FIGLIO -病気 1 - | フィリオとショコラのちいさなおうち

FIGLIO -病気 1 -



          FIGLIO -フィリオへの伝言
その日は明らかにいつもと様子が違っていました。

ひどく吐いたあと、痛みで座る事も伏せる事もできず、苦痛にゆらゆら揺れながら立ち尽くしています。

今までは体調の悪い時も怖い時も寂しい時もいつも私にしがみついてきたのに、抱こうと手を伸ばしても触られたくなくて、ただ悲しそうに私を見ながら震えています。

さくら動物病院の診断は「急性膵炎の疑い」でした。

急性膵炎は死亡率のとても高い重篤な病気です。自分の消化酵素が自分自身を消化し始めた状態で、何とか助かっても膵臓や肝臓に機能障害が残ると言われています。

「検査結果を待っていたら間に合わなくなるので、まだ疑いの段階だけど治療を始めましょう」と、厳しい表情で先生が仰って、1日2回の点滴が始まりました。

その日の夜10時頃だったでしょうか、やはり立ち尽くしたままケイレンし始めた子を抱いて、夜間救急病院に駆け込みました。

ここでも同じ診断で、夜中の3時まで入院しましたが、彼の苦痛は殆んど変わりませんでした。

一睡もせずに夜が明けて、フィリオは朝一番に、さくら動物病院に入院となりました。

神様、どうぞ私からこの子をとりあげないで下さい。

私の持っている何と取り替えても良いから、どうぞこの小さな命をお助け下さい。

2007年3月、フィリオが3歳の時のことです。


この続きは次回に・・・


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