一昨日5月30日(火曜)23時放送の「news zero」
(日テレ系、東海三県は中京テレビ、有働由美子キャスター)で
桑名市の不適切保育があった認定こども園について市長による会見が報道された。

市長は
「市は過去にも(こども園で)不適切がなかったか、

 保護者を対象に追加調査を実施する」
と発表。

市はこれまで、当時の園長と保育者に聞き取り調査を行っていた。
再度「保護者を対象にアンケート調査を実施する」というのだが、
これは市長の考えではない。

こども園の保護者会から要望書が出され突き上げられたからだ。

中京TVの取材(5月30日番組内)
「不適切保育が10年以上続いていた可能性がわかっているが、
 先週の保護者会で市へのさらなる追加調査を要望した」

市長は
「調査対象は園児の保護者と過去に通園の保護者、今後元職員にも拡大予定」
というが、
「迅速に対応し、市内の園で二度とこういう事態が生じないよう対策を講じ、
 安全で安心できる保育体制を確保していく」
と5月9日の会見で自身が言ってた市長としては動きが鈍いよね。


一昨日5月30日の市長の会見では
「市が過去14年以上保護者からの不適切保育に関する相談を

 見過ごしてきたことについて」
の言及はまったく無かった。

この点について、

記者の追及や吊し上げを食らう可能性を怖れていたからこそ、
会見での市長の顔はこわばっていたのだ。

取材記者は御用記者であってはならない。
記者は忖度せず、疑問があれば堂々と質問すべきだ。

伊藤徳宇(なるたか)現市長は3期目、

2012年12月に市長に就任し今年で11年目になる。

問題こども園では少なくとも14年前から不適切保育があったといわれている。


当時から保護者は市に不適切保育の相談をしながら

市は「私立園だから」という理由で、

今年の3月まで切実な思いで相談しようとした保護者たちの気持ちを踏みにじり

門前払いにし続けていたのだ。


不適切保育が明るみに出たきっかけは、

虐待や不適切な保育が疑われた証拠をつかむため、
3月に保護者がカバンに入れたボイスレコーダー。


録音データには、「窓から放り出されて爆泣き」「目の前で最高」などの
保育士の会話が記録されていたことで、

こども園がようやく不適切保育を認めたのだ。

市長が就任以来、在任期間中ずっと不適切保育が放任されていたことになる。

ある意味、市の無責任さは問題こども園の不適切保育を

「幇助(ほうじょ)」したといえよう。


当初、市は保護者から提供された問題の音声を

聞くことを拒んだのだからあまりにも無責任すぎる。

桑名市の令和5年当初予算概要では、
民生費に
「私立保育園運営費補助金 1億7065万9千円」
と予算化されているのだから
「私立園だから、まずこども園に相談して善処すべし」
「こども園側が不適切保育を認めてないので、指導できない」
と言うのは怠け癖の公務員の詭弁なのだ。

約4時間にわたり給食を食べきるよう強要され、トイレにも行かせてもらえず
おしっこを垂れ流して泣く園児を罵倒する保育士。


この園児はその後腹部にじんましんが出ていたが、

心のケアとかその後どうなったのだろう?

5月9日(火曜)の市の会見では、
①臨床心理士を毎週金曜日に派遣して園児の心理的ケアにあたっている
②第三者による委員会で再発防止策などを検討する方針

と発表していたが、
5月30日(火曜)の市長の会見では、この2点についての言及はなかった。

臨床心理士を毎週金曜日に問題こども園に派遣してるらしいけど、

まだ行われているの?
過去14年の当時の被害園児の心理的ケア、

うつ病になっている子もいる可能性がある。
その治療や補償については問題こども園は当然としても、

ある意味共犯の市はどう対応するの?
第三者委員会はいつ設置されるの?

市長も問題だけど、取材記者も…。
メディアは大本営発表を鵜呑みにしてはいけない。


安倍政権でのメディアへの圧力以降、

どうも政治とメディアの距離が一体化してるようで薄気味悪い。


「これまで知ることがなかった現実、ときに隠蔽されがちな問題を

 問題だと可視化し、社会に訴える活動」
をジャーナリズムというのだけど、

今の日本にはジャーナリズムは存在しないの?

問題こども園では過去どんなことがあったのか?
市内の公立、私立の区別なくすべての保育園で

過去から現在までの不適切保育の有無は?
市が保護者からの相談を「私立園だから」と門前払いし続けた、

歴代担当の怠慢に対する責任は?
約14年にも及ぶ無責任な怠慢は
「今後はこのようなことがないように…」
というお決まりの謝罪だけでは済まされない。

この際、膿はすべて出すべきだ。
そのうえで、今後市内の保育園で不適切保育がないような対策は当然としても
保護者が安心して子どもを預けられる保育園、
市と保育園、保護者の連携システムを全国に先駆けて構築し
「子育てなら桑名市が安心」
と言わしめるような政策を創り出してほしいものだ。

「1件の重大な事故・災害の背後には、29件の軽微な事故・災害があり、
その背景には300件の異常がある」
というのがハインリッヒの法則(=ヒヤリハットの法則)だけど、
それをどう活かすかを考えるべき。

市は「保育」だけでなく、市のすべての部署の相談窓口で

「門前払い」「たらい回し」が過去あったのかどうか、
あったのなら今後二度とないように
「桑名市は市民からの相談を絶対に門前払い、たらい回ししない」
と市長が高々と宣言し、

その精神を市の職員で本気で共有すればいいだけのことだ。

市長は市民の好感度ポイントを上げ、

一期でも長く市長を続けたいのだろうけど、
市長選挙はAKB選抜総選挙みたいな人気投票ではない。
「住み続けたいまち」
「住み心地の良いまち」
「弱者が住みやすいまち」
を創り出すのが職務であって、市長は八方美人である必要はない。

都合の悪いことや醜聞が他に漏れないように、一時しのぎの方法で隠すことを
「臭い物に蓋をする」
というが、
(「怖いモノには蓋をしろ」というサスペンスホラーゲームもある)
「迅速に対応し、市内の園で二度とこういう事態が生じないよう対策を講じ、
 安全で安心できる保育体制を確保していく」
と市長は自分で言ったくせに、
実態はそれとほど遠い、亀のような鈍い動きで
「第三者による委員会で再発防止策などを検討する」
のはいったいいつのこと?

歯切れの悪い市長は早期幕引きを図ろうと懸命だが、
ジャニーズのジャニーズの性加害問題での会社側の煮え切らない対応と重なる。

ジャニーズのナメきった再発防止策で「逃げ切り」許すテレビ・新聞の重罪DIAMOND online

桑名市もジャニーズも
「第三者委員会設置を避けたい」
「危機の認識がない」
「危機管理の緩さ」
が共通している。

毎夏恒例の感動押し売り偽善番組

「24時間テレビ 愛は地球を救う(日本テレビ系)]

の放送まで3カ月を切った。
今年は8月26~27日に放送される。


例年、番組のメインパーソナリティーには

ジャニーズ事務所所属のタレントが起用され、

今年は「なにわ男子」が決定されている。

ジャニーズタレントをテレビで観るたびに
「この子は性的犠牲者なのかな?」
と色眼鏡で観てしまうが、
会社側が本気で性加害問題に取り組まないのは
視聴者側だけでなくジャーニーズタレント、会社側にとっても

みんなが不幸なことだと思うけどね。

 

近江商人が掲げていた教訓「三方良し」にするには、

「膿を出し尽くして新たな対策を講じての再出発」

であって、東山紀之の社名変更説なんかナンセンスなんだよ。

 

 

 

三重県桑名市「こども園」の虐待…。

三重県桑名市「こども園」の虐待②

三重県桑名市「こども園」の虐待③

三重県桑名市「こども園」の虐待④

 

三重県桑名市「こども園」の虐待⑤

 

三重県桑名市「こども園」の虐待⑦