本感想23「青空の卵」 | それいけ ツナガー!!

本感想23「青空の卵」

通勤中はもっぱら読書...
読んだ本の感想、また読んだ上で
おにぎりの視点で表紙デザインを考えました!


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それいけ ツナガー!!


vol.23

青空の卵〈坂木 司 著〉
創元推理文庫


「青空の卵」の感想です。

僕は坂木司。 外資系の保険会社に勤めている。
比較的自由が効くこの会社に勤めているのには訳がある。
友人の鳥井真一は、引きこもりのプログラマーである。
彼は幼い頃、母親に捨てられ
父親は仕事優先で同じ時間を共有することなく育つ。
また一緒に暮らす祖母には、母親に対する憎しみを植え付けられ
クラスでも理不尽な暴力を受けていた。
それ以来、彼は僕以外には心を閉ざし引きこもっている。

そんな鳥井には驚くほどの観察眼と推理力がある。
僕は、鳥井に様々な謎解きを依頼し
人に出会うことにより外の世界へと導いていく。

4編+エピローグの構成です。
まずは、坂木と鳥井の何とも言えない関係を
受け入れられるか、否かで読み進める人とそうでない人がいます。
「男二人あぶない関係?」「何だこの二人...」と思うかもしれません。

謎も本格的な推理小説が好きな方には
少し物足りない感はあります。
本書解説にもあるように、謎の解明をする上で
引きこもりや人間的な成長をとげる
あくまで青春ストーリーというくくりです。

登場人物も個性豊かで、
読み進むうち孤独な鳥井に
次第に家族が増えていく感じがします。

おにぎり的に、一番印象的な坂木の一説です。
「小さな心配を置き去りにすることは
おせっかいを怒られるより何倍も後悔する。」
お年寄りに席をゆずる時、階段で荷物を持ってあげる時
「結構です」「年寄り扱いするな」と人によってはあるかもしれない。
でもそんな言葉を怖がって行動に出せずにいて
相手が踏み外したり、転んだりしたら、もっと気分が悪い...。
だから、おせっかいかもしれないけど
気になることがあれば首を突っ込んでいく。。。

すごく共感し、自分もこうでありたいと思いました。


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では読み終わったうえで
おにぎりが感じたイメージで
「青空の卵」の表紙をデザインしてみました!

それいけ ツナガー!!



































本書では卵に青空と....実に分かりやすい(安易?)
ここはおにぎりも卵をという気持ちをグッとこらえて。

鳥井が、唯一心を開いている坂木。
その感受性豊かな坂木が泣くと
鳥井はパニックに陥り、幼児のような言動に戻ってしまう。
読んでいて着実に二人は成長しているが
でも過程は氷の上をそろそろと危なげに歩いている感じを受けました。
そんな氷上の二人をイメージしデザインしました。


1冊目〈LAST/石田衣良 著〉
2冊目〈スパイラル・エイジ/新津きよみ 著〉
3冊目〈ジウⅠ・ジウⅡ・ジウⅢ/誉田哲也 著〉
4冊目〈無制限/渡辺容子 著〉
5冊目〈金のゆりかご/北川歩実 著〉
6冊目〈ブレイクスルー・トライアル/井園 旬 著〉
7冊目〈凍える牙/乃南アサ 著〉
8冊目〈逃亡作法/東山彰良 著〉
9冊目〈笑う警官/佐々木譲 著〉  
10冊目〈バージョンアップ/小泉すみれ 著〉
11冊目〈殺し屋シュウ/野沢尚 著〉
12冊目〈告白/湊かなえ 著〉
13冊目〈ジャンプ/佐藤正午 著〉  
14冊目〈転落/永嶋恵美 著〉
15冊目〈君に舞い降りる白/関口尚 著〉
16冊目〈サマータイム /佐藤多佳子 著〉
17冊目〈ビンゴ/西村健 著〉
18冊目〈ランドリー/森淳一 著〉
19冊目〈チョコレートゲーム/岡嶋二人 著〉
20冊名〈誘拐症候群/貫井徳郎 著〉
21冊目〈ストロベリーナイト/誉田哲也 著〉
22冊目〈ルアーに恋した日/喜多嶋隆 著〉