フィリオとショコラのちいさなおうち -503ページ目

FIGLIO -動物病院「さくら」



              ( 1歳のころ )
         FIGLIO -フィリオへの伝言

フィリオのかかりつけ病院「さくら」は徒歩5分のご近所の上、365日無休で安心、スタッフは皆親切、と言う事なし。夜間緊急病院も車で15分の近さにあって、病院事情は本当に恵まれています。

彼がまだパピーのいたずら盛りで、何でもかじって対策に大わらわだった頃・・・

その日彼は朝から何度も戻して、もう出るものがなくなっても吐き気は収まらず、くったりしていました。

ふと見ると、かじりかけの電気コードが、中の金属線を露出させたまま放り出してあります。

おぬし、た・べ・た・なーー!

フィリオを抱き上げコードを握って病院に駆けつけるまで、3分はかからなかったと思います。その時、私には翼がはえていたに違いありません。

くっきりと金属線が写ったレントゲン写真を見ながら、「まず吐かせてみましょう。出なければ開腹手術です」と、先生はさわやかに仰いました。

そ、そ、そんなー。え?えぇー?。

それからフィーは美味しそうなお肉缶詰を山盛り貰い、食い意地が張っているものですから、ペロリと全部たいらげました。これから自分にどんな運命が待っているかも知らずに・・・

診察室のドアの向こうから、グェーとかオェオェとか悲惨な声が聞こえます。

ごめんね、フィリオ。母さんが不注意だったね。

やっと処置が終わり、しがみついて離れないフィリオを抱いて見た2枚目のレントゲンは、きれいにからっぽになった胃が写っていました。


この日からさくら不信になったフィリオは、先生が苦手です。

ビスケットを下さっても、横を向いて決して食べません。騙されるものか、と思っているのでしょうね。

違うよフィリオ、先生に助けてもらったんだよ。

先生、ごめんなさい。そして、ありがとうございます。


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FIGRIO -おばあちゃんの居るところー


       FIGLIO -フィリオへの伝言
98歳になる夫の母は、ベネッセホームくららに住んでいます。

週末ごとに母を訪ねに行きますが、母はフィリオをとても喜んでくれるので、癒し犬のつもりで必ず連れて出掛けます。

同じフロアにとても犬好きのおばあさまがいらして、私達が彼を抱いてリビングの前を通りますと、走る様に寄られてなでたり、頬をつけたり、フィリオの手を握ったりなさいました。

母も機嫌の悪い時に彼を傍に添わせますと、笑顔になったり致します。

姉の手作りの抱き人形をいつも枕辺に座らせている母ですが、歳を取ると、いたいけないもの、小さなピュアなものに心惹かれるのかもしれません。

私ももう老境に差し掛かりましたので、その気持ちはよくわかるような気がします。

母がたくさんの人の支えで生かされ、かつより良く生かされていますことを感謝しつつ。


FIGLIO -フィリオへの伝言

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FIGLIO -ボクのオシッコ事情ー


        FIGLIO -フィリオへの伝言

やぁ、こんにちわ、ボク、フィリオだよ。

ボク、すっごく嬉しい時はおしっこが漏れちゃうんだ。

近所に住んでるお兄ちゃんとお姉ちゃんが時々来てくれて、ボクといっぱい遊んでくれるんだけど、インターホンから声が聞こえただけでもう興奮のルツボになるの。

いらっしゃいいらっしゃい、ワーイよく来たねー、嬉しい嬉しい、ポタポタポタ・・・。

だからお姉ちゃんはいっつもおうちに入る前に、「お母さーん、ぞうきん下さーい」って叫ぶんだ。

おうちに入ったら跳ね回りながら、又ポタポタポタ・・・

これって、ボクが悪いんじゃないよね?


お隣のおばさんがお茶しに来た時、大好きなおばさんだからボク、ソファの毛皮の上にどっと出ちゃったの。母さんがあわてて毛皮をはがしたけど、それはソファの破れを隠してあったんだって。

あれから母さん、一度もお茶しないけど、ボクのせいじゃないよね?


ドッグライフのお兄ちゃんは、ボクのごはんやおやつを届けてくれる大好きな人。「やぁ、フィリオ、元気そうやなー」って、ボクの頭をごしごしするから、ボク、チビっともれちゃうんだー。

ボクのせいじゃないもん。


この間、ガス会社のお兄さんが点検にきて、わぁ、可愛いなあーってなでてくれたの。ボク、点検の間中ついてまわったよー。それでとうとう帰る時、玄関におおきな水たまりが出来てたの。

踏まないでー、飛び越えてーって、母さん叫んでたよ。

おかしいね?


ボクはもうおとなだから、お漏らしなんかしないんだよ。FIGLIO -フィリオへの伝言





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FIGLIO -びびちゃんの事ー



         FIGLIO -フィリオへの伝言
ビビちゃんは息子夫婦の愛犬で、我が家で預かった夜に亡くなってしまった子です。

きちんとしつけされている賢い、優しい子でした。

もう老犬で心臓などいくつかの持病があり、目もほとんど見えず耳も聞こえず散歩もトボトボでしたが、その日は特に危険な兆候など感じなかったのです。

いつもの部屋に彼を寝かせ、12時過ぎに様子を見た時は普通に眠っている様に見えました。

皆寝静まった午前4時頃、フィリオが私を起しに来て何度も「起きて!」と引っ張りましたが、私は朝の散歩の催促と思い、まだ早いよ、と言って起きてやりませんでした。

そして朝、ビビちゃんの部屋をのぞいた時、彼が天に召されているの知ったのです。


フィリオはいつも6時ごろに父さんを起すのが習慣で、4時に私を起すなど異常な事だったのに、私は気づいてやれませんでした。

あの時ビビちゃんを見に行っていたら、たとえ助ける事は出来なかったとしても、一人ぼっちで逝かせることはなかったのに・・・

せめてこの手の中で逝かせてやれたのに・・・

息子達の大切な子を預かって死なせて返したあの日から、ビビちゃんが逝ってしまったあの日から、今日で2年がたちました。





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FIGLIO -毛のはえたつちのこー

          FIGLIO -フィリオへの伝言
            
我が家はマンション暮らしですが、東と南の2方向に庭があって、2mを越える高さの赤芽樫の生垣に囲まれているのでカーテンは要らず、玄関扉を網戸にすれば風の道ができて、家中を心地良い風が吹き抜けます。

玄関は大理石なので大型冷え冷えボードと同じ効果、あがりかまちがあご置きにちょうど良い高さです。おまけにここに居れば、彼の耳にはマンション中の気配が届くはず。というわけでこの季節、フィリオは午前中のほとんどを、玄関で寝転がって過ごします。

ゴロリと怠惰に転がり、後ろ足をのびのび伸ばしたその姿は、毛のはえたツチノコのよう・・

フィリオ、この夏は頑張ってダイエットしなくちゃね。

せめてウエストというものをつくろうよ。



FIGLIO -フィリオへの伝言




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FIGLIO -素晴らしい聴力ー


            

          FIGLIO -フィリオへの伝言
雷が大嫌いなフィリオですが、その聞こえ過ぎる耳も悪い事ばかりではありません。

私達はマンションの1階に住んでいますが、夫が仕事から帰宅して地下の駐車場に車を入れた途端に聞きつけて、まずキッチンの私に知らせに来ます。

「かあさん、とうさんがかえってきたよー」

それから玄関に吹っ飛んで行き、エレベーターが止まり懐かしい足音が近づいてくる間、耳ピーン、シッポぶんぶんで待ち構えているのです。

ボク、エレベーターが止まった時から、車のドアが開いた時から、車がエントランスを曲がった時から、その前から、知ってたよ!

勿論人間の私には、地下やエレベーターの気配など、まして車種の音の区別などつくはずもありません。

すごいねー、フィリオ。超能力だね。


仕事が終わったら、寄り道しないで帰ってね、ボクがまってるから。

フィリオが待っているから。

                          
FIGLIO -フィリオへの伝言


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FIGLIO -雷ー


         FIGLIO -フィリオへの伝言
フィリオは雷が大の大の苦手。

彼を残した外出先で遠雷を聞くと、さぁこれは困った・・・、段々近づいて来ようものなら予定は全てキャンセルしタクシーに飛び乗って、とどろき出す前に帰り着かねばなりません。

息せき切って家に入ると、彼は浴室の壁に張り付いて背中を丸めてうずくまり、目に見える位ふるえています。

少しでも安全な場所を求めて、窓がなくコンクリートに囲まれた浴室に逃げ込んだのでしょう。

「ただいま、フィリオ。一人で怖かったね。」

人間の何倍もの聴力を持つ彼には、雷鳴は天を引き裂く恐ろしい轟音に聞こえるのかもしれず、恐竜も滅びた太古の記憶が呼び覚まされるのかも知れません。

私もペタンとタイルの床に座り、10キログラムを抱き上げて、静かに話し続けます。

「今日はこんな事があったよ、そうそうあんな事もあったよ。母さんはこう思うけどフィーはどう思う?・・・・」

大丈夫だよフィリオ、母さんがいる。母さんとゆっくりおしゃべりをしよう、雷雲が通り過ぎるまで。

君のふるえが止まるまで。



FIGLIO -フィリオへの伝言





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FIGLIO -鼻先ガブリ事件


            FIGLIO -フィリオへの伝言
やぁ、こんにちは、フィリオです。

この間の日曜日、父さんと母さんと近くの公園にお散歩に行ったんだよ。

初対面のフレンチブル君がシッポふりふりでやって来て、とてもフレンドリーに匂いくんくんしたの。ボクも嬉しくてシッポぶんぶん、お鼻とお鼻をくっつけた途端、突然がぶり!って咬まれたんだよ。ボクの魅力的な大きなお鼻をね。

ボク、びーっくりして固まってしまったよー。

ワンコって咬むんだねー。知ってたぁ?


フィリオ、母さんがショックだったのは、君が反撃する事も逃げる事もせず、ただ呆然と固まったままだった事です。

純血のウエスティの誇りはどうしたの?

勇敢で敏捷な狩猟犬だった先祖の血は、もう薄れてしまったの?

君は人の気持ちのわかるとても優しい良い子だけれど、無防備におへそを上に昼寝している姿を見ると、「はたして犬としては如何なものか・・・」と考え込んでしまいます。

でも、こう育てたのは母さんで、野生の本能を取り戻すなど望むべくもないんだよね。

フィリオ、君は君のままでいいんだよ。       

                                     
FIGLIO -フィリオへの伝言




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FIGLIO -飛行犬ー


FIGLIO -フィリオへの伝言


走れ、走れ、風のように、チーターのように。

ほら、今、君の四肢は地面を離れ、身体は宙に浮いている。

君の全身は力にあふれ、君の心は喜びに溢れている。

フィリオ、君は翼を持っているんだ。

走れ、走れ、どこまでもどこまでも、自信を持って、歓喜の内に。


母さんの膝でゆっくり休む、その時まで、走れ。FIGLIO -フィリオへの伝言



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FIGLIO -おかえりー


          FIGLIO -フィリオへの伝言 


半日お留守番をさせてしまって帰宅した時、父さんが仕事から帰った夜、君の「おかえりなさい攻撃」は半端じゃない。

まるで10年ぶりに再会した親子のように、飛びついて、嘗め回して、まつわりついて、おしっこをもらす・・・おかえりおかえり、ボク待ってたよ、ボクこんなに嬉しいよ。

人間の子なら待たされた寂しさを恨むだろうに、君はただ、また会えた嬉しさだけを全身で表します。

毎日毎日繰り返される、幸せな歓迎行事です。

ただいま、フィリオ。

君が迎えてくれる温かな我が家に、今帰って来たよ。
FIGLIO -フィリオへの伝言


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