FIGLIO -病気 2-
その嬉しい電話が掛かって来たのは、フィリオが入院して3日目の朝でした。
「検査の結果、膵炎ではない事がわかりましたので、命の危険は無くなりました。通院治療に切り替えても良いですよ。」
神様、ありがとうございます!
先生、ありがとうございます!
「すぐ迎えに行きます。」と答えながら、ここ数日の緊張がどっと緩んで、ぽろりと一粒涙がこぼれ落ちました。
ひとまわり小さくなって更に大きな眼になったフィリオは、歩けない状態でしたが、いつものようにシッポを振って私の胸に帰ってきました。
お帰り、フィリオ。
考えてみれば君がいつもお帰りを言って、父さんと母さんはただいまばかりだったね。
今日こそ母さんが言うよ。
おかえり、フィリオ、ようこそ君の家へ。
その後一週間は嘔吐と血便が続き、体力も極端に落ちていましたが、水一口から始めて除々に治療用缶詰を増やし、治療缶詰が1回分食べられるようになるといつものごはんを混ぜ始め、すっかり元気になった頃、もう春は終わろうとしていました。
結局あれは何だったのでしょう?
何か毒性のもの(農薬散布など)を舐めたのかもしれません。
或いは、人のO157のようなウイルスだったのかもしれません。
真相は今もわかりませんが、お蔭で「君がいる幸せ」が心にしみ入るようになりました。
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