約束や契約と
信頼は違います。



何の担保もなく
相手を信じることが
信頼です。

自分の心の姿勢なので
相手には無関係です。

つまり
裏切る/裏切らない、と
判定するものは
信頼ではない、ということです。



アルフレッド・アドラーの
提唱する共同体感覚
この信頼が基礎となってます。

何の担保もなく
何の保証もない中で
ただ相手を信じる、
この心の姿勢を
基礎としています。

「〇〇やる」と言った相手を
信じるも信じないも
自分は選べます。

主体的に信じるを
選ぶことで
共同体感覚は形成されていきます。



裏切られたらどうしよう?

相手にそんな疑問を持っていると
信頼できないと思いがちです。

約束や契約はできそうにない相手でも
信じることはできます。

相手は約束を守ると信じるか
相手は約束を守らないと信じるか、を
選べる、ということです。



以前セミナーでご一緒した方が
「信じる」について
こんな話を聞かせてくださいました。


私には娘がいますが
私にとって「信じる」とは
「娘がそこにいる」感覚と同じです。

娘が存在することは
否定もできないけど
肯定もできない。
私が肯定するからそこにいる
というわけでもないから。
ただ、そこにいるだけ。

「そこにいる」という感覚は
自分の肯定/否定に関係なく
すでに在るものを感じる感覚です。

そこに疑問や差別はなく
評価や判断、裁きを下すこともなく
ただ「そこにいる」を感じるだけ。
すべてを受け入れる感じ。


信頼とは
この「信じる」の感覚に
とても似ています。

言葉を変えれば
「相手は何をするのも自由なんだ」と
承認しようとする心の姿勢が
信頼なのだと、言えるでしょう。



相手が「やる」と言ってたことを
自分は信じる。

自分が信じるから
相手は「やる」わけではありません。

自分が信じたいから、
信じようとするのです。



相手が「やる」と言ったことを
言った通りにやると思うのは
期待です。

信頼とは
相手が「やる」と言っている、
その相手をまるごと承認することです。

期待と信頼は
違うものです。



ゆえに
信頼関係って
「君はそこにいるんだね」と
お互いに感じてる関係の
ことなのですね。





お読みいただき、
ありがとうございます。

プロコーチ8年目、常楽でした。


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