金融不安定性仮説と日本 | 反新自由主義・反グローバリズム コテヤン基地

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ヤン・ウェンリー命は2ちゃんねるのコテハンです。

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昨日予告しましたとおり今日は、金融緩和によってだぶついているお金がもし資産バブルを形成するとどうなるか?について書いていきます。

ここで引用したいのはハイマン・ミンスキー(ポストケインズ主義)が提唱した金融不安定性仮説です。

主流派経済学はお金をモノとして捉える商品貨幣論に立脚してますので、金融も「モノとモノが交換されているだけ」と捉えます。つまり実体経済と金融経済という風にわけず、一つの市場として捉えていると言えます。

 

しかしミンスキーの提唱した金融不安定性仮説では、実体経済と金融経済の2つのお金の流れがあると考えます。1970年までは実体経済が主、金融経済は従の関係だったのですが、新自由主義の台頭によって金融の規制緩和が進んだ結果として2008年のリーマン・ショックが起こるわけですし、それ以前もアジア通貨危機などおおよそ10年に一度くらいは必ず金融危機が起こったわけです。

しかも資本移動の自由が過激に進んだので、その規模、範囲共に非常に大きくなってきた。これがグローバリゼーションにおける実害の一つと言えまして、グローバリズムを推し進めると実は金融危機が頻発すると、歴史的な経緯からも明らかになっております。

 

例えば19世紀~20世紀初頭を経済史では第一次グローバリズムと呼ぶのですが、この時代も最終的に1929年の金融恐慌を引き起こし、各国が自国の防衛のために近隣窮乏化政策、もしくは保護主義に走り、最終的に戦争という手段で幕を閉じました。

なぜ金融危機が起こるのか?これに着目してその流れを明らかにしたのが金融不安定性仮説と言えます。

 

非常に素朴な理論なのですが、それだけに説得力がある理論ともいます。

1)投資家がリスクを取り、どんどん投機をする。

2)リスク=リターンの水準まで限界いっぱいにリスクをとる

3)何らかのショックでリスクが拡大すると暴落が起きる

4)債務超過に陥って投資家が破綻、従って融資をしていた銀行も破綻

5)中央銀行が銀行を救済。1)に戻る

 

大まかに言いますとこのような段階を踏んで金融経済は不安定を繰り返す、だから自由奔放にさせていると不安定性が増して、実体経済まで大きなダメージを被るよということです。

 

さて、現在の日本ですが個人消費は低迷、GDP成長率は決して力強いとはいえないどころかか弱い、GDPデフレーターはマイナス、コアコアCPIもマイナスに突っ込みそう、という「殆どデフレ」という状況にもかかわらず日経平均は19000円をつけておりますし、東京都心では不動産バブルに気配がプンプンしているようです。

つまりすでに金融不安定性仮説の2)の段階まで来ているかもしれない、という危惧が昨日の動画でご紹介した島倉原氏の問題意識なのでしょう。

また金融緩和によって銀行の貸出態度DIはすでにバブル並みになっている、というのも非常に恐ろしい兆候です。

つまり実体経済は力強くないので、銀行の貸出が金融経済に向かう可能性は非常に高い。

 

そしてもう1つ重要なことは、日経平均が19000円になろうが、不動産価格が高騰しようが「実体経済にメリットがあまりない」という点です。

まずもってGDPとは国民が働いて生み出した付加価値の合計ですので、不動産価格の高騰も株価の高騰も計上されません。

「でも株でも儲けた人が消費するかもしれないじゃないか!」という反論はありますが、それがどの程度か?は不明であり、また日経平均の高騰とGDP成長率に相関がないことからも、相当怪しい。

しかし問題はバブルがひとたびはじけると、実体経済に深刻なダメージを及ぼす点です。

 

例えば韓国の経済学者ハジュン・チャンの統計によりますと、1960年~1980年までの「金融規制がきつかった時期、グローバリズムがまだあまり進んでいなかった時期」と1980年~2010年までの「金融の規制緩和、資本移動の自由の過激化、グローバリズム」が進んだ時期を比べてみると圧倒的に前者のほうが経済成長率が高かった。

2000年~2008年はグローバリズムの黄金時代と呼ばれますし、世界同時好景気と湧いた時期でしたが、実は1960年~1980年の方が成長率は高かったわけです。

 

つまり日本もこのまま株式、不動産などのバブルに突入し、実体経済はさほど良くない状況でバブル崩壊となると、さらに実体経済がガタガタになりかねない状況だと思います。

実体経済が主、金融経済が従という本来の正しい資本主義に戻すために、金融の規制強化、資本移動の自由の規制強化が必要なのかもしれません。

そうして財政出動という実体経済を成長させるための政策を、今すぐやっていくべきでしょう。

 

ついでに言いますと第一次グローバリズムの時、イギリスはジェントルマン経済(富裕層が金融経済にばかり興味が行き、実体経済が苦しくなった)を通して衰退していったそうで、この時に政府の政策として話題に登ったのが観光(インバウンド)や金融だったそうです。

なんだか現在の日本と「瓜二つ」な話じゃございませんか?

 

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本日の男の料理~簡単パテ・ド・カンパーニュ~

本日はイタリア料理の代表的なパテ、パテ・ド・カンパーニュをご紹介。

田舎風パテというような意味だそうです。

本来は結構作るのがかったるい料理の一つなのですが、今日は簡易レシピで簡単に!

 

材料

・鶏ミンチ

・鶏のレバー

・玉ねぎ

・ニンニク

・玉子

・塩コショウ

・ローリエ(無くてもOK)

・牛乳

・ベーコン

 

1)鶏ミンチ3に対してレバーは1くらい。レバーは下処理したら牛乳につけて臭み抜きをして、フードプロセッサーでミンチ状にして、玉ねぎみじん切り、にんにくみじん切り、ローリエ粉末、塩コショウ、鶏ミンチ、玉子と混ぜ合わせます。しっかりと粘りが出てくるまで10分位コネコネしましょう。

 

2)ラップを広げてベーコンをしいて、その上に1を棒状にベーコンに合わせてのせて、周りにベーコンを貼り付けてからラップをキャンディー上に閉じて両端を結びます。

 

3)お湯を大きめのお鍋で沸騰させて、2を入れたら火を切って蓋をして1時間。これで完成!

 

※レバーの下処理は水につけて30分。脂肪と血管と取り除いて、血もきれいに洗い流してくださいね。

 

本来はオーブンで湯煎焼きにするんですが、大体テリーヌの型とかないし、金属のバットなんてもってねーよ!という人のためのレシピです。

 

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