三重県桑名市の認定こども園で

保育士が園児に給食の強要などの不適切な保育があり、

桑名市の聞き取り調査結果をマスコミが報じたが、
5月15日(月曜)23時放送の「news zero」

(日テレ系、東海三県は中京テレビ、有働由美子キャスター)が

番組独自の取材をして、新たな視点が見い出された。



おさらいとして、GW連休明けの5月9日(火曜)に

桑名市が報じた内容を要約しておくと、
①ことし2月から3月にかけて、2歳から3歳児のクラスで、

 給食を食べ終えることができずぐずっていた園児1人に対し、

 保育士が午前11時半から4時間にわたって食べることを強要した上、

 園児はトイレにも行けず失禁した。

②3月に園児への虐待行為があったと保護者から市に相談があり発覚した。
③ほかの園児に対しても決まった時間以外にトイレに行かせなかったり、

 給食を食べるよう強要したり、園児の足を引っ張ったりする不適切保育が

 あったと確認した。
④日本語がわからない外国人の園児に

 執拗に強い口調でしつこく指示したりすることもあり、

 虐待が疑われる不適切な行為が複数確認された。
⑤こども園は4月の保護者会で「不適切な保育があった」と認めて謝罪し

 園長が辞任した。
⑥虐待が疑われる事案に関わったとして保育士ら6人は自宅待機中。
⑦桑名市は臨床心理士を毎週金曜日に派遣して園児の心理的ケアにあたっている。
⑧桑名市は他にも不適切な保育がなかったか調べ、

 過去の不適切保育の有無も含めて5月中旬にも詳細結果をまとめ、

 県にし、監査など今後の対応を協議する方針を明らかにした。
⑨市長は記者会見で

 「迅速に対応し、市内の園で二度とこういう事態が生じないよう対策を講じ、

 安全で安心できる保育体制を確保していく」

 と話した。
⑩桑名市は第三者による委員会で再発防止策などを検討する方針。
⑪電話0594(24)1228とWebで

 保育園での虐待などについての相談を受け付け、保育支援室が対応する。
 園児の保護者や勤務している職員だけでなく、

 卒園後の子どもの保護者や退職した職員からの通報も想定。

 具体的な対応につなげるため、相談者には

 実名を名乗ってもらうことを原則とする。


以下は「news zero」での報道。
市によると保育士は、3歳の子どもに、

約4時間にわたり給食を食べきるよう強要し、

トイレにも行かせなかったということです。

事態が明るみに出たきっかけは、虐待や不適切な保育が疑われたため、

保護者がカバンに入れたボイスレコーダー。


録音データには、「窓から放り出されて爆泣き」「目の前で最高」との

保育士の会話も記録されていました。

この子どもの母親によると、じんましんが出るほど

思い出したくない経験だといいます。


ただ、“不適切保育”をしていた先生について、母親が子どもに尋ねると、

「好きだよ」と答えたといいます。

子どもの母親
「そんなことされて“先生のこと好き”ってどうして言うの?って聞いたら、

 子どもは『僕が悪かった』って言うんですよ」

以下は「news zero」内の動画から
給食を強要された3歳の園児(男児)は「仮名Kくん」とされ、

腹部にじんましんが出るほど思い出したくない経験だと。


母親
「恐怖とストレスで支配されていたと思うので、

 それ(じんましん)が体にでてしまう」


園内の録音
保育士
「うわ!おしっこ漏らした!そのお尻で座らんといて!

 パンツやなくてオムツや、恥ずかし~」


Kくん
「うわ~ん(泣き声)」


保育士
「お給食、早く食べて!

 お片付けも早くしたらこんなことにならんかったでしょう!」


この後4時間も 強要し おしっこを漏らしてしまう


保育士
「すっぽんぽんや、恥ずかしい!おちんちん丸見えやわ!」


Kくん
「うわ~ん(泣き声)」


保育士
「赤ちゃんみたいやな!先生が泣きたいわ、え~ん え~ん」」

発覚したのは今年の2月、同じクラスの保護者が気づいた子供の異変。

別の園児の保護者
「ある日(娘が)保育園から帰って来た時に

 ぬいぐるみをバーンっと思いっきり足を引っ張って投げたんですね。
 いきなり泣きながら

 『何々先生が何々くんをこうやってやるんだよ、と言って泣いたので、

  もうびっくりしかなくて』
 一部の保育士に相談すると虐待・不適切な保育が疑われたため

 娘のカバンにボイスレーダーを入れたところ事態が明るみに。

録音データには、保育士のこんな会話も
保育士
「(Kくん)窓から放り出されて爆泣き!目の前で、最高!」

Kくんの母親
「私は犯罪だと思います。

 こんな小さい子どもたちを怖がらせて泣かせていじめて、

 それで笑って「最高」とか言ってるのは本当に悪質だなって思いましたし、
 自分も頭に血が上って、もうホントに毎日考えると夜も寝られないし、

 もう怒りと悲しみでグチャグチャな状態」

Kくんが母親に口にしたのは自分を責めるような言葉だった。


Kくんの母親
「『〇〇先生ってどう思う?』って聞いたんです、子どもに。

 そうしたら子どもは『好きだよ』って言うんですよ。
『そんなことされて先生のこと好きってどうして言うの?』って聞いたら、

 子どもは『ぼくが悪かったの』って言うんですよ。
『ぼくが悪いことをしたからごめんなさい』って言うんですよ。

 こんな小さい子にそんなこと言わせるなんて本当にひどいなって思いますし…」

さらに、被害はKくん以外の他の園児にも及んでいて、

複数の保育士たちが度を超えた強い口調で接していたとみられている。


先月(4月)28日(金曜、GW前の最後の平日)、

市も立ち会う中、保護者らが呼びかける形で行われた説明会が実施された。


園長(当時、女性)
「このたびは不適切な保育があり、保護者の皆様・子どもたちの信頼を裏切り、

 心を傷つけてしまったことお詫びしきれることではないですが、

 大変申し訳ありませんでした」
と謝罪。

園長は今月(5月)7日付で辞任した。

市の「こども園」での聞き取り調査に対し、

こども園は「給食の強要」などがあったことを認め、

関わった保育士6人は自宅待機や担任を外れるなどの処分を受けている

一方、保護者から提供された問題の音声を聞くことを拒んだという桑名市は、

相談が寄せられてから約2か月後、
桑名市長が
「第三者による調査委員会は近日中に設置し再発防止につなげたい」
などとコメント
市は虐待に当たるかどうかを調査していて、今週中にも結果をまとめ県に報告するとしている。



驚きの事実は、こども園の保護者が市に相談しても

担当者が園内のボースレコーダーの音声を聞くことを拒んでいたこと。


相談や通報があった時点で市が早期に問題解決に動いていれば、

園児や保護者たちの苦しみは少しでも減らせた可能性があったはずだが、
担当は行政の得意技「たらい回し」作戦で

「まずこども園に相談して善処すべし」

と保護者を門前払いにした可能性がある。
行政の「責任回避」は、お役所の十八番(おはこ)、伝統芸なのだ。

これが一変したのは、保護者が警察に相談した可能性が考えられる。
警察から市の担当に連絡が入ったことで

市の担当が仰天して飛び起きた可能性が高いと思う。

 

警察が介入すると記者クラブから新聞沙汰になる可能性が高い。


私の集落で犬散歩中に犬を放す人が複数人いる。しかも猟犬を。


犬は飼い主には忠実であっても、犬が怪しいと感じる人には威嚇するし、

犬を放していれば襲いかかることだってあり得る。


狭い田舎社会では複雑怪奇な人脈網があり直接注意をしにくい環境下にある。
そのため私は市に「犬を放す人がいて危険」と相談。


市の担当は

「その人(犬を放す人)は消防訓練で会うのでそれとなく話しておく」

と。


その翌日以降も、毎日犬が放されるし、

障害者のリハビリで歩行訓練をする人もいるから危険なので翌週再度市に電話。


担当は

「まだその人に会っていないので話していない」

と。


それで私が警察に相談。
警察官は

「パトロールで犬を放しているのを見かけたら注意をするが、

 警察は何かないと動けないので市に連絡しておく」

と。


その10分後に市の担当から電話があり、

別人のように驚くほどテキパキとやる気が出て真摯に対応してくれた。


行政は

「できれば動きたくない、責任も問われたくない、

 面倒に巻き込まれるのはイヤだ」

という主義だけど、
警察から連絡があり、相談に乗らなかった案件が大きなトラブルになった時、

責任を問われることを憂慮して慌てたわけだ。


今回のこども園の保護者も、市に相談してもラチがあかず

「虐待」という問題なので保護者が警察に相談したんじゃないかと思う。


桑名市への保護者からの相談は、おそらく何度もあったはずだ。
この初動対応ミスは市の責任といえる。

虐待といえる時期が「2~3月」と発表されていたのは、
2月頃からこども園で虐待は常態化していて

子どもの異変で親が不適切保育を疑い、こども園や市に相談したが

具体的な証拠がなく相手にされなかった可能性が高い。


3月には親がボイスレコーダーを子どものカバンに仕込ませ証拠が得られた。


そのため「3月に不適切保育があった」とされているのだと思う。


具体的音声データがあっても市の担当は門前払いをしていたのだから

呆れるばかりだ。

2020年には社会福祉法も改正、

住民一人一人の生きがいと暮らしを地域と共に創っていく
「地域共生社会」を目指そうと
「高齢者と子育て世代、障害のある方などの属性や世代で分けない取り組みが

 自治体主導で推進されていく」
と改正されたはずだが…。

また、昨年(2022年 令和4年)6月には

改正児童福祉法が成立しているのだが…。

2月頃にはすでにあったと思われる不適切保育が3月の音声データ証拠を元に、
市はようやく重い腰を上げ、5月連休前の4月28日(金曜)に

保護者説明会が行われたが、これはこども園でも市の主催でもなく、

保護者らが呼びかける形で行われた説明会であり、

市はオブザーバーとしての参加。

これも驚きだよね。

この席上で当時の園長が「5月7日に辞任」することを保護者に伝えた。

形式は「責任を取って辞める引責辞任」だが、実態は「逃亡」で無責任すぎる。


こども園は子どもの「命」を預かり、

子どもの健やかな育ちを支えるための役割を担っているはずだ。


園長はこども園の運営だけでなく、保育士の監督・指導の責任があり、
2月、3月に不適切保育があったことも見て見ぬふり、
保護者からの相談にも波風が立たないよう

無難に事なかれ主義で乗り越えようとしていたが、
ついにトラブルを抱えられなくなり、

保護者の要請で説明会を実施せざるを得なかったのだ。

「虐待」で警察が動いていないとしても、相談での対応はするので、
警察から市やこども園に「虐待の有無」などについて連絡はあったはずだし、
市も乗り出してきて、おまけにマスコミ報道の可能性もあり、
園長は怖くなり説明会で連休明けの辞任を保護者に告げたのだと思う。

「責任を取って辞める」というのは一見カッコ良く感じるが、
責任ある役職や、重要案件の担当者であればあるほど、

また優秀な人であればある人ほど、退職までの引き継ぎ期間は十分に設けて、
後任への配慮をすべきだと思う。

何も対応せずに後任がいないまま強引に無責任に辞めるのは、
「今起きている問題から私は逃げるので後はどうぞ勝手にやってください」

と言っているのと同じ。

部下だった6人の該当保育士に罪をなすりつけ、こども園に残されたスタッフは

外部からひたすら無能で無責任で迷惑な人間として記憶され続ける。


「引責辞任」は数多くの関係者に迷惑をかける「最低な辞め方」なのだ。

園長が辞めたところで問題が終息することもないし、損失が埋まることもない。

この虐待問題の最高責任者として問題解決に奔走し、

その処置が終わり、次の後任に再建を託してから辞めるべきだったと思う。

 

 

三重県桑名市「こども園」の虐待…。

 

三重県桑名市「こども園」の虐待③

三重県桑名市「こども園」の虐待④

三重県桑名市「こども園」の虐待⑤

三重県桑名市「こども園」の虐待⑥
 

三重県桑名市「こども園」の虐待⑦