三重県桑名市の「長寿認定こども園」で給食中に

園児に虐待があったと報道されている。

「社会福祉法人花園福祉会 長寿認定こども園」  
「こども園」のHPには
「園の想い」
「保育理念」
とかあって、それを見ようとしたら、すでに苦情が殺到してるのか、
「ただいまアクセス集中により、ページが表示しづらい状況となっております」
と閲覧できない状態だった。

この「こども園」で、今年2月~3月にかけ

給食を食べきれなかった園児(1人)に対し、
保育士が約4時間にわたり給食を食べるよう指導を続け、
園児はその間、トイレに行けず失禁してしまったということで、
今年3月に保護者から桑名市に相談があり、市が事実確認を進めている、と。

この「こども園」では他にも、保育士が園児に対し執拗に強い口調で話したり、
人格を尊重しない言葉遣いをするなど不適切な問題行為が疑われるということで、
現在、保育士6人が自宅待機、園長は5月7日付で辞職したらしい。

「市内の園で二度と、このようなことが起きないよう対策を講じる」
市は今月中旬までに調査結果をとりまとめ県に報告する予定、

また近く第三者委員会を設置し再発防止策を検討すると発表した。

このほか、桑名市内の保育園で同様の不適切行為が行われていないかとか、
個々の保育園の職員らを対象に研修会を開くなどして、

再発防止に努めるとしている。



「保育園での虐待の有無」
を聞き取り調査して、それなりの原因を見つけ、
不適切な保育士や保育園の責任者に処罰や指導をして、
保育園には再発防止の改善計画書の作成や保護者説明会とか

マスメディアでの謝罪とか…、
そんなことで早期に幕引きを図りたい、というのが市の本音なのだろう。

4時間も厳しい指導を受けた園児の精神的なショックは計り知れない。
ニュースではその園児のケアについては報道されてないけど、

まずそこが一番だと思うよ。


当事者は責任を追及されたくないから

責任回避で保身になり逃げるので精いっぱい。

肝心の被害園児の心配なんか口先だけで後回し。

理屈っぽい専門家によると、虐待の主な種類は
 「身体的虐待、心理的虐待、性的虐待、経済的虐待」
とかがあり、その状況の深刻さから
 「緊急事態、要介入、見守り・支援」
 の3つのレベルに分けられるらしいけど、
虐待の種類や分類なんかよりも、

それらの虐待現象が起こる根本原因はおそらく同じなんじゃない?

 

市や保育園、保護者たちはそれを見つけないといけないよ。

目に見える現象だけで薄っぺらい原因を見つけ出し、そこだけ改善しても、

根本が解決されなければまた同じことを繰り返してしまうと思うよ。

「1件の重大な事故・災害の背後には、29件の軽微な事故・災害があり、

その背景には300件の異常がある」
というのがハインリッヒの法則(=ヒヤリハットの法則)だけど、
いつも重大な事故が起こってから
「さあ、どうするか」
とてんてこ舞いになるのが常。

 

要するに、政権政党と同じでやってる感は満載なんだけど、

実際には何もやってないのと同じこと。

 

無能な首相が「異次元の少子化対策」といっても、

戦後自民党が長く政権を担ってきてるのに、
少子化問題は数十年前から問題視されていたはずだが、
何ら対策を打てなかったのは政権政党の無策が原因のはず。

 

重大な事故が起こってから
「さあ、どうするか」
とてんてこ舞いになるのはまったく同じ無能の構図なのだ。

小さな問題の時に保育士や園、保護者、市の担当部署が異変に気が付いて、

その時点で問題解決に奔走すれば
重大事故は起こりにくいはずだと思うんだけどね…。

 

だいたい、小さな異変にも気づかないことが大問題なんだよ!



以前のニュースでも、保育園や小学校とかで、
「給食を食べない子どもに、無理やり口に押し込んだ」
「時間内に食べない子どもに、昼休みも午後の授業中も

 ずっと給食を下げずに食べるまで何もさせなかった」
「給食中はおしゃべりは禁止」
というような話は何度も耳にしてるよね。

こういった強制や無理やりは、

子どもは食事をすることが嫌いになってしまうはず。


本来、食事って楽しく食べるものじゃないの?
「食育」も教育の一環だから、没個性の金太郎飴養成教育式に
全員が完食をしないといけないわけ?

偏食児童や食が進まないことに目くじら立てて指摘するのではなく、
「皆で食べるとおいしいね!」
「皆が、楽しく食べていると先生も美味しく食べられるよ!」
など声掛けするとか、食べる場所や座るメンバーを定期的に入れ替えるとか、
ゲームを取り入れるとか、遠足の食事みたいに楽しく気分よく食べられるように

工夫すればいいんだよ。

「食」は人間が生きていくうえで生涯関わること。
園児は発育や体格、体形、性別、家庭の生活環境などで

食が細いとか偏食の子は必ずいる。


園児や生徒が楽しく食べることを基本に置き、
保育園や学校の栄養士・調理師、保育士、教師も含めて、

全員が「食」についての共通認識を持ち、そのうえで、

「食に関して不安のある園児に対し、家庭との連携を図る」

という構図が必要だと思う。



今回の桑名市の「こども園」での園児虐待報道で、私自身の悪夢を思い出した。

私が小学校2年と3年の頃、

担任教師の「給食は残さず完食」という厳しい方針で昼休みは地獄だった。

私は「肉」が嫌いだった。
脱脂粉乳ミルクやパンなどが嫌いな、

私を含めて5人(いつも同じメンバー)が、
ヒステリックに怒鳴る女教師に委縮し悲しくて逃げ出したかった。

脱脂粉乳が嫌いな子は「臭くて飲めない」「糞乳」と言って嫌い、
クラス全員の脱脂粉乳の大きなミルク缶を、

意図的だと思うけどその子が当番の時に廊下で転んで

ザバーンと全部流したこともあった。


その事件以降、私たち5人は給食前の脱脂粉乳やパン、おかずを

調理室から教室まで運ぶ当番から外された。

私は鬼担任の前で嫌いな「肉」を口に入れて飲み込み、

トイレに駆け込んで吐いていたんだ。
苦しかった思い出しかない。


半世紀が過ぎてもいまだに忘れられない悪夢。


それで「肉」がトラウマで嫌いなまま、

「肉」を食べられるようになったのはつい10年くらい前のことなんだよ。

私が高校を卒業するまで、自宅では大晦日に年越しすき焼きをしていた。
父が津市の老舗松阪肉専門店「朝日屋」で年末に松阪牛を買ってくるのだけど、
私は地元の名産松阪牛を食べたことがない。


家族からは
「バカじゃないの?こんなに美味しいのに」
と言われ続け、私はすき焼きでは焼き豆腐とか長ネギ、しいたけ、

しらたき、白菜とかを食べていたんだ。



私の小学校時代はパン給食でアルマイト製食器が使われ、
パン皿と、おかず皿、少し大きめの汁食器にミルク食器の

全部で4種類があった。

「アルマイト」は、耐久性を増すためアルミニウムに

酸化アルミニウムの膜で覆ったもので、
大正時代に日本で発明され、弁当箱などとして広く使われてきた。

飲み物は脱脂粉乳。
今のスキムミルク。

牛乳から油脂を抜いて乾燥させて粉状にしたものが脱脂粉乳。
それをお湯で溶かすと白い牛乳っぽくなるんだけど、

嫌悪感ある独特の臭いがあり美味しくない。


しかも少し時間が経つと「ゆば」のように表面に膜が張り、さらにマズくなる。
一気飲みじゃないとなかなか飲めないよ。

今もあればいいのに、罰ゲーム用として。


第二次世界大戦後、アメリカによる疲弊したヨーロッパに対する支援が一段落し、
アメリカの農畜産業の余剰小麦のはけ口として
「日本の子どもの栄養失調の改善」
を口実に日本がターゲットとなり、日本国内の
「小麦消費拡大運動の展開の一環としてパンが学校給食になった」
という背景がある。

小麦大量輸入は極端な米飯食主義だった日本人の食生活を大きく変容させ、
今日のパンや乳製品の消費が定着する一因ともなった。

1949年(昭和24年)

 ユニセフ(国際連合児童基金)から脱脂粉乳の寄贈を受けて、

 ユニセフ給食が開始。
1950年(昭和25年)

 アメリカから小麦粉が贈られ都市でパンによる完全給食が開始。
1951年(昭和26年)

 完全給食は全国市制地に拡大、1952年4月に全国で開始。
1952年(昭和27年)

 日本学校給食会が脱脂粉乳の輸入業務を開始、

 また、ユニセフ寄贈の脱脂粉乳の受入配分業務も実施される。
1954年(昭和29年)

 「学校給食法」が成立、公布。

 給食は保護者に好評で存続が望まれ、学校給食は教育の一環として

 第二のスタートを切る。
1956年(昭和31年)

 学校給食法が一部改正、中学校にも適用されるようになったほか、

 「夜間課程を置く高等学校における学校給食に関する法律」が公布。

学校給食法施行規則第1条
「完全給食」とは、
給食内容がパン又は米飯(これらに準ずる小麦粉食品、米加工食品その他の食品を含む。)、ミルク(牛乳)及びおかずである給食。

学校給食法第2条
「学校給食の目標」とは、

学校給食を通した食育(食事を通した食に関する教育)。
様々な食材をバランスよく摂取する指導、地元の素材や食器を使い、

正しい食事作法を身につける指導などが実践されること。

かつての管理教育全盛時代には、
「栄養欠乏の改善」
「偏食や野菜嫌いなどを矯正する」
「食べ残しをしない生活習慣を身につける」
「集団におけるマナー」
などの観点から、
給食を残すことを禁止する教師が全国的に多かったのだ。

私が「肉嫌い」でも、友人がパンや脱脂粉乳ミルクが嫌いでも
給食を全部食べきるまで昼休みの時間、

ずっと残されて強制的に食べさせられた「完食指導」は、
鬼教師の個人的弱い者いじめではなく、ある意味国策だったわけだ、ひどいね。

この食育も全員横並びの没個性金太郎飴養成教育の一環だったなんて…。

 

 

三重県桑名市「こども園」の虐待②

三重県桑名市「こども園」の虐待③

三重県桑名市「こども園」の虐待④

三重県桑名市「こども園」の虐待⑤

三重県桑名市「こども園」の虐待⑥
 

三重県桑名市「こども園」の虐待⑦