

 

この絵はモネが1905年に描いた「睡蓮」である。

 

 

モネは睡蓮とともに、日本風の太鼓橋や、

 

周辺の森や、カラフルな睡蓮の花などを、

 

たくさん描いてきたが、

 

 

今回の作品は池に浮かぶ睡蓮だけを描いている。

 

 

それにしても、ずいぶん広い池にたくさんの花だ。

 

今が盛りとばかりに咲いている。

 

 

どこまで続くのか、先が見えず深い奥行きも感じる。

 

 

そして水面には森の木々が映って見える。

 

どれだけ深く、透明度が高いのか。

 

 

モネの睡蓮は200点余りあるといわれている。

 

 

それは一枚一枚が個性的で、

 

見ごたえがある作品ばかりだ。

 

 

皆さんはどの睡蓮が好きですか ?

 

 

このブログでも過去に何回か取り上げている。

 

 

今の私は、今日のこの作品がとても気に入っている。

 

この睡蓮は、妙に心を落ち着かせる。

 

 

深く蒼い池のせいなのか、

 

果てしない広がりのせいなのか、

 

物音ひとつしない静寂の中にあるせいなのか。

 

 

今晩の  

 

 「ひとりぼっちのウォークマン」の旅は  

 

 このモネの睡蓮の池に・・・・・


 

 

 

 

 

サージェント「カーネーション、リリー、リリー、ローズ」

今回もジョン・シンガー・サージェントを取り上げる。

 

 

彼は友人とテムズ川をボートで下っている時、

 

木々や花々の間に不思議なものを見たという。

 

 

それが、この提灯だ。

 

 

この絵は夕暮れ時に、

 

提灯をともす2人の少女を描いた

 

「カーネーション、リリー、リリー、ローズ」である。

 

 

 

イギリスでこの提灯、

 

そして、ヤマユリのような大きなユリの花、

 

とても不思議な光景だ。

 

 

夕暮れというが何時ごろだろう。

 

暗くなる前に提灯を灯そうとしているこの二人が

 

この絵をいっそう幻想的にしている。

 

 

まさに、この絵のために舞い降りてきた

 

天使のようにも見えてくる。

 

 

この絵に、なくてはならない二人だ。

 

 

そして、背景の色は何色と言ったらよいのか。

 

 

サージェントはこの色を出すために、

 

どれだけの時間を費やしたのだろう。

 

 

夕暮れ時にこんな色の一瞬があるのだろうか、

 

と思わせるほどハッとさせられる。

 

 

この色を見せてもらえたことが

 

とても感激だ。

 

 

この絵には日本のヤマユリ、提灯が描かれ、

 

ジャポニズムの影響が深く浸透していたようで

 

嬉しくなる。

 

 

また、サージェントは屋内制作の肖像画で有名だが、

 

この夕暮れの絵を描くために、

 

屋外での制作を足掛け2年も費やしたという。

 

 

この一瞬の美しさを描くための情熱に

 

頭が下がる思いだ。

 

 

今晩の  

 

「ひとりぼっちのウォークマン」の旅は  

 

この幻想的な情景の中に・・・・・