桑名市が三重県に報告書を提出し、

問題行為が常態化していたと判断されれば、県は
「認定こども園法に基づく特別監査を検討する」
とされている。

厚労省の社会福祉法人に対する指導監査では「一般監査」と「特別監査」がある。

「一般監査」とは、
すべての社会福祉法人に対して定期的に実施する指導監査で、
1年に1回実施することを原則としているが、

特に大きな問題が認められない優良な社会福祉法人については

3年に1回とされている。

「特別監査」とは、重大な問題が認められた社会福祉法人や

不祥事の発生した社会福祉法人に対して、

改善が図られるまで継続して特別監査が実施され、
「改善命令」「業務停止命令」「解散命令」といった行政処分もある。

社会福祉法(昭和26年法律第45号)抜粋
(監督)
第五十六条
4 所轄庁は、社会福祉法人が、法令、法令に基づいてする行政庁の処分

  若しくは定款に違反し、又はその運営が著しく適正を欠くと認めるときは、

  当該社会福祉法人に対し、期限を定めて、

  その改善のために必要な措置(役員の解職を除く。)をとるべき旨を

  勧告することができる。
5 所轄庁は、前項の規定による勧告をした場合において、

  当該勧告を受けた社会福祉法人が同項の期限内にこれに従わなかつたときは、

  その旨を公表することができる。
6 所轄庁は、第四項の規定による勧告を受けた社会福祉法人が、

  正当な理由がないのに当該勧告に係る措置をとらなかつたときは、

  当該社会福祉法人に対し、期限を定めて、

  当該勧告に係る措置をとるべき旨を命ずることができる。

遅くとも2009年ごろから不適切保育が常態化していた桑名市の認定こども園が

「特別監査」になるのは当然としても、
認定こども園にすべての責任を押し付けるのではなく、
「保護者が繰り返し不適切保育を市に相談していた」
にもかかわらず、
桑名市が「私立園だから」という理由で

歴代担当者が真摯に対応してこなかったのも重大な不手際であり
こんな怠慢は絶対に看過すべきではない。

保護者からの切実な相談を約14年も聞き入れなかった
桑名市の担当部署にも「特別監査」級のペナルティが必要なはずだ。

ジャニーズの性加害問題で会社側は第三者委員会設置を避け
「死人に口なし」「人の噂も七十五日」とうやむやのまま

早期幕引きを図ろうと懸命だが、
今回の桑名市の「こども園」不適切保育問題も目先だけの解決を急げば、
ジャニーズや桑名市は今後も同様なことが起きるはずだ。

膿を出し尽くし信頼回復に取り組むべきだろうが、
公務員が国民・住民に対して損害を与えたとき、

その公務員は原則として責任を負わない。

なぜなら、国家賠償法という法律によって、

国や公共団体が責任を負うことになっている(国家賠償法1条1項)のだ。

それに今回の損害は「モノ」ではなく園児の「心」だけに

責任の負わせ方も難しい。

約14年にわたる子ども未来部の保育担当者に、
もし過失責任を問うような場面があるなら、
この期間に就任している現市長はさらなる責任を負わないといけない。

となると、市長は責任を取りたくないはずだから、お決まりの
「今後、二度とこのようなことがないように…」
という心に響かない謝罪をして、歴代の保育担当の責任も問われず
やむやになるものと思われる。


「社会福祉法人花園福祉会 長寿認定こども園」
のHPは
「ただいま大変混み合っています。
 ただいまアクセス集中により、ページが表示しづらい状況となっております。
 システムトラブルを防ぐため、サイトへの接続可能数を制限しています。
 しばらく時間を置いてから、再度お試しください。
 ※混雑していると、この画面が繰り返し表示されることがあります」

と表示されているが、まれに閲覧できるの?

なぜ「こども園」のHPを見たいかというと「理念」が何かを知りたいから。

一般に、大きな会社の立派な社長室の壁には

「企業理念」とかが額に入れられて飾られている。


「企業理念」は創業者の経営哲学だけど、

経営者が代替わりしたり利益至上主義の執行役員が実権を握ると
顧客満足(CS)を軽視して顧客の信頼を裏切ることがある。

食品偽装では不二家や三重県伊勢名物の赤福餅、大阪の老舗料亭・船場吉兆…。

「こども園」の理念って?

なので、以下で調べてみた。
三重県社会福祉法人地域公益活動 みえ福祉の「わ」創造事業運営委員会みえ福祉の「わ」創造事業

『みえ福祉の「わ」創造事業』について(pdf)

参画団体一覧(北勢地区)
社会福祉法人 花園福祉会

このページの一番下に
「法人情報」
という表があり、
その下に
「URL https://www.chojuen.org/」
がある。


これを開くと
「長寿苑」
のHPになる。

「社会福祉法人 花園福祉会」
「花園福祉会」が「長寿苑」と「こども園」の経営母体なのだ。

上部中央の「長寿苑について」
を開くと
「法人概要・沿革」
があり、ここには以下のように書かれている。


法人名    社会福祉法人 花園福祉会
職員数    120名(2020年4月現在)
事業内容    特別養護老人ホーム長寿苑
地域密着型介護老人福祉施設長寿苑
ショートステイ長寿苑
デイサービス長寿苑
居宅介護支援事業所長寿苑
長寿苑カフェ
長寿認定こども園


昭和37年(1962年)12月   

 地域住民の声を受け、県より設立認可を受け、

故加藤光道が定員60名の私立長寿保育園を開設する。
平成30年(2018年)7月   

 長寿保育園園舎の建替えにあたり認定こども園に移行し、

長寿認定こども園を開設する。

上部中央の「長寿苑について」
を開くと「ご挨拶」があった。


地域に根づいた福祉サービスを提供します。
花園福祉会は、介護・子育ての総合的なサービスを提供している社会福祉法人です。1962年に地域住民の声を受け、定員60名の認可保育園を開設したのを始まりに、

桑名市で初の特別養護老人ホームや認定こども園の開設など、

桑名市でも50年を超える歴史を持ちます。
時代やニーズに合わせて、様々な施設やサービスを展開してきましたが、

これらのサービスの連携や質を高め、

住み慣れた地域で安心して暮らし続けられるよう取り組んでいます。
具体的に長寿苑では、実際介護が必要となった際の

「居宅介護支援事業所」をはじめ、

介護状態やご家族の意向に合わせて選べる施設、

サービスの提供を行っています。

「デイサービス」、「ショートステイ」といった在宅サービス、

「従来型特養」、「ユニット型特養」といった施設サービスが、

併設した建物内にあるため、スタッフのスムーズな連携、

顔なじみによる信頼関係の構築など、

ご利用者様やご家族様が安心して最適なサービスを選択できる体制を

構築しています。

また、近隣地域にお住まいの方を対象に「長寿苑カフェ」を開催し、

健康維持のための運動や管理栄養士考案の健康ランチの提供など、

安心して住み慣れた自宅で健康に過ごせるよう、

在宅支援体制の充実も図っています。

その下に
「長寿苑 理念」

がある。


心身一如
「こころ」と「からだ」は一つ。
このことを気づくのに、人はずいぶん時間がかかります。
からだの成長が心に追いつかない青春期、
こころの求めにからだが応じられない中年期。
そして、老いて初めて一つになる「こころ」と「からだ」。
豊かな表情がそのまま健康へとつながり、
からだを動かすことがそのまま明るい笑顔となる。
「この心身一如のときを共に素敵に生きること」を
長寿苑の理念としています。


おそらく「こども園」の理念も同様と思われる。

理念の中に「心身一如(しんしんいちにょ)」という言葉が出てきた。

これは鎌倉時代に曹洞宗を開いた道元禅師が「正法眼蔵」で説いた言葉で

「東洋医学」の基本的理念。

「ホジュン-宮廷医官への道-」という韓ドラがあり年に数回BSで放映されるが、
主人公の心医・許浚(ホ・ジュン)が、中国の古今の医書を再編集しつつ、

朝鮮独自の医学も盛り込まれた医学百科事典のような

「東医宝鑑」を編纂するまでの偉人伝だけど、
このドラマでも何度も「心身一如」が出てくる。

西洋医学では、「心と体は別のもの」と考えられ発展してきたが、
東洋医学では「こころと身体はひとつ」という概念。

東洋医学では「病は気から」という言葉があるように、

心と体は密接につながっていて、
例えば怒りやストレスなどがあると、無意識に身体の力が入りやすくなり、

ちょっとした刺激にも過剰に反応する。


この状態が長期間続くと、自律神経のバランスが崩れ、

身体がだるい・疲れが取れない・なんとなくやる気が出ないといった

身体の不調を引き越し、それが心にも影響してしまう、
「心の不調が身体の症状に影響したり、身体の症状が心の不調を招いたりする」
という考え方に基づいた治療で発展してきた。

立派な理念は「絵に描いた餅」ではなく実践してこそ意味があるのだが…。


幼少期で最も大きな変化が起こるのは2歳から3歳の間。

2歳から3歳までの間に、赤ちゃんだった子どもは幼児にまで成長するが、
幼少期に負った心の傷は大人になっても消えない。

多くの保育士は真剣に子どもたちに寄り添い向き合っているが、
不適切保育の問題は、こうした保育士たちも傷つけているのだ。

市と保育園、保護者が連携した情報共有できる仕組み、

安全・安心の保育体制の構築を整えなければならない。

政府はおざなりの「次元の異なる少子化対策」を掲げているが、
子どもを安心して預けられない、子どもの未来も明るくないようでは、

その効果はおぼつかないに決まっている。



三重県桑名市「こども園」の虐待…。

三重県桑名市「こども園」の虐待②

三重県桑名市「こども園」の虐待③

 

三重県桑名市「こども園」の虐待⑤

三重県桑名市「こども園」の虐待⑥

三重県桑名市「こども園」の虐待⑦