FIGLIO -お兄ちゃん、おかえりー -
やぁ、こんにちわ、ボク、フィリオです。
昨日、ボクの三番目の兄ちゃんが帰ってきたの。
ボクには三人の兄ちゃん達と、兄ちゃんの奥さんのお姉ちゃんがいるんだよ。
ボク、5人兄弟の末っ子なの。
でも兄ちゃん達はお仕事が忙しくてなかなか帰って来ないから、ボク淋しいんだー。
昨日は二番目の兄ちゃんとお姉ちゃんも来たから、賑やかで楽しかったよ。
ボク、嬉しくてちょこっとおしっこがもれちゃったさー。
でも・・・でもね、皆はボク一人を残して、焼肉屋さんに行ってしまったのよ!どう思う?
ボクだってお肉が大好きなのにさ、仲間はずれするんだよ!
そいでもってビスケットでごまかされたんだ、ひどくない?
兄ちゃんは一つお泊りしたから、ボクわくわくしたよ。
朝母さんが、「フィーちゃん、兄ちゃんを起してきて」って言ったから、ボク勇んで行ったの。
クンクン言っても全ぜーん起きないから、ベッドに飛び乗ってべろべろ舐めたけどまだ起きないの。寝ぼすけだねぇ。仕方ないからワンワン、ワンワン大声で呼んだら、やっと起きたんだよ。
ご近所迷惑な兄ちゃんだねー。
にいちゃんよりフィーちゃんの方がお利口よって、母さん言ってたよ。
でも・・・朝ごはんが済んだら・・・兄ちゃん会社に帰っちゃったの・・・・
ボク、淋しいなー
次はいつ会えるのかなー
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FIGLIO -日本動物大賞-
梅雨明けと共に猛暑になりました。
毛皮が脱げないフィリオは、朝からエアコン漬けの不健康な生活をしています。
快適な環境で、食っちゃ寝、食っちゃ寝、のお気楽な毎日・・・。
でも、これではいけません!
T.V.で熊本市動物愛護センターが、殺処分0を達成して日本動物大賞を受賞したいきさつや、その取り組みの努力と熱意のドキュメントを放映していました。
この日本で、年間10万頭もの殺処分が行われているのは厳然たる事実ですが、飼い主がその子を捨てる言い訳に、もうあきた、歳を取った、病気になった、新しい子を飼いたい、と言うのには怒る前にあきれはててしまいます。
命を飼うということは、その子の一生の責任をとるという事です。
かといって何の解決の知恵も力もない私ですが、せめて「日本動物愛護協会」の会員になって、わずかな寄付をし続けています。砂漠に一滴の水をたらすような無念の想いで一杯になりながら・・・。
フィリオ、一日一日を幸せに生きよう。
生きたくても生きられなかった、あの子のためにも。
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FIGLIO -クールベストー
週末、父さん・母さん・フィリオの三人組でおばあちゃんを訪ねる習慣は、彼がパピーの頃からですから、6年近くになります。
積極的で行動的でいつも前向きでした母が、歳をとって活動出来なくなった時、その寂しさをどうフォローしてあげられるかが私達の心配の種でしたが、今母は車椅子の暮らしとなりながらも、喜びも哀しみも感謝も不満も表現しながら、人として尊重されて暮らしています。
私達が手を振って帰ってしまえば、すぐ訪問自体を忘れてしまうのでしょうが、その時嬉しくて温かな気持ちになれるなら、それだけで望外の幸せと私は思うのです。
梅雨明け宣言と共に、真夏となりました。
ホームの帰りに公園に立ち寄るのがフィリオへのご褒美でしたが、こう暑くてはバテテしまいます。
そこで出番の新兵器・クールベスト。
首と脇を冷やすと、動脈を冷やし全身を冷やすそうですが・・・
でもほどほどで退散、退散。
さあフィリオ、エアコンの効いた我が家に帰ろう。
おうちに着いてベストを脱いだら、背中のジッパーを下げてその白い毛皮もお脱ぎなさい。
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FIGLIO - 臆病者 ー
ねぇ、聞いて。父さんがボクのこと、臆病者って言うんだ・・・。
母さんまで、そうね、ちょっと怖がりかもねって言うんだよ。
野山を駆け回っていた勇敢な狩猟犬の末裔のボクに・・・失礼じゃないかい?
私達の住んでいるマンションはペット可ですが、ワンコが大嫌いなのに間違って入居してしまった、お気の毒な親子がおられます。
気分が悪くなる程の犬嫌いだそうで、不運にもエントランスで鉢合わせしてしまうと、ご挨拶しても聞こえないで、走って離れて行かれます。
息子さんの方に大声をあげて飛び退かれてから、弱虫フィーは小学校位の男の子が怖くなりました。今も登下校の時間帯は外に出られません。
カートをがらがら引っ張って来たおばあさんに、どいて!と叱られてからは、カートの音が聞こえてくるだけでもう怖い・・・
カラスが道に舞い下りてからは、カラスが怖い。
ガラス戸越しの猫ちゃんは大好きだけど、公園で会う猫ちゃんはちょっと怖い。
さくら動物病院の先生は、かなり怖い・・・
散歩で怖いものに出会うと、クルリと方向転換して安全な我が家に逃げ帰ります。
その逃げ足の速いこと、速いこと!
えぇーい、しっかりしなさい!
男の子でしょ!!
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FIGLIO -ファルコンのようにー
助手席の母さんの膝に踏ん張って、窓からせいいっぱい身を乗り出すので、落っこちないようつかまえているほうは必死です。
顔の毛はピッタリ後ろになびいて、眼はチカチカ鼻はカピカピ、息が苦しくなったら戻って一息ついて、又伸び上がります。
ネバーエンディングストーリーのファルコンのようなその勇姿を撮りたかったんだけど、カメラ技術がついてゆかず無念の写真になりました。
フィリオ、君の目には何が映っているんだろう。
君の鼻は風を嗅ぎ、耳は街のざわめきや自然の声を聞いているんだろうか。
知らない世界のあこがれを、身体一杯に感じているのだろうか。
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FIGLIO -雨の散歩ー
レインコートで武装して、いざ出陣。
ワンコの散歩に雨は大敵、空のご機嫌を伺いながら、止み間にタイミングよく出かけます。
いつもの散歩道を急いでいたら、幼稚園位のお姉ちゃんと3歳位の坊やを連れたお母さんに出会いました。
と、突然ぼうやが手に持っていた傘をふりかざし、フィリオを叩こうとしました。私は慌てて間に入りフィーを後ろに隠しましたが、それより早く怒声とともに、ぼうやはお母さんに投げ飛ばされてしまいました。その若いお母さんは私に会釈すると、道に転んで大声で泣いているぼうやを置いて、すたすたと行ってしまわれました。泣きながら後を追いすがるぼうや・・・あまりの展開に唖然と眺めていたフィリオと私でした。
自分より小さな命をいとおしむ事は、人として基本的な大切な教えです。このいさぎよい叱りかたは、きっとぼうやを、弱者を苛めることのない優しくて強い大人にするでしょう。
私が三人の息子達の子育てをしたのは、もうはるか昔になってしまいましたが、今にして思えば親の出来る事などごくわずかで、私にできたのはただ、信じる事、待つ事、そして祈る事の三つだけだったような気がします。
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FIGLIO -公園ー
週末ごとにおばあちゃんを訪ねた帰り道、真夏の日盛りや大雨でもない限り、必ず公園に立ち寄ります。
癒し犬のお役目を立派に果たしたごほうびです。
私達の住む北摂地域は、万博公園や服部緑地をはじめ大きな公園がたくさんあって、四季折々の自然の素晴らしさを満喫させてくれます。
公園を駆け巡っている時のフィリオは、本当に楽しそう!
誰もいなければノーリードにしてやれるし、お友達に会えば仲良くクンクンも出来ます。
ボク、公園が大好き!
毎日連れて行ってもらえるといいなー
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FIGLIO -おばあちゃんの部屋ー
98歳の母はこの三人の姉達も、長年連れ添った亡夫の存在も、嫁の私の名も忘れてしまいますが、末っ子で一人息子の夫のことだけはしっかり覚えていて、しばしば嬉しげに話題に致します。63歳の爺も母からみれば若々しい青年で、頼りにするよすがのようです。
彼は訪問のたびにいくつかの鶴を折り、母の見えるところにぶらさげて帰ります。
段々増えてゆく折鶴にそれぞれの祈りが見えて、私もまた、そっと祈って戻ります。
フィリオ、もし母さんがおばあちゃんと同じ歳まで生きたら、父さんのことも三人の兄ちゃん達とお姉ちゃんの名も忘れて、君の名前だけを覚えているかもしれないね。
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FIGLIO -病気 2-
その嬉しい電話が掛かって来たのは、フィリオが入院して3日目の朝でした。
「検査の結果、膵炎ではない事がわかりましたので、命の危険は無くなりました。通院治療に切り替えても良いですよ。」
神様、ありがとうございます!
先生、ありがとうございます!
「すぐ迎えに行きます。」と答えながら、ここ数日の緊張がどっと緩んで、ぽろりと一粒涙がこぼれ落ちました。
ひとまわり小さくなって更に大きな眼になったフィリオは、歩けない状態でしたが、いつものようにシッポを振って私の胸に帰ってきました。
お帰り、フィリオ。
考えてみれば君がいつもお帰りを言って、父さんと母さんはただいまばかりだったね。
今日こそ母さんが言うよ。
おかえり、フィリオ、ようこそ君の家へ。
その後一週間は嘔吐と血便が続き、体力も極端に落ちていましたが、水一口から始めて除々に治療用缶詰を増やし、治療缶詰が1回分食べられるようになるといつものごはんを混ぜ始め、すっかり元気になった頃、もう春は終わろうとしていました。
結局あれは何だったのでしょう?
何か毒性のもの(農薬散布など)を舐めたのかもしれません。
或いは、人のO157のようなウイルスだったのかもしれません。
真相は今もわかりませんが、お蔭で「君がいる幸せ」が心にしみ入るようになりました。
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FIGLIO -病気 1 -
ひどく吐いたあと、痛みで座る事も伏せる事もできず、苦痛にゆらゆら揺れながら立ち尽くしています。
今までは体調の悪い時も怖い時も寂しい時もいつも私にしがみついてきたのに、抱こうと手を伸ばしても触られたくなくて、ただ悲しそうに私を見ながら震えています。
さくら動物病院の診断は「急性膵炎の疑い」でした。
急性膵炎は死亡率のとても高い重篤な病気です。自分の消化酵素が自分自身を消化し始めた状態で、何とか助かっても膵臓や肝臓に機能障害が残ると言われています。
「検査結果を待っていたら間に合わなくなるので、まだ疑いの段階だけど治療を始めましょう」と、厳しい表情で先生が仰って、1日2回の点滴が始まりました。
その日の夜10時頃だったでしょうか、やはり立ち尽くしたままケイレンし始めた子を抱いて、夜間救急病院に駆け込みました。
ここでも同じ診断で、夜中の3時まで入院しましたが、彼の苦痛は殆んど変わりませんでした。
一睡もせずに夜が明けて、フィリオは朝一番に、さくら動物病院に入院となりました。
神様、どうぞ私からこの子をとりあげないで下さい。
私の持っている何と取り替えても良いから、どうぞこの小さな命をお助け下さい。
2007年3月、フィリオが3歳の時のことです。
この続きは次回に・・・