「韓国も悪いが、日本も悪い」とは、Nutz!-【東京社説】元慰安婦訴訟 外交通じた問題解決を


 性懲りも無くと言うべきか、図々しくもと言うべきか、韓国の自称・元慰安婦が日本政府を相手取って損害賠償訴訟を起こしていた、そうだ。
 で、これまた性懲りも無くと言うべきか図々しくもと言うべきか、ソウルの地裁が日韓基本条約も日韓慰安婦合意も歴史的事実も「国家は外国の裁判の対象とはならない」という「主権免除」の原則も無視して、「日本政府に自称・元慰安婦に対する賠償を命じる判決」ってのを出しやぁがった、そうだ。(この出だしは、三度目だ。

 これを受けて、朝日や毎日に遅れること数日で、やっと出て来た東京新聞社説が、以下である。
 

  • 【東京社説】元慰安婦訴訟 外交通じた問題解決を

  https://www.tokyo-np.co.jp/article/79346?rct=editorial

 

2021年1月12日 07時36分

 韓国・ソウル中央地裁が元従軍慰安婦訴訟で、日本政府に賠償を求める判決を出した。悪化している日韓関係にさらに深刻な影響を与える可能性もある。冷静に対応し、外交解決の道を探るべきだ。

 

 裁判の争点は「主権免除」だった。国家は他国の裁判権に服さないという国際法上の原則で、長く絶対視されてきた。

 

 近年、国家の商業的行為や人道問題などには適用されないとの考えも広がっている。その範囲はまだ明確ではない。

 

 今回の判決は、慰安婦被害について「反人道的な行為であり、主権免除の適用外」だとし、日本政府の責任に踏み込んだ。

 

 日韓間ではこの問題を巡り、二〇一五年に合意に達している。日本が責任を認め、元慰安婦の支援事業に十億円を拠出した。

 

 不十分な部分があったにせよ、両国が歩み寄った結果で、実際に支援も行われた。

 

 今回の判決は、この合意を何も評価していない。これでは政府間の信頼関係がなりたたない。

 

 この判決の背景には、文在寅(ムンジェイン)政権の姿勢がある。被害者の声が反映されていないとして一五年の合意を否定し、財団を解散した。

 

 元徴用工を巡る韓国の裁判でも、これまでの解決努力を考慮しない判決が出た。問題をこじらせないためにも、過去の合意に立ち返り、補充する方が望ましい。

 

 司法判断だけを尊重すれば被害者救済につながるのか。韓国政府も、よく考えてほしい。

 

 日本側の対応も十分ではなかった。「問題は解決済み」として裁判への関与を拒否。判決後には菅義偉首相が直接、「この訴訟は却下されるべき」だと批判した。

 

 慰安婦問題では、ドイツの首都ベルリンの公有地に慰安婦を象徴する少女像が設置され、日本政府は地元に撤去を求めた。

 威圧的な発言や行動は、日本が人権問題に冷淡だという印象を国際社会に与える。過去への反省にも、疑問を持たれかねない。

 

 まずは今回の判決内容を十分検討し、誤認があるなら膝を交え、丁寧に反論すべきだ。

 

 韓国の同意が前提となるが、国際司法裁判所に「主権免除」の是非を仰ぐのも方法だろう。

 

 北朝鮮は、今月開いた党大会で「国防力強化」の方針を打ち出した。今後、日米韓の三カ国が、共同で対処する必要がある。

 昨年十一月以来、日韓の政府間交流は活発化している。この流れを止めてはならない。

 

 

尤もらしい「両成敗」論だが、ふ・ざ・け・る・な!


 諄いようだが繰り返そうか。

 日韓関係は、「悪化している」のではない。
 日韓関係は、「終わっている」のである。


 日韓関係を終わらせたのは、徹頭徹尾完璧無瑕疵に、一点の疑義の余地も無く、一片の情状酌量の余地も無く、韓国側である。日韓関係の基盤を成してきた日韓基本条約に違反する「自称・徴用工に対して日本企業へ賠償を命じる判決」を韓国政府が放置することに決めたときに、日韓関係は「終わった」のであり、未だに「終わったまま」である。

 「終わった日韓関係」を「再開する」事が、もし、万一あるとしたら、それは「韓国が(殆ど生まれ変わるぐらいに心を入れ替えて)、日韓基本条約及び日韓慰安婦合意を遵守する」場合で在り、それとて必要条件であることは間違いないが、十分条件とは言いかねる。日韓基本条約と日韓慰安婦合意が十全に遵守されたとしても、行方不明となった高純度フッ化水素の問題とか、我が国の軍艦旗たる旭日旗を「戦犯旗」と称して貶めている問題とか、我が海自哨戒機に対し韓国軍艦が射撃管制レーダーを照射した問題とかは、全く解決していないのであるから、な。

 「終わった日韓関係」を「再開する」ために、日本側が為すべき事は、一切無い。否寧ろ、「終わった日韓関係」を「再開する」ために、日本側は、鐚一文出すでさえ論外であるのは勿論、隻言半句「謝罪」することも、指一本挙げ、眉一つ動かすことも、してはならない。左様な鐚一文、「謝罪」、指一本、眉一つは、韓国側を、チョウセンジンを、つけ上がらせるだけである。

 「元慰安婦訴訟 外交通じた問題解決を」という上掲東京新聞社説のタイトルは、慰安婦に「自称」が抜けている点以外は私(ZERO)ですら諸手を挙げて賛同しよう。

 だが、「外交を通じた問題解決」を実施・実行するのは、韓国政府であって、日本政府では無い。この点では、上掲東京新聞社説は、致命的なまでに誤っている。
 

  • 歴史的補記 一言回答「Nutz!」

  •  英語表記ならば Nuts! で、「ピーナッツ」「ココナッツ」の「ナッツ」であり、「木の実」というのが一般的な意味だが、「変わった奴」とか「阿呆!」とか言う意味にもなる。
  •  第2次大戦も末の1944年12月。ドイツ軍最後の西部戦線(対英米戦)大反攻となった「ラインの守り作戦」(通称「バルジの戦い」)に於いて、ドイツ軍に包囲されたバストーニュのアメリカ軍守備隊隊長殿が、降伏勧告に来たドイツ軍軍使に対して放った一言回答が、「Nuts!」。些か意訳するならば、「一昨日来やがれ!」ってところだろう。タイトルにしたNutz!は、そのドイツ語表記である(*1)。
  •  西暦2199年の第1次冥王星沖海戦にて、地球防衛軍艦隊を率いる沖田提督がガミラス艦隊相手に発した返信「バカめ!」は、恐らくは第2次大戦下・バストーニュ守備隊長殿の一言回答「Nuts!」を踏まえたオマージュであろう。

 

  • <注記>
  • (*1) 「ラインの守り作戦」は、両軍が交互に攻勢をかける派手な展開となるので、ゲームの題材として人気があり、数多のゲームとなっている。Nutz!ってドイツ語表記は、そんな数多あるゲームのどれかの箱絵になっていたので、妙に記憶に残っているのだ。