競争相手として
敵をつくって
その敵に勝つことが目的。

でも、
いくら勝っても
敵と競争する日々は続く。
その日々は、緊張の日々。

その相手を
「ともに生きる仲間」とすると
競争をせずに
生きることができる。

その方が
より多くのしあわせを
感じられます。



自分のことを
襲ってくる人は、論外です。

そういう敵ではなくて
競争相手のこと。

自分より
背が高いとか低いとか
お金があるとかないとか。

勝ち、が善
負け、が悪

そういう上下関係で
生きていると
勝たないと安心できないので
対等な関係で生きるより
大変です。



幼い頃に
父親から
「お前は自分より
足が速いからすごいね」と
言われました。

大人よりも足が速いだなんて
自分ってすごい!と思って
うれしかったです。

つまり、
足が速い人が善で
足が遅い人は悪と
教えられました。

自分は父親に
勝っているから
善なんだと信じてました。



ある日、
父親が買い物に
一緒に来てほしいと言うので
着いていきました。

車で出かけて
駐車して
お店に入る。

私はお店に何の用も
ありませんが、
車に乗れるのが
楽しかったので
とくに不満はありませんでした。



買い物を終えて
お店を出てみると
車の近くに警察官が
立っているのが見えました。

駐車禁止の取り締まりですね。

「まずい!」と言って
父親が走り出しました。

父親より私の方が
足が速いので
私は後から走り始めました。

すぐに追い抜けると思ったら
ぜんぜん追いつけず、
精一杯の力を出し尽くしても
最後まで追いつくことは
できませんでした。



警察官とのやりとりを終えて
「じゃあ帰ろう」と言う父親に
足の速さについて話しました。

自分より遅いって言ってたけど
自分よりぜんぜん速いじゃないか。
どうしてそんなウソをついたの?と。

「今はそんな話するときじゃないよ」と
相手にしてくれません。

どうしても納得がいかないので
帰る道中も、帰ってからも
ずっと言い続けました。

言い続けてると
もうおわかりと思いますが
怒りだします。

「もうなんだかんだ言うな!」
「自分はお前より速くないよ!」

怒ることで私を黙らせようとします。
この件を持ちかける度に怒る。
怒るから、もうこの件を持ち掛けなくなる。

あんまり怒らせると、見捨てられる。
だから、黙るしかない。
そんな感じでした。



その後、観察していて
わかったのは、
父親が本気を出さないと私が速い。
父親が本気を出すと私が遅い。
ということでした。

「あなたはすごい」と
父親が言いたくて、
私がちょうどよくそこにいた、
そんな感じでした。

私を勇気づけたいのではなくて
父親が自分は善人だと
証明するための材料として
私を都合よく利用した、
というわけです。

上下関係で
自分が下に、相手を上にすることで
「そういうことを言える自分は善人」と
家族に示したかっただけでした。

この頃、私は小学生でしたが
モノのように利用されたことに
憤りを感じていました。



自分の所属する共同体の
人々がしあわせだと、
自然と自分もしあわせになります。

共同体の人と
勝ち負けを競うと
共同体感覚は高まりません。

その行為が
「相手より自分優先」だからです。

共同体感覚を高めて
感じる幸せを増やせるのは
「自分より相手優先」を
したときだけだからです。



家族は一緒に
しあわせに生きていく
集まりです。

その家族を
自分のしあわせのダシにしたら
ダシにされた家族はしあわせに
なれないでしょう。

家族の犠牲でしあわせに
なった自分で
家族以外のしあわせに
どれだけ貢献しても
心の底からしあわせには
なれません。

競争している限り
自分が勝つためには
負けてくれる相手が必要です。

でもそれは
「相手より自分を優先」を
続けていくだけなので
いつまでも感じるしあわせは
増えません。



相手は皆、
ともに生きる仲間です。

魚と鳥は
生きる世界は違っても
地球の生物を構成する存在です。

人も同じように
社会を構成する存在です。

その中で
自分の目的を達するために
相手に犠牲を求めると
競争や上下関係となりがちですが、
相手に協力を求めると
競争や上下関係ではなく
対等で平和な関係になります。

相手も
犠牲はイヤですが、
協力させてもらえたら
そこに喜びを感じますし。



相手を大切にすることは
相手も自分を大切にしやすい
状況となります。

そうして
お互いがお互いを
大切にする循環が続けば
しあわせは
どんどん増えていきますね。






お読みいただき、
ありがとうございます。

プロコーチ8年目、常楽でした。


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