特許における“明確”な費用対効果って!? | 知財業界で仕事スル

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知財業界の片隅で特許事務所経営を担当する弁理士のブログ。

最近は、仕事に直結することをあまり書かなくなってしまいました。

本人は、関連していると思って書いている場合がほとんどなんですが…

toy-sanさん、
>経営層からはいつも費用対効果を明確にしろとのお達しがでています。

「明確」が一人歩きして、「明確」にするために、「明確」にできない要素を捨て、「明確」にできる数字をむりやりもってきて意味のない「費用対効果」レポートを作成していることになっているのでは?

効果として直接計れるのは、ライセンス収入くらいのものでしょう?ほとんどの発明は、そこまで至らず「討ち死に」です。でも、それが無駄であったかどうかは、わかりません。影で牽制力を発揮していたかもしれません。また、ライセンス収入が目に見えるのは、出願されてから何年も先の話。
一方、費用の方は簡単明瞭。

経営層は金勘定だけで計ってしまいますから、出願時に値段だけしか見なくなるのもわからないではありません(笑)。それでよいとは思わないけれども、それがその企業の実力なんだったらそれで仕方ないですね(少なくとも外部の者から見た場合には)。




Maji DESCAさん、

>話題に取り上げてくださって、恐縮です。

どんたっち、まいますたっしゅ。


>私の抱えた「ふつうとは逆で困る」ケースでは、実はもうPCTの各国移行をしちゃっているんですよ。限定○ヶ国で。

そうでしたか。安心しました。

それなら、主要国は押さえてあるのでは。
こういうのも、いわゆる8割2割の原則みたいなのが働いて、市場規模の大きい主要国を抑えたら全市場のほとんどをカバーしている(残りはわずか)という状態になっているはず。
一方、特許取得・維持料は、基本的に国数の掛け算です。したがって、出願国数を増やすと費用対効果が低下していきます。
PCT出願して主要国を押さえてあったら、そんなに嘆くことではないのでは?

それでも、将来の主要国がどこになるのかはよくわかりませんけどね。1990年に出願された特許は今も生きていますが、90年当時の日本出願の価値と今の価値とはぜんぜん違うと思います。