ＦＩＧＬＩＯ －父さんはネパールへ ３－
ボク、こんなに待ってるよ・・・
父さんがネパールにたって３日目になりましたが、やはり夜になると玄関に座り込み、人が通るたびに耳をピーンと立てて、ひたすら帰りを待っているフィリオです。
お部屋にお入りと言っても、動きません。
すっかり秋めいてきました。
雨上がりの朝の散歩は、風が爽やかで、空が高く、本当に気持ちいいーー。
枯れ始めた夏草の中にコスモスがひとむら咲いて、あっちをクンクン、こっちをクンクン、行きつ止まりつなかなか前に進みません。
フィリオ、いい気持ちだね。
フィリオも大好きな秋になったね。
いつもの公園は先客のワンチャンがボール遊びをしていたので、臆病者のフィリオは大回りして公園を抜け、川沿いの道を風に吹かれて歩きました。
さぁフィリオ、暑くならないうちに、そろそろおうちに帰ろうか。
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ＦＩＧＬＩＯ －父さんはネパールへ ２－
父さんがいないの・・・・
ボク、つまんない・・・
父さんが係りだった早朝散歩に、久しぶりに出かけました。
空気はもう秋のもので、爽やかで気持ちいいー。
早朝はもうこんなに涼しくなっていたのですね。
さあフィリオ、今朝は時間を気にしないでいいから、公園独り占めで、ゆっくり遊ぼうか。
昨夜はいつもの帰宅時間に父さんが帰らないので、フィリオはずいぶん長い間、玄関で座って待っていました。
やがてどうも帰らないらしいとわかって、今度は私にまとわりついて離れません。
母さんまで帰ってこなかったらどうしようと思うのでしょうか、どこに行くにも付け回します。
大丈夫よ、フィリオ、母さんはどこにも行かないよ。
公園に陽がさして来て、暑くなりはじめました。
小学生の通学時間でしょうか、笑いさざめく声がします。
さあフィリオ、そろそろおうちに帰って、美味しい朝ごはんを食べようよ。
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ＦＩＧＬＩＯ －父さんはネパールへー
父さん、どうしてボクのこと、置いてっちゃうの？
ボクも一緒に行きたいよー。
父さんは、今日から１週間のネパール出張です。
勿論、フィリオはお留守番です。
ネパールに限らず発展途上国は水事情が悪く、余程注意しないと、外国人はたいていお腹をこわします。
お腹が弱い父さんは戦々恐々、決死の覚悟で出掛けました。
いろいろな医薬品や補水ジェル、カロリーメイトもマスクも持って・・・
どうぞ無事に帰って来て下さい。
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ＦＩＧＬＩＯ －コーラスー
２，３日前頃より、ようやく朝夕凌ぎやすくなり、秋の足音が未だ遠くではあっても、少しづつ聞こえてきました。
クンクン・・・、この緑の夏草の匂い、ボク大好きさ。
フィリオ、秋の匂いはする？
昼間がもう少し涼しくなったら、運動不足の解消をして、この夏太りをなんとかしようね。
なんとかしないといけないのは、母さんでしょ？
う、うん。まあ、そうだねぇ・・・
母さんは、コーラスグループに入れて頂きました。
学生時代（石器時代）コーラス部に所属していて、社会人になってからは労音で歌っていたので、なんとかなるさと甘く考えていたのが大間違い。
声が出ない、音程がとれない、あれもこれも出来ない尽くしで、皆さんの足を引っ張っています。
でもこのご迷惑に眼をつぶれば、とっても楽しーーい！
週に一度思い切り歌って、ストレスを解消しています。
え、なに、父さん？
コーラスよりウエストのストレッチをがんばれですって？
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ＦＩＧＬＩＯ －母の遺産 その４－
６歳になったフィリオは、最近どうも風貌がオッサンくさくなってきました。
眠っている時も、以前は可愛い寝息や寝言に聞き惚れましたが、今は可愛くないイビキをかきます。
父さんと川の字で寝ていると、二人分のイビキが不協和音のコーラスで聞こえてきて、私は安眠出来ません。
先日の記事「母の遺産 その３」の、続きを書いてと言って下さった方がおられますので、思い出しつつ書かせて頂こうと思います。
前回の記事
かつての戦争の時代、旧満州国に派遣された、父母兄姉と現地で生まれた兄の５人家族は、敗戦で辛酸を舐めた上、やっとアメリカの貨物船で帰国しますが、その頃の思い出を父母がぽつぽつ語ったお話です。
父は判事でしたが、どうも裁判所の実態は機能していなかったようです。
北満の日本人町の粗末な官舎は急拵えで、厳しい寒さに夜は布団に霜が降り、朝は洗面器の氷を割って顔を洗う生活でした。
でもそのつらい生活の中で、母は自力で三人目の赤ちゃんを産んでいます。
戦況が悪化し敗戦となって、町ぐるみ港の町まで移動しますが帰国船は出ず、仕方なく元の町に戻って、何とか暮らしていたそうです。
町を守るのが任務だった関東軍はさっさと逃亡し、町の男達は相談して、ある夜、軍の食糧庫に忍び込もうとしました。
父達は軍の警備兵に機銃掃射され、ほうほうのていで逃げ帰る事になりますが、飢えた同胞の民間人に銃を向けるとは、まさか殺すつもりではなく威嚇したのでしょうが、守るべき民間人を捨てて先に逃げるとはと、語る父の声はふるえていました。
ソ連軍が侵攻してきた時、父母は床下に隠れ穴を掘りました。
父は国家公務員だったので、見つかれば戦犯にされて、シベリア送りにされる危険があったのです。
ある日ソ連の兵隊が入って来たとき、あわてて父を床下に隠した母は、慌てたあまり畳の下のわくを入れ忘れ、とっさにそのゆらゆらする畳の上に座り込んで、決して彼等を寄せ付けなかったそうです。
その後日本軍が見捨てた日本人達は、アメリカの貨物船に救われて、帰国が果たせました。
帰国後父は判事に復職し、検事・弁護士を経て、正義を貫いたリベラルな一生を終えました。
長い間読んで下さってありがとうございました。
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ＦＩＧＬＩＯ －ウエスティグッズー
優しい父さんは、ウエスティものを見つけると、たびたびプレゼントしてくれます。
時計、指輪、ペンダント、ブレスレット・・・ｅｔｃ
よく見つけるねー。
Ｈａｒｒｏｄｓのバッグです。
これでもコレクションの一部ですから、全部でいくつあるか我ながら恐ろしい・・・
私ってやはり・・・フィリオ病でしょうか？
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ＦＩＧＬＩＯ －うれしかった話とつらかった話ー
がありました。姪に赤ちゃんが産まれました。
３５００ｇもある、大きな男の子です。
母子共に健康だそうで、何よりの喜び！
この姪は、以前の記事「揺りかごの歌」に登場する、「ゆりかごに眠った三人目の赤ちゃん」です。
彼女は亡母が暮らしていた家をリホームして住んでくれているので、懐かしい母の家で又新しい命が引き継がれていく事を思うと、感無量です。
母からはひ孫になりますが、今頃空の上から、きっと大喜こびしてくれている事でしょう。
早く大きくなあれ
ちょっとつらかったお話です。
昨日は、私の大腸カメラ検査の日でした。
昨年はポリープを二つ取り、ラッキーな事に未然に癌を防ぐ事が出来ました。
そのときの記事はこれです。
今年もやはり２個見つかり取って頂いたのですが、Ｓ字結腸のむずかしい場所で時間がかかったのと途中から受けた点滴があわなかったらしく、具合が悪くなってしましました。
たまたま夫が在宅の日だったので来て貰い、夜まで病院に居たものの、一人留守番のフィリオが心配で、帰ってきてしまいました。
でも小さい内に又取ることが出来て、今年もラッキーでした。
おかあさん、ありがとう。
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ＦＩＧＬＩＯ －おばあちゃんの部屋７－
近頃の母は、穏やかな優しい表情になりました。
積極的で行動派だった頃の母は輝いていましたが、今の母の顔の方がきれいなように、私には思えます。
まぶしい太陽と静かな月のように。
母は９８歳、私は６１歳ですから、３７歳の年齢差があります。夫と婚約して初めて母に紹介されたのは３７年前の昔ですから、あの時の母と同じ歳に追いついた事になります。
やっと、母の気持ちが解るようになりました。
私も実母を亡くし、母と呼べる人はもうこの母だけになりました。
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ＦＩＧＬＩＯ －いつまで続くの、この暑さー
いつまで続くのでしょう、この酷暑は・・・
私達の住むマンションは高台にあって、近くの中学校の校庭が見下ろせるのですが、新学期になって一度も体育の授業を見ません。
体育館を交代で使っているのでしょうが、体育館とてかなり暑いですよね。
例年なら運動会の練習が始まって、賑やかな子供達の声やマーチが響いて来る頃ですのに、静まり返って活気がありません。
庭木や花達も、たっぷり水撒きしていますのに、次々と夏枯れてきました。
花壇の縁取りに植えている龍の髭は、とても丈夫な品種ですのに、ところどころ褐色に退色しています。
元気なのは、アイビーと・・・
プリザーブドフラワーと・・・
造花達のみ・・・
皆様、どうぞくれぐれもお大切に。
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ＦＩＧＬＩＯ －トリミングその前とその後ー
あまりにも暑いので、せめてサマーカットにと、トリミングに行ってきました。
カット前
カット後
如何でしょう？
え？ あまり変わりないって？
うーん、少しだけすっきりしたような・・・・
タイミングが早すぎたような・・・
お迎えに行った足で、おばあちゃんのホームを訪問しました。
皆さんに可愛くなったと言って頂きましたよ。
う、うーーん、社交辞令というやつかな・・・・
おばあちゃんは可愛い可愛いと言ってくれましたが、これは身びいきというやつでしょう・・・
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