アルフレッド・アドラーは、
人のライフスタイル
次の3つの信念で構成されていると
言っています。

①自己概念
②世界像
③自己理想



その中の世界像。

例えば
「世間の人は貧乏人を相手にしない」
といった信念です。

自分の今の世界像とは
別の世界像を仮に持ってみて
改めて世界に臨むと
今までとは違うものが見えてきます。



私は中学生の頃に
父親からの性被害にあってから
「人々は性暴力被害者を嘲笑する」と
信じていました。

当時、私が持っていた世界像です。

なので、
自分が性被害当事者なのはもちろん、
この信念を持っていることすら
悟られないように努力して
生きてました。

知られたら
もう生きていけないくらいに
思っていました。

他の人より
多くの荷物を背負ってる感じの、
生きづらさを感じてました。



「男のくせに」
「もういい歳なのに」
「もう昔のことなのに」
そう言って嘲笑する人を見るたびに
世界像は強固になっていきました。

でも、強固になるにつれて
生きづらさも増していきます。

なんとかしたい...

その頃に気づいたことが
「世界像は1つじゃなくても良いのでは?」
でした。



世間の人々のすべてが
性被害当事者を嘲笑するわけでは
ありません。

私が出会った人々のずべてでなくて
ほとんどがそうだっただけ。

一部は
嘲笑する気のない人や
嘲笑するなんてありえない、
という人もいました。

でも、
自分の身を守るため
最悪の事態を想定して
嘲笑されることを前提に
生きていたんですね。

被害を最小限にしたくて。



自分の持っている
「人々は性暴力被害者を嘲笑する」
という信念を否定せずそのままに、

新たに
「世の中に性暴力被害者を
嘲笑しない人はいる」
を仮に並列に置いてみました。

それを自分に証明にするために
まず最初にしたのが
性暴力被害当事者が書いた本を
読むことでした。



本の中にあった一言
「被害者は何も悪くない」
「悪いと言われることはおかしい」

この言葉に救われました。
心の底から共感しました。

そして、
その著者に会ったり
他の性暴力被害当事者に会ったり
しました。

すると
そこでは
性暴力被害者を嘲笑する人は
一人もいませんでした。

当初に持っていた世界像は
きれいに崩壊しました。



「仮に○○なこともある」と
自分の理想に役立つ世界像を
仮設してみる。

同じ世界を見ているけど
違ったものが見えてきます。

一方向から見ているだけだと
可能性をすべてあたってしまうと
もう打つ手がない感じですが、

違った方向から見ると
まだ可能性があることが
わかります。

当然と言えば
当然かもしれませんが、
渦中にいると気づかなかったりします。

なので、あえて
意識して今の世界像と
違う世界像を仮設してみる。

自分に証明したくなり
自然と行動的になる自分を
感じます。

○○はできないけど
□□ならできる。
やってみたい、って感じで。




お読みいただき、
ありがとうございます。

プロコーチ8年目、常楽でした。



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