http://tanakanews.com/g0516WTC.htm
911事件は、米当局がテロの発生を意図的に防がなかったり、事件の発生 状況について現実と異なる発表を行っている部分が大きい。当日、米国の防空 システムはテロが始まる前に機能停止していたし、国防総省を破壊したのはど う見ても大型旅客機でなく、あらかじめ地上に置かれた爆弾だった可能性の方 が高いし、世界貿易センタービルの崩壊原因は飛行機の衝突によるものでなく、 事前にビル内に仕掛けられていた爆弾の爆発による制御崩壊だろう。米当局が 何も知らないまま、イスラム聖戦士がテロ事件を起こしたのなら、これらの 事象について納得できる発表を行うはずだが、実際には、米当局は疑問を持つ 人々を攻撃したり無視したりして、事実を隠している感じが強い。
http://tanakanews.com/090414GWOT.htm
テロ戦争の終わり
911事件より前のテロやイスラム主義の関係の報道の中に、聖戦士(ムジ ャヘディン)やオサマ・ビンラディンはよく出てきたが、アルカイダという組 織名はほとんど出ていなかった。アルカイダはビンラディンが作った組織とし て存在していたが、世界的に有名になったのは、米当局が911の犯人組織と してアルカイダを名指ししてからだ。 http://tanakanews.com/f0818terror.htm アルカイダは諜報機関の作りもの イスラム主義勢力(聖戦士)は、もともと反米なのだが、米当局はそれを逆 手にとって彼らに911犯人の濡れ衣をかけ、米国にとっての「最大の敵」に 仕立てた。その上で米軍のイラク侵攻が行われ、イスラム教徒の反米感情がさ らに煽られた。これらは前ブッシュ政権時代に行われた。現オバマ政権は、イ スラム世界との敵対を煽って「第二冷戦」的な長期対立構造を作って覇権を維 持するテロ戦争の戦略が、敵視のやりすぎによって失敗していることに気づき、 イスラム世界との和解を政権の目標に掲げた。
http://tanakanews.com/070911terror.htm
テロ戦争の意図と現実
だが、テロ戦争で潤っていた軍産複合体やネオコン(隠れ多極主義者)が、 濡れ衣的なイラン核問題などでこの方向転換を妨害しているうちに、チュニジ アを皮切りに中東革命が起こり、その一つであるリビアの内戦化に米国は軍事 介入することになり、オバマによるイスラム世界との和解は困難になった。 ▼抜けられなくなってから状況を問題にする しかも、今回の記事の本題である、リビア東部の反政府勢力の中に聖戦士が 多く、欧米は反米イスラム主義勢力を軍事支援してリビアの政権を取らせよう としているという問題が、ここに加わる。すでに述べたように、米当局は 1980年代からずっとイスラム主義勢力と関係を持っており、リビア東部の 勢力の中にイスラム主義が強いことを知らなかったはずがない。しかし実際に は「リビア反政府勢力の中にアルカイダがいる」という問題が表面化したのは、 欧米がリビアとの戦争を開始し、もう抜けられなくなってからのことだ。
http://washingtonexaminer.com/blogs/beltway-confidential/2011/03/admiral-us-studying-libyan-rebels-after-going-war-their-behalf Admiral: U.S. studying Libyan rebels -- after going to war on their behalf
カダフィは以前から「東部勢力はアルカイダだ」と主張し、自分を敵視して 東部勢力に味方する欧米の戦略は間違いだと言っていた。しかし米国では「反 政府勢力の中にはアルカイダもいるが、その影響は強くない」といった言い訳 がなされ、欧米は引き続き反政府勢力を支援している。欧米がリビア反政府勢 力への軍事支援をやめると、カダフィの政府軍がベンガジなど反政府の拠点を 攻撃し、多くの一般市民が巻き添えで殺される。だからもはや欧米は、支援対 象が反米イスラム主義者と知っていても、支援をやめられない。
http://af.reuters.com/article/libyaNews/idAFLDE72S21Z20110329 Libyan civil war: An opening for al Qaeda and jihad?
カダフィの軍勢は簡単に潰れそうもなく、むしろ巻き返している。カダフィ が延命すれば、リビアの二分が固定化され、東西が別々の国として国連から承 認される展開になるかもしれない。今後もしカダフィ政権が倒れても、その後 にできるベンガジ中心の新政権は、イスラム主義の色彩を顕在化させ、欧米に 出ていってくれと言うだろう。欧米は、カダフィを退治した後、新政権とも敵 対せねばならなくなりそうだ。リビアの新政権は、いずれ欧米に石油を売りた くないと言い出す。今のカダフィと同様、欧米に売らず中国やインドに売りた いと表明するだろう。リビア戦争は20年続くという見方が出ている。
http://warisacrime.org/content/prediction-20-years-war-libya Prediction: 20 Years of War in Libya
米国では、リビア東部の勢力が「アルカイダ」であることが懸念されている。 だが実際のところリビア東部の政権は、今や架空の存在に近いアルカイダで なく、エジプトのムスリム同胞団や、イランの傘下のレバノンのヒズボラと親 しいイスラム主義の政権になっていくだろう。英国のクレッグ副首相は「カダ フィが倒されると、リビアはイラン型のイスラム主義政権の国になるかもしれ ない」と語っている。
http://www.dailymail.co.uk/news/article-1371273/Clegg-admits-Libya-hardline-Islamist-state-Gaddafi-toppled.html Clegg admits Libya could become a hardline Islamist state if Gaddafi is toppled
リビア東部はエジプトと隣接しており、同胞団は以前からリビア東部のイス ラム主義勢力を支援している。イランの最高指導者ハメネイ師は「欧米はリビ アを空爆するのではなく、東部の反政府勢力に武器を支援すべきだ」と述べて いる。リビア東部にヒズボラが入っているという指摘と合わせ、ハメネイの発 言は、リビア東部の勢力が親イランであることを示唆している。ムスリム同胞 団や聖戦士(アルカイダ)はスンニ派であり、イランやヒズボラはシーア派で あるが、今の中東のイスラム主義勢力の間では、スンニとシーアの対立は少な い。イランと同胞団は親しい関係にある。サウジはイランと対立しているが、 サウジ王室は米国の傀儡であり、今の中東の主流のイスラム主義でない。
http://www.jpost.com/MiddleEast/Article.aspx?id=213168 Iran's Khamenei: West should arm rebels, not bomb Libya
エジプトはムスリム同胞団が台頭しているし、シリアでもアサド政権が民衆 革命で潰れた場合、その後の政権はムスリム同胞団だ。ヨルダンも同様だ。イ ランからリビアまでの全域が、いずれスンニ派とシーア派の反米イスラム主義 の地域となる。欧米のリビア戦争は、この流れに拍車をかけることになる。
http://tanakanews.com/110326syria.php
シリアも政権転覆か?