日大反則「指示、考えられず」…専門家じゃないけど | 知財業界で仕事スル

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知財業界の片隅で特許事務所経営を担当する弁理士のブログ。

最近は、仕事に直結することをあまり書かなくなってしまいました。

本人は、関連していると思って書いている場合がほとんどなんですが…

日本経済新聞でも、日大アメリカンフットボール部の反則問題が何度も取り上げられている。単なるゴシップネタではなく、日本経済にも影響があるような話ということなのだろう。

 

前回のこのブログのエントリー

数多くの“宮川君”たち、がんばれ!

2018-05-24

https://ameblo.jp/yoshikunpat/entry-12378503898.html

で、監督が「反則指示」を出したことは考えられないと書いたが、そのような意見を持つ人はほとんど世の中に存在せず、監督が「反則指示」を出し、そして「反則指示」を出さなかったと嘘をついたのだ、との意見がほとんどなのである。

 

おかしいなあ、と思っていたところに、経済新聞たる日経にも世の中の意見に沿った流れの記事があり、なんとも複雑な気持ちとなったので、これを書くことにした。

 

私がカチンときた記事はこれ:

日大反則「指示読み間違い、考えられず」 専門家

2018/5/24

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO30893790U8A520C1CC0000/?n_cid=MELMG010

 

[有料会員限定]なので、引用は最小限にとどめるが…その記事は次のように始まる。

 

日本大アメリカンフットボール部の悪質反則問題で、反則の指示を巡って選手と前監督・コーチの説明が大きく食い違うなか、識者の見方を聞いた。「選手が指示を読み間違えるとは考えられない」などと前監督らの主張を疑問視。問題の背景として、組織的で上下関係の厳しいアメフトチームの特性を指摘する声もあった。

 

その記事にある「組織的で上下関係の厳しいアメフトチームの特性」については、私は実際を知らないのであるが、容易にわかる(同意できる)。しかし、「選手の説明と監督・コーチの説明が大きく食い違う」(世の中に出回っている多くの記事がそのように書いている)については、私は食い違っていないとしか今でも思えない。

 

「反則行為をした日大の選手(20)は22日の記者会見で『相手を潰すくらいの気持ちでやれという意味ではなく、本当に(反則を)やらなくてはいけないと追い詰められた』と述べた」ことと、監督が反則を「指示していない」と言ったこととの間には矛盾はない。選手は、監督から反則指示を受けたとは言っていないのだから。

 

「『潰してこい』という井上コーチの指示は内田前監督の意思を反映させたものだろう。当然、選手にノーという権利はない」という説明に、体育会系は嫌いな私も同意する。しかし、「潰してこい」は「反則してこい」という意味ではない。こういう風に書きながら、次第に「反則してこい」と監督が指示をしたことに話をすり替え、監督が嘘をついたことにするのである。

 

当該記事に採用されている専門家の意見として、「高校時代からよく知る恩師から個人的に告げられた指示の意味を、選手が読み間違えるとは考えにくい」とあるが、そんなものは何の根拠にもならない。何十年も毎日一緒に生活を共にしている妻との間でも、読み間違いはしょっちゅう起こる。そのような身近な「読み間違え」に辟易しているのは、私だけではあるまい。恩師と学生だったら読み間違えない、なんてことは考えにくいのだが、専門家の意見は異なるようである(笑)。

 

別の専門家の意見として、当該記事に「反則行為をした選手は選手である前に学生であり、本来は大学も監督・コーチも彼を守らなければならない」と強調したとある。あの記者会見で、監督もコーチも一所懸命に選手を守ろうとしておられたようにしか私には思えなかった。それがいつの間にか、全然違うように書かれるのだ。不思議だ。

 

コーチは、結構あやしいと思えなくもない。「監督の意思」という表現を枕詞にして、相当まずいことを選手に言ってしまった可能性はあると思う。この記事には無いが、「相手がケガをして試合に出れなくなったら、こっちの得だろう」というようなことを言われたと選手は説明したが、そのようなことをコーチが言ってしまった可能性はあると思える。しかし、監督は言うはずがない。あのようなあからさまな反則がなされたら、困るのは選手だけではない。監督も含めた学校側責任者の責任問題になる。そんなことを監督が指示するはずがない。

 

もし、あの監督が、様々な記事に書かれているようなダーティな人間だったらどうだろうか?そんな人間だったら、あのようなあからさまな反則をさせるはずがない。あんなことをされたら、責任者が監督責任の追及から逃れることはできない。やらせるなら、わからないように反則ギリギリのグレーゾーンを狙う指示を出す。

 

あの反則をみて、「監督の指示」という意見を持てるのが、私には不思議でならない。本当の話ではスキャンダルにならないし、「監督の指示」というストーリー仕立てにした方が面白いし、記事もよく売れる、という配慮が働いているのであれば、悲しいことではあるが、理解はできる。

 

 

***

 

 

これを、日本出張に出るために待っているダレス空港で書いている。

 

今日は、久々にフライトが遅れた。2時間遅れ。その遅れに合わせて空港には遅く到着したが、それでも、15ドルのミールクーポンをもらった。機内ですぐに食事が出るし、まともにランチをとるのはやめて、スターバックスで抹茶フラペチーノを注文した。

 

受け取りカウンターで受け取ろうとしたら、隣にいた白人のオバちゃんが「私のだ」というのである。店員が「グランデで、ホイップ無しで、抹茶粉末特別追加」だと説明したら、彼女はそうだと言って、それを持っていこうとした。しかし、カップに貼られたラベルに記載されていた注文時刻をみて、これは自分のではない、と言ったのである。

 

私の知る限り、DCのスターバックスでは、抹茶フラペチーノは「隠れメニュー」である。そして、「ホイップ無しで、抹茶粉末特別追加」というオーダーの仕方は、妻と私が編み出した特別オーダーだったはずである。

 

ところが、私の次に注文をしたオバちゃんが、偶然にも私とまったく同じ注文をしていたのである。

 

一瞬、そのオバちゃんと意気投合したのであるが、店が混んでいたので、どのようにして彼女がその特殊な「域」に到達し得たのかを聞けなかった。ラベルに表示された時刻で判断するところからして、たぶんドイツ人だろうとは思った。

 

さて、2時間遅れのフライトも、もうじき搭乗時刻となる。いつも通りと言ってよい、2週間の出張の始まりだ。