先月5月23日(火曜)、桑名市立精義小学校で5年生の担任女性教師(27歳)が
女子児童と口論になった男子児童の言動を問題視して
男子児童を2時間以上にわたり教室の前に立たせ、指導していた。
女性教師は市教育委員会に
「(児童に)分かってもらいたい思いから長く指導をしてしまった」
という趣旨の説明をしているらしい。
学校はこの問題について、
6月5日(月曜)に開かれた保護者会で経緯を説明し謝罪した。
メーテレ(NBC、名古屋放送)の市教委への取材で、
今度はその翌週の5月31日(水曜)、またもや同じ小学校で
給食準備中だった2年生のクラスで男子児童同士の口論があり、
中指を立てて挑発した児童に
担任教師が刃の出たカッターナイフを持たせていた不適切指導が判明。
クラス内の児童が保護者に伝え、保護者を通じて学校側が把握し市教委へ報告。
男性経論は市教委に
「児童のしぐさは『殺す』という意味もある。
だから報復されることもありうることを伝えたかった」
と説明しているらしい。
この男性教諭は市教委により6月2日から自宅待機させられている。
昨日6月9日(金曜)夕方、この小学校で臨時の保護者説明会が開催された。
参加した保護者
「先生は謝罪しました。残念だと思った」
市教委によると、
「男性教師は普段から強い口調で児童を注意することがあり、
問題が起こる1週間ほど前に、教頭から指導を受けていた」
と。
昨夕の「アップ!」(メーテレ=NBC、名古屋放送)の報道では、
「市は、この学校で問題が相次いだことを受けて、
夏休みに市内の小中学校に勤務する全ての教職員を対象に
研修会を開き再発防止に努める」
のだと…。
(ほとんどの真面目な教師からするとえらい迷惑な研修会だよね)
認定こども園の不適切保育問題もあるし、
桑名市って園児や児童の保育や教育ってどうなってるのさ?
と思うのだけど、
一方で不適切指導は容認できないし擁護する考えは一切ないが
日本の教育現場は危機的状況にあるのも事実なのだ。
私の小中学校当時は、
学校内での口論とか授業の邪魔をしたとかトラブルがあると
教師の強権で生徒は水を入れたバケツを持たされて廊下に立たされるとか
ほうきで叩かれるとか校庭1周のうさぎ跳びを命じられるとか、
黒板消しで頭を叩かれ頭が真っ白になるとか、1週間掃除当番とか
ひどい時は出席簿で頭を叩かれたり
教師のスリッパでビンタとかの厳罰を与えられたものだが、
当時は児童や生徒も自業自得とされて問題視されることはなかった。
(私の小学校ではホントかどうかわからないけど
元関東軍将校といわれた怖い教師がいつも竹刀を持ち歩いていた)
近年、教職員に対する要望や批判的意見が強まり、
同時に教師の責任も重くなっている。
「教師の過重労働や教師不足など教育現場の劣悪な環境は
子どもの成長に悪影響を与えている」
ともいえるし、また
「みんなで同じことを、同じペースで、同じようなやり方で、
同質性の高い学年学級制の中で、教科ごとの出来合いの問いと答えを勉強する」
という没個性のベルトコンベヤー式金太郎飴養成教育システムの弊害で、
イジメや不登校、落ちこぼれも近年は激増しているのだ。
また、教師に反抗したり挑発したり、悪ガキの質やレベルも
昔より悪化しているようにも思えるし、
近年はモンペ(モンスターペアレント)も増加している。
文部科学省「教員勤務実態調査(2016年実施)」
小学校400校と中学校400校の教師に、10~11月のある1週間のあいだ、
「30分ごとにどんな業務に従事したか」
という調査だけど、
小学校教諭の33.4%、中学校教諭の57.7%が
「週60時間以上勤務(=月80時間以上の時間外労働)」
をしており、
これは過労死リスクが高まる過労死ラインを超えている。
(1日8時間勤務で週5日、40時間労働に対し、
週20時間以上時間外勤務がある計算)
このデータは学校内にいる時間についてのみの数字、自宅等への持ち帰り残業や
週末の部活動の顧問活動を加えた実労働時間ではないのだ。
「1週間に小学校は約5時間、中学校は約4時間の持ち帰り残業がある」
というデータもあり、週末の部活動業務を加えなくても
「週55~60時間労働の教師は、実際には週60~65時間働いている可能性が高い」
といえる。
教育現場は完全なブラック業界なのだ。
それに、公立学校の教職員の給与は
「月給の4%分が上乗せされる代わりに、残業代は支給されない」
と定められている。
(教育職員の教職調整額の支給等)
第三条
教育職員(校長、副校長及び教頭を除く。以下この条において同じ。)には、
その者の給料月額の百分の四に相当する額を基準として、
条例で定めるところにより、教職調整額を支給しなければならない。
2 教育職員については、時間外勤務手当及び休日勤務手当は、支給しない。
若手教師の場合、月にもらえる残業代はわずか1~2万円程度。
「労働過多だが、その分残業代が増えるから、まあいいか」
というモチベーションも無い「定額働かせ放題」では
教員志望が激減するのも当然だ。
教員の多くは、熱意をもって教育現場へやってくるが、
想像以上の忙しさに本来の目的を見失い、
心身をすり減らしてしまう人も少なくない。
年間5000人の教師が精神疾患休職となる「死と隣り合わせの現場」で働き、
その過酷な労働環境が「学ばない教師」「信頼されない教師」を
生み出しているのが現状なのだ。
過度な緊張やストレスが続くと脳内でノルアドレナリンが活発に働き、
頭がテンパって
「ミスがミスを呼ぶ」
「感情的になって正常な判断が出来ない」
「イライラして感情的に生徒にあたる」
のも起こり得るといえよう。
文科省指針では、
『教員の残業時間の上限を原則「月45時間以内」とする』
とされているが、
実質的に「週60時間以上」勤務の過労死ラインを超える教員の割合は、
小学校教諭の約6割(57.8%)、中学校教諭の4人に3人(74.2%)にも上り、
さらに
「月120時間以上残業(週65時間以上勤務、持ち帰り残業も考慮)」
という、過労死ラインをはるかに超えて働く教員は
小学校で17.1%、中学校で40.7%にも上る。
7年前の2016年、
電通の新入社員だった高橋まつりさんが過労死で自殺したが、
労基署が認定したのは「月105時間の残業」、
遺族側弁護士が入退館ゲートのデータをもとに集計した残業は
「月130時間を超えることがあった」
と報道されていた。
経済協力開発機構(OECD)が世界の中学校教員を対象にした
「国際教員指導環境調査(2014年発表)」では、
日本の教員の「勤務時間」は最長だった(34の国・地域を調査)。
日本の中学校教員が世界一労働時間が長いという結果が出たのだが、
授業に費やした時間は世界平均以下。
他国より長かったのは、会議や授業準備、とりわけ課外活動に費やす時間だった。
「月120時間以上残業(週65時間以上勤務、持ち帰り残業も考慮)」
という、過労死ラインをはるかに超えて働く教員は
小学校で17.1%、中学校で40.7%。
多くの教師が高橋まつりさんと同じか、
もっと長く働かなければいけない職場で苦しんでいる。
全国の公立学校では、近10年、
毎年約5000人の教員が精神疾患で休職しているが(10年だけで延べ5万人)、
こんなに精神疾患休職を出す業界が他にある?
(精神疾患による休職者数は、2000~02年度は毎年2300~2700人程度、
1997~99年度は毎年1600~1900人程度なので近10年は倍増)
2023年4月、今年度以降の部活動改革で
「学校部活動から地域部活動への転換」
になった。
教員による部活動業務が外部の部活動指導員を活用することが出来るようになり、
若干でも教員の負担減になるのは朗報といえるが、
実際どの程度負担減になったのかな?
前置きが長すぎたが、ここからがようやく本題。
昨日6月9日(金曜)午前10時ごろ、
スーツ姿の三重県、桑名市職員計10人が不適切保育の認定こども園を訪問。
桑名市は3月に給食強要問題を把握。
その後、
①言うことを聞かない園児を廊下に立たせる
②決まった時間にしかトイレに行かせない
③人格を尊重しない発言
といった問題行為も確認し、
5月22日、これらをまとめた報告書を県に提出した。
特別監査は定期監査とは区別され、結果次第で自治体は指導や勧告を行うが、
県と市は昨日6月9日(金曜)、認定こども園法などに基づき
不適切保育の長寿認定こども園を特別監査したのだ。
今後も保育態勢などについて元園長や保育士らから聞き取り調査を行い、
指導や勧告を検討する。
昨日6月9日(金曜)23時30分放送の「news zero」では、
(日テレ系、東海三県は中京テレビ、金曜日は有働由美子氏は休み、
中島芽生キャスター+パートナー元欅坂46長濱ねる)
この件の報道は無かった。
「第三者委員会の設置や過去14年に及ぶ市の怠慢についての言及が無い
=報道する価値がない」
からだと思われる。
長寿認定こども園の不適切保育について、
桑名市は過去14年以上保護者からの相談を
「私立園だから」という理由で門前払いにしてきた。
市長はこの怠慢にはこれまで一切触れず、GW連休明けの先月5月9日(火曜)に
「第三者委員会の設置を検討する」
と言ったまま、1か月以上経過したが前進は何も無い。
第三者委員会の主な役割は、
「事実関係の調査・分析を行い、最終的に調査報告書を提出すること」
にある。
そのため第三者委員会はまず、
①発生した問題に関連する社内文書の提出や
実際に送受信されたメールの開示を求める
②職員や保護者に対して直接ヒアリングを行いながら事実関係を把握していく
ことになる。
そのうえで、
「事実関係を分析しながら不祥事が発生した原因を分析し、
これらの調査・分析の結果を調査報告書にまとめて(市に)に提出する」
ことになるが、
市長が困っているのが
「過去14年以上にわたる市の門前払い」
「市長自身が近12年間在職」
といった市の怠慢が調査報告書に書かれてしまい、
自身の責任問題に発展することを怖れ、
そのため、第三者委員会の人選に手間取っているわけだ。
先月5月24日(水曜)、福岡県柳川市の
ハリウッドワールド美容専門学校でのBBQで火災が起き、
1年生の男性4人がやけどを負い、
うち1人が今月6日に死亡したことが報道されている。
60代の男性理事長が火起こしの際に
事故の原因となったアルコール消毒液を使用して爆発的に燃え上がったとみられ
福岡県警柳川署は、業務上過失致死傷容疑で捜査をしている。
学校は当初SNSでの拡散を防ごうとしていたが、昨日6月9日(金曜)、
福岡県に事故の経緯や対応の報告書を提出するとともに
今月中旬ごろには第三者委員会を設置して
事故の原因や再発防止策などを検証することにしている。
桑名市と比べると第三者委員会の設置がかなり早い、というより当たり前だ。
被害者だけでなく全校生徒、保護者に誠意ある説明が求められ、
責任も明らかにしたうえで再発防止策を策定し、再出発を目指したいからだ。
2年前の2021年3月、北海道旭川市の公園で
当時中学2年生の廣瀬爽彩さんがイジメにより自殺。
市教育委員会が第三者委員会を立ち上げようとしたが
その人選が完全な第三者ではなく、市側に有利な人選で
遺族側が「著しく公平さを欠く人選」として振り出しに戻されたことがあった。
第三者委員会の人選は、今回の桑名市の不適切保育園でいえば
市の依頼に基づいた人選になるわけだ。
そのため、桑名市は市の怠慢追及を免れるために
御用弁護士、御用学者などに声をかけているものと思われるが、
全国報道されている事案でもあり最終報告によっては
第三者委員会のメンバーが矢面に立つ場面も有り得るわけで
市の打診で躊躇している人たちがいて
第三者委員会設置が遅れているのだと思われる。
ジャニーズ事務所のHPでは、
外部専門家による再発防止特別チームに関する件について
「弊社創業者である故ジャニー喜多川による性加害問題につき、
大きな失望とご不安を与えてしまい、心よりお詫び申し上げます。
弊社は、2023年5月26日、「外部専門家による再発防止特別チーム」
(以下「本チーム」といいます。)を組成することを公表しました。
本チームは、検事総長経験者、精神科医、性暴力等の被害者支援の
実践を行っている臨床心理の研究者から構成しており、
いずれの方も弊社とはこれまで関係を一切有していません。
本チームは、弊社から独立した外部の第三者として、
弊社代表であった故ジャニー喜多川からの性被害を
申告されている方々に寄り添って、弊社の過去の対応上の問題点を調査し、
ガバナンス上の問題に関する再発防止策を提言するものです。
このように、本チームは、外部の独立した第三者が調査・提言を行うものであり、
第三者委員会としての機能を有しています。
また、一部週刊誌にて、弊社に以前所属していたとされる人物の
性加害に関する記事が報じられていますが、
本チームからは、この問題も含めて調査していく旨をお聞きしております。
本チームによる調査結果及び再発防止策の提言を受けまして、
弊社としましても適切に対応を進めていく所存でございます。
皆様にご報告すべき事項が発生した際には
適宜お知らせさせていただきたいと考えておりますので、
今後とも、これまで以上に様々なご意見ご指摘を賜りますよう、
心よりお願い申し上げます。
2023年6月9日
株式会社ジャニーズ事務所
と出ている。
下部の
「一部週刊誌にて、弊社に以前所属していたとされる人物の性加害に関する記事」
というのは、今週6月15日号の文春砲
『「6人くらいと…」ジャニーズ事務所・男性マネージャーも
ジュニアに性加害していた<本人告白>』
のこと。
弊社代表取締役社長より皆様へ
故ジャニー喜多川による性加害問題について当社の見解と対応 2023.5.14
これは更新されずそのまま。
「本チームは、外部の独立した第三者が調査・提言を行うものであり、
第三者委員会としての機能を有しています」
というなら、正々堂々と第三者委員会を設置すればいいのに、
それを避け、社内調査チームを設置するから信用ならないのだ。
膿を出さずにもみ消そうとしていると思われてもしかたがない。
ジャニーズ同様、桑名市が早々と第三者委員会の設置をしないのは
「やましいことがある証拠だ」
と受け取られてもしょうがないのだ。
ジャニーズも桑名市もパンドラの箱は開けず、闇に葬り去りたいのだろうが、
膿を出し切り、原因を究明し、再発防止策を策定し、
園児も保護者も安心な保育環境づくりを目指せばいいのに。
市の怠慢も問題だけど、桑名市議ってどうしてるの?
三重県桑名市「こども園」の虐待…。
三重県桑名市「こども園」の虐待②
三重県桑名市「こども園」の虐待③
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