桑名市の認定こども園で不適切保育が明るみに出たきっかけは、
保護者が虐待や不適切な保育が疑われた具体的かつ決定的な証拠をつかむために、
今年の3月に保護者が子どものカバンに入れたボイスレコーダーだった。

録音データには、「窓から放り出されて爆泣き」「目の前で最高」などの
保育士の会話が記録されていたことで、
こども園がようやく不適切保育を認めたのだ。

現市長は3期目になる。
2012年12月に市長に就任し今年で11年目になるが、
市は少なくとも14年前から、保護者が不適切保育についての相談を

担当が「私立園だから」と門前払いを続けてきた。
(CBCテレビ「チャント!」は、かつて問題の園で働いていた保育士を取材し

 「不適切保育は15年以上前からあった」と聞き出している)

市長が就任以来、在任期間中ずっと不適切保育が放任されていたことになるのだ。

ある意味、市の無責任さは、問題こども園の不適切保育を
「幇助(ほうじょ)」「助長」したといえる。

3月に録音した問題のボイスレコーダーを、
保護者は市の担当に聴いてもらおうとしたが、
当初、市は
「問題の音声データを聴くのを拒んだ」
というのだから、

「無責任」を通り越して認定こども園と市はグル、共犯と言われても

過言ではないのだ。

不適切保育発覚後の市の動きは、その後及び腰で保身に懸命だし、
認定こども園側は早期幕引きを図りたい。
要するに、市とこども園は共に膿を出し尽くしたくないのだ。

保護者は膿を出し尽くした上で
「今後どう改善して信頼を回復させていくか」
を望んでいるのに、大きく乖離(かいり)したまま。

こうした中で、一昨日6月25日(日曜)認定こども園で保護者説明会が行われた。
これは6月20日、子ども園から保護者に配布された園の

「調査報告書」に基づいて

行われたもの。

市は5月の聞き取り調査で
「この子ども園で保育士が園児に給食を強要するなど6つの不適切保育があった
と公表していたが、今回の調査報告書では
「虐待10件と不適切保育18件(合計28件)が確認された」
というのだ。
(市のいいかげんな聞き取り調査結果も驚きだけど)

出席した保護者は
「他にも明るみに出ていない虐待が複数ある。
 すでに卒園した園児のケアもどう進めていくのか十分な説明がなかった」

と訴えている。

園の保育士たちにはおそらく厳しい箝口(かんこう)令が敷かれているに違いない。
保育士たちからメディアや保護者に
「実はこういうことがあった」
というような話が一切出てこないからだ。

なので、保護者からすると保育士たちも
「この人たちに保育を任せて大丈夫なのか?」
という不安や疑念があり、
保育士たちからすると、保護者から白い目で見られることは苦痛なはずだ。

「膿をすべて出し尽くして再出発する」
という覚悟がないと、

また同様な不適切保育や市の門前払いが起こるに決まっている。

反省してるフリをするだけなら猿でも出来るのだ。


「1件の重大な事故・災害の背後には、29件の軽微な事故・災害があり、
その背景には300件の異常がある」

というのがハインリッヒの法則(=ヒヤリハットの法則)だけど、
まずこれを取り入れればいいだけでしょ?

若い保育士は先輩の不適切保育に対して

「見て見ぬフリをしない」ようにすればいいんじゃないの?


市は市民の相談を門前払い、たらい回しさせないこと。

それらは難しいことかな?



愛知県内の保育施設では園内に防犯カメラを複数設置して、
保護者がいつでもスマホやパソコンなどで保育状況が見られるような

取り組みを始めている園があるらしい。

もちろん、これで不適切保育が無くなるかどうかはわからない。
防犯カメラは犯行の「証拠」であり、

カメラ自体は不適切保育の「抑止」効力でしかないからだ。

防犯カメラ設置は、保育士からすると「監視」されているようで

歓迎ではないと思うけど、
保護者が安心して子どもを預けられ、
保育士も子どもに寄り添った保育を見てもらえるのであるなら、
保護者も保育園も安心で、信頼できる関係に成り得る可能性は高まるといえよう。

6月20日に子ども園から保護者に配布された園の調査報告書は、
園が依頼した弁護士による聞き取り調査結果だが、
これでも保護者は不信感を抱いている。

弁護士は園側の意向に沿った調査をしているはずだし、
保育士たちに箝口(かんこう)令を敷くための念書も弁護士が作成し、

園に取られているものと思われる。


また、報道は少ないが、市は第三者委員会をすでに設置している。


5月30日、市長は会見で
「桑名市の第三者による調査委員会を立ち上げることになっている。

 桑名市の保育所において、二度と不適切保育が起こらないよう

 しっかり取り組みを進めて参りたい」
と言い、
第三者委員会を設置した。

委員会のメンバーは、
①市教育委員会の委員長
②教育長
③弁護士
④保育士
など5人で構成されているらしいが、氏名の公表はない。

第三者委員会が独立性を保ち、

公平・中立・公正・客観的な調査を行うのかどうかは委員会のメンバーによる。

第三者委員会のメンバーを依頼するのは
「不祥事があった側」
というのが不信感がある。

不信感を出来る限り少なくするにはメンバーを明らかにする必要性はあるはずだ。

アメリカ大統領リンカーンは、
「人民の、人民による、人民のための政治」
と言ったが、
「市の、市による、市のための」
第三者委員会であるなら
怠慢な市を擁護し、膿は出し尽くさない可能性が高いと思われる。


6月2日(金曜)に市役所で第三者委員会の初会合があり、
「市の対応の検証や再発防止策などを検討するほか、

 保護者へのアンケート調査を行う」
と発表。

6月16日(金曜)に初めて問題の認定こども園の現地視察を行い、
「前の園長だった社会福祉法人の理事長や現在の園長、それに保育士や保護者に、

 約2時間にわたって、不適切な保育が起きた背景や

 当時の保育状況などについての、聞き取り調査を行った」
と発表された。

6/16(金)「アップ!(メーテレ=名古屋テレビ)」によると、
第三者委員会の委員長には弁護士飯田真也氏が選ばれ
「聞き取りで問題点がある程度わかってきた。

 園児にも関わるので、できる限りスピーディーに進めたい」
と語り、
「7月中にも、市の対応の検証や、再発防止策などについての報告書を

 とりまとめる予定」
というのだが、
6月25日(日曜)の認定こども園での保護者説明会では、
園が依頼した弁護士による調査報告書に基づき、
「虐待10件と不適切保育18件(合計28件)が確認された」
と報告され、保護者は
「他にも明るみに出ていない虐待が複数ある。
 すでに卒園した園児のケアもどう進めていくのか十分な説明がなかった」
と訴えているのだ。

なんか変じゃない?

市が依頼した第三者委員会のメンバーの会合は市役所内、
市のこども未来部の担当からの説明を受け、
おそらくその後は市長らと懇親会…。

調査結果の落としどころは、
「市は保護者の相談を無視すべきじゃなかった」
「今後は市民の相談を親身に受け入れるべき」

みたいな短文を入れ、
市長が
「このようなことが二度と起こらないように対応いたします」
という、お決まりのセリフで謝罪する流れになるはずだ。

時代劇で悪代官が悪徳商人と悪だくみの密談をしてるような光景が

目に浮かぶようでイヤな感じがする。

取材記者も市の広報や市長の会見をそのまま流すだけなら
わざわざ市役所まで出向かずにメールで受信すればいいんじゃないの?

東京新聞社の望月衣塑子(いそこ)記者のように
嫌がられるくらい問題点を鋭くえぐるべきじゃないの?


市議会議員の役割は
 「市民の声を市政に反映させること」
だけど、 市議会議員は何してるの?

岸田総理は当初、

「できるかぎり全国を回って国民の声を聞くことに注力する」

なんて言ってたけど、
実際には国民の声は一切無視を貫き通している。
市議も同様で市民より市役所職員に忖度してるの?

来月の第三者委員会の調査報告は、

なんだか期待薄みたいな感じがしてきて
不快感がある。



三重県桑名市「こども園」の虐待…。

三重県桑名市「こども園」の虐待②

三重県桑名市「こども園」の虐待③

三重県桑名市「こども園」の虐待④

三重県桑名市「こども園」の虐待⑤

三重県桑名市「こども園」の虐待⑥

三重県桑名市「こども園」の虐待⑦