琴葉茜は株式会社エーアイによるキャラクターで、テキスト読み上げソフト「VOICEROID+ 琴葉 茜・葵」のイメージキャラクターとして登場しました。

キャラクターデザインは吉田ヨシツギさんが担当しています。


琴葉茜と琴葉葵の声を担当しているのは、声優の榊原ゆいさんです。

榊原さんは声優だけでなく、シンガーソングライターであり、ダンス振付など多彩な才能を持つマルチタレントでもあります。

 

 


琴葉茜と琴葉葵は双子の姉妹であり、葵は標準語のイントネーションを使用する一方、茜は関西弁風のイントネーションでテキストを読み上げます。

VOICEROID版においては、「関西在住歴が長かったので関西弁が抜けない」と紹介されており、葵とは別々に住んでいたことが示唆されています。





株式会社エーアイによると、最初は関西弁のイントネーション技術を製品化するために「琴葉茜」が作られましたが、

関西弁だけでは使い勝手に制約があるため、標準語のバージョンも作成することになり、その結果、双子キャラクター「琴葉茜・葵」が誕生しました。


最初に企画されたのは「琴葉茜」であるため、茜が姉妹の姉である背後には、この開発経緯が影響していると考えられます。

 

 

 


琴葉茜は関西弁そのものを再現するわけではなく、関西弁らしいイントネーションのみが再現されています。

そのため、関西弁を完全に再現するには、ユーザーがテキストを関西弁で入力する必要があります。


一方で、標準語で入力しても、関西地方の人が話しているように聞こえることもあります。

関西弁のアクセントには地域差があるため、特定の地方の再現というよりも、一般的な「関西風」の話し方となっています。





琴葉茜のイントネーションは、関西地方だけでなく、北陸、中部、四国などの一部地域の方言にも応用できます。

琴葉茜の誕生日は4月25日です。彼女の趣味はおしゃべりで、特技は早口言葉とゲーム実況です。





VOICEROIDとしては珍しく、年齢情報は非公開となっています。

なお、琴葉姉妹の身長が158cmくらいという情報が存在しますが、これが公式設定かどうかはっきりしていません。


琴葉茜の好きな色はピンクと赤です。これは彼女のイメージカラーでもあります。また、和風のものが好きです。


性格は製品によって微妙に異なり、VOICEROIDでは「おっとりしていて、妹の葵曰く少し天然」、

A.I.VOICEでは「ちょっと天然」、A.I.VOICE Englishでは「ちょっと天然で元気な姉」と設定されています。





琴葉茜はエビフライが好物と言われていますが、これは二次創作による派生キャラクターの「セヤナー」からの逆輸入と思われます。

2015年末ごろ、Minecraftのプレイ実況動画において、茜を思わせる姿をしたスライムが登場しました。


このスライムはアカネスライムまたはセヤナーと呼ばれ、他の動画にも出演しています。

この名前は、セヤナーがほとんどの単語を「セヤナー」と発することに由来しています。

 

 

 


他にも「ヤデー」や「ウチナー」といったセリフのバリエーションがあります。

セヤナーの捕獲にはエビフライとバケツが必要であり、そのためエビフライが彼女の好物と考えられています。


 

 

 


「VOICEROID+ 琴葉 茜・葵」は2014年4月25日に発売されました。

従来のVOICEROIDとは異なり、株式会社エーアイが開発した「AITalk」というエンジンを使用しています。


この商品はVOICEROIDシリーズの企画・販売元である株式会社AHSではなく、株式会社エーアイ自体が企画から設定まで手がけた初のVOICEROIDです。

それまで株式会社エーアイは企業向けに音声合成技術を提供してきましたが、ここから一般向け商品も提供するようになりました。

 

 

 


VOICEROID2 琴葉 茜・葵は2017年6月9日に発売されました。VOICEROID2 結月ゆかりと同時のリリースでした。

このソフトウェアには、株式会社エーアイが開発した音声合成エンジン「AITalk4」が搭載されており、感情表現が可能です。


ユーザーは「喜び」「怒り」「悲しみ」のパラメーターを操作することで、感情に合わせた音声を生成できます。

このため、新規の音声収録も行われました。 また、VOICEROID2ではエディター方式が採用され、複数の音声データベースを一つのソフト上で操作できるようになりました。


 

 

 


「歌声合成ソフト Synthesizer V 琴葉 茜・葵」は2020年7月30日に発売されました。

Dreamtonicsが開発する歌声合成ソフトウェア「SynthesizerV」専用の歌声データベースです。株式会社AHSでSynthesizerVの取り扱いが始まった際に発売されました。


この歌声データベースを使用するには、「Synthesizer V Studio Basic」(無料版)または「Synthesizer V Studio Pro」(有料版)といったエディターソフトが必要です。

収録されている歌声データベースは1つの種類しかなく、姉妹で異なる歌い分けをする場合、ユーザー自身で調整を行う必要があります。

 

 

 


A.I.VOICE琴葉茜・葵は、株式会社エーアイのオリジナルブランド「A.I.VOICE」の、個人向け音声読上げ&ナレーション作成ソフトの第一弾として発表されました。


発売日は2021年2月22日です。このソフトは、音声合成エンジン「AITalk5」を搭載しており、琴葉茜・葵の2つのボイスに加え、

基本より幼いボイスである琴葉茜(蕾)と琴葉葵(蕾)のボイスが2つ収録されており、計4つのボイスが使用できます。


2021年12月10日には、英語版「A.I.VOICE Kotonoha Akane & Aoi English」が、2022年9月22日には中国語版「Kotonoha Talk」が発売されました。








2022年4月25日に、NEUTRINOに対応した歌唱用ソフトウェアがリリースされました。

「NEUTRINO 琴葉 茜・葵」は、SHACHI氏が開発したAI歌声合成ソフトウェア用の歌声ライブラリです。


このライブラリは「Synthesizer V」歌声データベースとは異なり、琴葉茜と琴葉葵それぞれが異なるライブラリを持ち、個々の個性が明確に表れています。

琴葉茜の歌声は元気でキュートで、パワフルな特徴を持っています。一方、琴葉葵の歌声はしっとりとした、ささやくような優しい特徴を持っています。
 

 



2022年5月17日には、ドワンゴの機械学習技術の開発・研究部門である「Dwango Media Village」が開発した、

声質変換技術「Seiren Voice」を利用したAIボイスチェンジャーが発売されました。


この技術は音声を「音素」「音の高さ」「発音タイミング」に分解し、それらのデータを基に目標とする人物の声をディープラーニングで再構築することで、

自分の声を琴葉茜・葵の声に変換することができます。 これにより、制作者の意図に沿った細かい音声表現が可能になります。