スティーブ・ジョブスは、多くの人がご存知のとおり、Appleの創始者です。
さて、その人の名演説として、ある人からお勧めされたのがこれ。
http://jp.youtube.com/watch?v=qQDBaTIjY3s&feature=related
スタンフォード大学での卒業式にゲストスピーカとして2005年に行った演説です。
スティーブ・ジョブスは、実は、最終学歴が大学中退なんですね。最初の半年で退学。「この卒業式にこうして出席するのが、人生でもっとも大卒に近い経験だ」みたいなジョークからスピーチは入ります。
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そこで、彼は3つのことを話しました。
(1)「点を繋げる」
彼は過去の点(経験)を繋げることの重要性を説きます。
そこで彼が強調するのは「先を見て点を繋げることはできない。」ということ。
「できるのは、過去を振り返って「点を繋げる」ことだけなんです」と言い切ります。
一例として、彼は、大学を中退してから受講していたカリグラフィのクラスをあげました。そのときの知識が、単なるテクノロジーだけではないMacintoshコンピュータとなって花開きます。
彼がクラスをとっていたときは、将来の利用を見据えてのことだったのではないのです。「先を見て点を繋げることはできない」ということですね。
一所懸命に好きなことをやる。そして、その過去にやってきたこと(点)を繋げることが重要というのです。
(2)「Love & Lost」
彼は30歳のときに、Apple経営者のポジションから追い出されました。会社が大きくなってから採用した「経営者」によって追い出されました。それが「Lost」。そして、それから“I did not know what I did for a few months.”状態となり、しばらくして “I still loved what I did.”ということに彼は気づきました。“I had been rejected, but I was still in love.” “So, I decided to start over.”
そうして、Pixerという会社とNeXTという会社とを立ち上げます。PixerはToy StoryなどのCGアニメで今や超有名です。偶然、NeXTがAppleに買収され、それを機会に彼はAppleに戻るのです。
彼は「好きなことを捜し求めることに躊躇してはいけない」「見つかったなら、それを一所懸命にやりなさい」そして「失敗をおそれるな」、というようなことを盛んにここで言っております。
(3)「死」
3つ目のパートは、彼が17歳のときに学んだ一文から始まります。
「一日一日を人生最後の日として生きよう。いずれその日が本当にやってくる。」
それ以来、33年間、毎朝、
「今日が人生最後の日だとしたら、今日やろうとしていることは本当にやりたいことだろうか?」
と考えるようになったそうです。
それで、答えが「No」となる日が続くようなら、変わらなければいけないと考える。
“Remembering you are going to die is the best way that I know to avoid the trap of thinking you have something to lose.”
“You are already naked.”と彼は言います。いわゆる、「人間、生まれたときも死ぬときも裸」というやつですね。死んだら、地位も名誉も、恥も失敗も何もかも無くなる。
だから、生きている今やろうとしていることを大切にする。
「もっとも大事なことは、あなたの心や直感に従う勇気を持つことです。」「その内なる声、心、直感は、なぜだかすでにあなたが本当にやりたいことを知っているのです。」
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最後は、70年代に出版されていた「全地球カタログ」という刊行物の話。彼の世代にとってはバイブルみたいなものだったそうです。その最終号の最終ページにあった言葉をもって、彼はスピーチを終えます。
Stay hungry, Stay foolish.
スピーチは、途中から、下を向きっぱなし、原稿読みっぱなしの状態になっていきますが、それが逆にプロの政治家のような怪しさをまったく出さない雰囲気を作っています。
すばらしいですね。
Stay hungry, Stay foolish.