~Integration and Amplification~ クラシック音楽やその他のことなど

~Integration and Amplification~ クラシック音楽やその他のことなど

学生時代から断続的に聞いてきたクラシックCD。一言二言で印象を書き留めておきたい。その時の印象を大切に。
ということで始めました。
そして、好きな映画や読書なども時々付け加えて、新たな感動を求めていきたいと思います。

【CDについて】

作曲:ジョン・アダムズ

曲名:ショート・ライド・イン・ア・ファスト・マシーン(4:05)

   包帯係(19:19)

   悲歌的子守歌 op42 (作曲:ブゾーニ、編曲:アダムズ)(9:27)

   シェイカー・ループス(25:28)

演奏:オールソップ指揮、ボーンマス交響楽団、ガン(br)

録音:2003年6月10-11日 イギリス Lighthouse Poole Center for Arts

CD:8.559031(レーベル:NAXOS)

 

何か、ちょっと目新しい音楽を聴きたくて、中古CD店でNAXOSないかな?と思って探したところ、その店には1枚しかありませんでした。何かNAXOSを1枚買うというのが目的だったので、そのCDを買ってきました(笑)。


【曲の印象について】
ミニマル・ミュージックは、基本的に好きです。現代音楽の中ではとても楽しめる分野で、ずっと聴いていても、不思議と飽きません。
音楽は昔から、繰り返しをうまく使いながら時間の流れを作ってきました。「ボレロ」や、「パシフィック231」、「魔法使いの弟子」など、反復の印象が強い20世紀の作品などを思い浮かべると、その効果はよく分かります。ミニマル音楽には、そのような繰り返しの魅力のエッセンスが詰まっていると思います。

もう一つ、元々私はテクノポップが好きだったので、この音楽には自然に入ることができました。テクノポップ自体がミニマルの影響を受けていると言われますが、クラフトワークとか思い出すと、リズムやパターンの反復という点では、共通した感覚がありますね。という訳でミニマルは、いわゆる「現代音楽」という構えた感じではなくて、もっと身近なものに感じます。
 

ジョン・アダムスはアメリカの作曲家。東海岸で伝統的な音楽を学んだあと、西海岸を拠点に活動しました。アダムズは、ヨーロッパの伝統音楽を、アメリカのミニマルな語法と結び付け、新しい音楽を作り上げていったのだと思います。

 

このCDでは、冒頭に「ショート・ライド・イン・ア・ファスト・マシーン」が配置されています。この曲、いかにもオープニングに相応しい曲で、この曲を聴くと、さぁ楽しい時間が始まるよー、という感じがします。

最後が「シェイカー・ループス」で締められます。シェイカー教という宗教の祈りの印象から着想された曲とのことですが、いかにもミニマルらしい名曲。第一部の鋭角的なリズムで脳内をシェイクされ、第2部の静かな雰囲気の中で、空虚な空間に窓が軋んでいるような雰囲気がとても素晴らしいです。最後までインパクトのあるミニマル・ミュージックが展開し、精神的高揚を体感できるような名曲でした。

 

間に挟まれた2曲、「包帯係」と、ブゾーニの「悲歌的子守歌」の編曲は、一転して雰囲気が異なり、ヨーロッパの後期ロマン派以降の音楽を感じさせます。

「包帯係」は、南北戦争で傷ついた兵士の看護活動を行ったホイットマンの詩による作品で、現場で見た兵士の死と人間の尊厳を厳かに描いた作品です。
「悲歌的子守歌」はブゾーニの曲をアダムズが編曲したもの。静かな音のうねりを聴きながら、「バーバーのアダージョ」や、アイヴズの「答えのない質問」のような、時間が止まったような音楽を連想しました。この真ん中の2曲は、死のイメージもにじみ出る作品の中に、どこか20世紀の苦悩の中で、平穏を求めるような響きに感じました。

 

全体を通してみて、ジョン・アダムズは単なるミニマルの作曲家というだけではなく、ヨーロッパの伝統音楽を背景に持ちつつ、その中にアメリカの歴史や社会、文化が深く感じられて、大変面白いCDでした。

 

【演奏についての感想】

演奏しているオールソップは、NAXOSのアメリカ音楽シリーズの多くを担当しており、バーンスタインの薫陶を受けたアメリカの女性指揮者。アメリカの音楽にはとても造詣が深くて、まさに手の内の曲だと思います。

演奏はとても見通しがよく、適度な先鋭さを持つ、感情過多にならない、きっちりした演奏。特にシェイカー・ループスは原曲が弦楽七重奏の尖った曲であり、のちにアダムズによって弦楽合奏に編曲されたこの曲を演奏するにおいて、オールソップの明晰な演奏はとても合っていると思います。ジョン・アダムスを知る上でも、非常に良い演奏だったと思いました。

 

オールソップとBBC響による、「ショート・ライド・イン・ア・ファスト・マシーン」。ご機嫌です。

 

購入:2024/02/18、鑑賞:2026/02/19

 

過去記事のリンクです。

 

 

 

 

【CDについて】

作曲:マーラー

曲名:花の章(7:29)

   交響曲第1番ニ長調(57:17)

演奏:ラトル指揮、バーミンガム市交響楽団

録音:1991年12月16-19日(ライヴ) バーミンガム Symphony Hall

CD:CDC7 54647 2(レーベル:EMI、発売:EMI Records)

 

【曲について】 

マーラーの最初の交響曲にして、私もマーラー入門でよく聴いた曲。聴き慣れた曲ですので、安心して聴けます。

この曲の最終形の完成までに、マーラーは何度も演奏会で披露しながら改稿を重ねました。初期は「交響詩」として発表され、2部構成の5楽章で、「巨人」という標題も付けられていました。その時には、現状の4つの楽章以外に「花の章」と名付けられた楽章が入っていました。その後、改稿が重ねられ、最終的にはこの楽章は外され、標題も取り除き、純粋な交響曲として完成します。これは、第2番「復活」の初演よりも後の事となりました。

 

このCDには冒頭「花の章」が録音されています。「花の章」は本来第2楽章ですが、完成形の4つの楽章は、「花の章」が入っていた時とは細部が異なっていますので、間にはいれられませんね…。成立過程の資料として聴くこともできますが、最初に置いてあるということから、ラトルの解釈の一つの要素を窺うことができるのかもしれません。

 

【演奏についての感想】

この演奏を聴いて、印象としては今まで聴いたことの無い第1番だと思いました。冒頭からテンポはゆっくり、緩急も強弱も大きくという感じですが、それは巨匠的なうねりではなく、極めて現代的なスタイリッシュな緩急と感じられます。とても緻密に演奏されている印象で、それこそ音楽を舐めるように細部まで見て行くようです。

 

演奏時間は標準的なものですが、ゆっくり感じるのは、緩の部分がことさら丁寧に扱われているからだと思います。急の部分はスピードが上がりますが、全体として前へ前へという感じではありません。その瞬間に鳴っている音楽そのものを、丁寧に描いているような感じを受けました。

 

思えば、当時はオーケストラの実力を見せつけるような、迫力やうねりを前面に出す演奏が基本だったと思います。その中で、ラトルのこの演奏はインパクトがあったかもしれません。今でこそ、ハーディングのマーラーのように、室内楽的で密度の高い演奏も珍しくありませんが、今改めて当時を振り返りながら聴くと、確かに変化の時代があったと思い当たるとともに、それが今のマーラー演奏に繋がり、またラトルのその後の活躍に繋がっていく、一つの通過点であったのではと、改めて感じるのでした。

 

この演奏の音源です。

 

購入:2024/01/30、鑑賞:2026/02/11

 

過去記事のリンクです。

 

 

 

 

 

【CDについて】

作曲:マーラー

曲名:交響曲「大地の歌」(66:28)

演奏:バーンスタイン指揮、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団

   キング(T)、フィッシャー=ディースカウ(Br)

録音:1966年4月

CD:452 301-2(レーベル:DECCA、発売:THE DECCA RECORD)

 

【曲について】 

実は、この曲大の苦手でした。でも、レコードとしてはクラシックを聴き始めて、最初に買った10枚のレコードに入っているはずです。ベイヌム盤です。当時は高校生的に、完全に背伸びしていたと言えます。

 

この曲は、6楽章からなる、歌入り交響曲です。

第9番のジンクスを意識したマーラーが、番号無しとしたことで有名ですが、歌曲集的な性格もあり、番号なしでも頷ける一面もあります。

交響曲として見た場合、6つの楽章を全体構成の中でどう関連付けるかは、いろいろな考え方があるようですが、今回この曲を聴くうえでしっくり来たのが、4つの楽章と考える方法でした。

第1楽章は、重い導入の楽章。第2楽章は、暗い緩徐楽章。第3,4,5楽章をひとまとめと考え、スケルツォ的性格の楽章、第6楽章が終楽章で、30分以上あり、曲の半分を占める形です。起承転結という感じの4楽章構成になっているとも言えると思います。

曲の歌詞は、中国の古典の詩のフランス語訳を、ドイツの詩人ベートゲが自由にドイツ語に翻訳・編集した詩集「中国の笛」から、マーラー自身が更に適宜改変したもの。元の漢詩がはっきりしているものや、そうでないものもあるらしいです。当時のヨーロッパにおける東洋趣味もありますが、マーラー自身が死を感じる年ごろになってその不安の解決を、東洋思想に求めたかったという面もあるかもしれません。

 

【曲を聴いたところでの感想】

今まで苦手だったのは、まず音だけで音楽に馴染もうとしていたところもあったのでは?と思ったので、再度、歌詞もいろいろな対訳や元の詩を確認しました。

第1楽章は、酔っぱらいの詩。人生への絶望からの逃避と抵抗に酒を飲み尽くす男。人生は生も死も闇と歌います。

第2楽章は、秋の寂しい情景と、既に心に長く留まり続けた秋に、もう次に来るのは冬ばかりと嘆きます。

第3~5楽章は、それぞれ若さ、美しさ、春がテーマの明るく能天気な歌であるが、それぞれ風景をシンメトリーでみせたり、酔いつぶれて逃避したりと、逆にアイロニーを込めて扱っていたりもします。ただ、前楽章からの転であり、ある程度、現実離れの雰囲気を出して、天上の世界、あるいは仮想の夢の世界を感じさせています。

第6楽章は告別。夕暮れの樹下に佇み、友を待つ、そして長らく会わなかった友に、山の彼方へ、故郷へと帰って、来たるべき時を待って過ごすと告げます。都会での競争社会に疲れ、純粋に生きるために田舎に帰るともとれるし、山に入る大地に還るということを拡大して行けば、儚く短い人生から別れ、永遠の転生の世界に取り込まれていくという、大きな解釈もできるという形になります。

なるほど、素晴らしい構成で、内容自体は普遍的にフィットするものですね。我々が、東洋思想に慣れ親しんでいるかもしれませんが…。

 

一方で、音楽がとても素晴らしいです。歌と伴奏という組み合わせからは離れて、歌もオーケストラの一部として組み入れられたような印象。全体で交響曲を構成しています。あたかもオーケストラのための協奏曲のように、各パートの美しいフレーズが散りばめられた曲。じっくり聴いて、聴きごたえがある音楽でした。

とくに、第6楽章は圧巻で、前半の情景描写の管弦楽の素晴らしさ。音が歌詞の歌う情景を美しく飾っています。そして、間奏から音楽は心理描写へと変化していきます。見事な終末は死でも終わりでもなく、昇華であり転生という雰囲気です。曲は静謐な雰囲気の中で、「Ewig(永遠に)」という言葉の反復で閉じられます。

 

【演奏についての感想】

この演奏は、壮年期で最も精力的だった時期のバーンスタインが、ウィーンフィルを指揮した、ダイナミックで気迫のこもった演奏だと思います。バーンスタイン流の想いのこもった演奏ではありますが、後年ほど濃厚ではないと思います。バーンスタインの演奏するマーラーは特別のもので、マーラーのやや陰に篭りがちな感じさえある悲観主義を、バーンスタインは前向きな人間の声として表現してしまいます。この音楽は、ラストはいかにも明るく、ハッピーエンドに聴こえてきます。

この演奏では、通常はアルトで歌われることの多いパートに、バリトンのフィッシャー=ディースカウを起用しています。これは、マーラー自身の、アルト(またはバリトン)という指定によるものですが、これによって、この曲の世界観の、中央に出て弓折れ矢尽きて故郷に帰ると決めるところなどが、いかにもこの時代においての男性的なものと思え、真実味が増す気がしました。そして、フィッシャー=ディースカウは立派に作品に込められた役を演じきる歌い手です。まさに適材ではないかと思いました。

 

この演奏は、バーンスタイン流に、この曲の良さを明るくドラマティックに描き出した演奏であり、聴き継がれるべき名盤であると思いました。

 

この音源を対訳の動画で聴くことができます。
判りやすいですね。

 

購入:不明、鑑賞:2026/02/10

 

過去記事のリンクです。

 

 

 

 

 

 

 

 

【CDについて】

作曲:ラインベルガー

曲名:ヴァイオリンとオルガンのための6つの小品 op150(35:50)

   ヴァイオリンとオルガンのための組曲 op166(22:16)

演奏:デニソヴァ(vn)、ストルツェプ(org)

録音:1997年8月13-15日、ハンブルク

CD:74321 58965 2(レーベル:ARTE NOVA、発売:BMG)

 

【曲について】 

ヨーゼフ・ラインベルガーは、1839年リヒテンシュタイン生まれで、ミュンヘンで活躍した作曲家。年代的にはブラームスの少し年下ですがほぼ同世代、チャイコフスキーやグリーグに近く、ドイツではロマン派が成熟し、各国にロマン派が広がっていった時代に活躍しました。バイエルン王室に仕え、宮廷音楽家・作曲家として活動し、教会オルガニストもつとめ、音楽院の作曲教授をつとめ、ということでバイエルンにしっかり根を下ろした人。名声は世界に聴こえ、弟子は世界から集まってきたようです。 

 

そもそもオルガン奏者がキャリアのスタートであったこともあり、オルガン曲に大きな成果を残していますが、一方で音楽院では作曲家の教授も務め、あらゆる分野に作品を残しています。当時は人気を博したようですが、死後作品は急速に忘れられ、その後もオルガン曲に関しては重要なレパートリーとして弾き続けられていましたが、1980年代以降録音も増え、広く再評価が進みました。 

 

ラインベルガーは、教会のオルガン奏者からスタートしているだけに、宗教音楽分野の造詣が深く、またバッハを研究したことでも知られています。そのようなラインベルガーの作品、ヴァイオリンとオルガンという組み合わせ。初めて聴きますが、どんな音楽なのでしょう。 

 

【演奏についての感想】

この音楽、率直に言ってとても聴きやすい音楽でした。クラシックを聴いている堅苦しさがない。伝統的な書法で書かれたクラシック音楽でありながら、感触としては、映画音楽を聴いているような親しみやすさを感じます。ラインベルガーが研究したバッハ的な伝統書法と、ロマン派の抒情とが結びついた音楽という感じでしょうか。

 

そして、ヴァイオリンとオルガンという取り合わせが絶妙です。オルガンはヴァイオリンが奏でる空間となり、その中でヴァイオリンが歌い続ける。連綿と続く歌なのですね。形式とか構造を感じさせず、まさにその空間を音で満たすような音楽でした。 

 

演奏している、デニソヴァがとてもいいです。彼女のヴァイオリンの奏でる歌は、オペラ風の巨匠的歌ではなく、その場で舞っているような、明るく奔放な歌。重くもなく艶やか過ぎず、明るく軽妙な歌なのでした。これはとても合っていると思いました。 ラインベルガーは、どうも構えずにすらっと聴けてしまう作曲家のようなので、もう少しいろいろと聞いてみたいと思いました。

 

6つの小品 op150の冒頭に置かれている、とても叙情的で美しい「主題と変奏」。

ポール・バリット(vn)他による演奏です。

 

 

購入:不明、鑑賞:2026/02/07

 

 

【CDについて】

作曲:モーツァルト

曲名:①ミサ曲 ハ長調 K317「戴冠式ミサ」 (25:07)

   ②証聖者の荘厳晩課 K339より「主をほめ讃えよ」 (4:52)

   ③オッフェルトリウム「主の御保護のもとに」 K198(5:29)

   ④アヴェ・ヴェルム・コルプス ニ長調 K618(2:48)

   ⑤モテット「踊れ、喜べ、幸いなる魂よ」K165(15:13)

演奏:ヴィルトナー指揮、カメラータ・カッソヴィア、コシツェ・ティーチャーズ合唱団

   コールズ(S)、マウロ(Ms)、ディッキー(T)、マーティン(Bs)

録音:1991年6月10-15日 コシツェ(スロヴァキア)House of Arts

CD:8.550495(レーベル:NAXOS)

 

 

先だって、たまたま時間調整で入ったディスクユニオンで、超格安でナクソスの30周年アニバーサリーCD30枚セットがあったので、思わず手を出してしまいました。NAXOSの30周年の歴史を辿るようなチョイスの30枚なので、しみじみと少しづつ聴いているうちに、この30枚は、勿論いずれ全部聴くけど、それは時間かかるし、30枚セットは持ち運びも不便ということで、何か無性にNAXOSの単品CDを買ってみたくなったのです。

そして、近所のBOOKOFFに直行、クラシックの棚にNAXOSは2枚ありました。なんでもいいから1枚欲しいということで、2枚のうちの安い方(笑)。もう一枚はベートーヴェンのチェロソナタでした。こういう買い方、御縁を引き寄せるみたいで、好きです。でも、NAXOSの中古で630円は高いかな…。

 

【演奏者や曲について】

まず、指揮者のヴィルトナーは、元ウィーンフィルのヴァイオリニスト。指揮者として独墺圏で活躍し、各地のオーケストラや歌劇場の要職を歴任、長年にわたってウィーン・ヨハン・シュトラウス管弦楽団とも共演を続けておられます。ウィーンを基盤とした中堅指揮者という印象で、とても安定した演奏が期待できますね。

カメラータ・カッソヴィアは、スロヴァキアのコチシェの国立オーケストラの奏者を中心としたアンサンブルです。

 

戴冠式ミサは、モーツァルトのミサ曲の中でも、よく知られた作品の一つ。重要な典礼の場でも用いられており、近年では1985年、ローマ教皇ヨハネ・パウロ2世のミサにおいて、カラヤン指揮ウィーン・フィルによって演奏され、その実況録音も残されていますね。

曲の構成は、通常のミサ曲の構成です。キリエ・グロリア・クレド・サンクトゥス・ベネディクトゥス・アニュスデイの6曲です。

 

【演奏などについての感想】

戴冠式ミサは、荘厳な響きで始まるのですが、ヴィルトナーの演奏はそれほど重くならず、あまり重心を低くせずに、素直にミサ曲を演奏していく感じでした。それが、切れの良さも感じさせます。とても聴きやすい演奏だと思いました。音楽を聴くという意味では、日常的に聴けて飽きがこないですね。まさにNAXOSスタイルだと思います。とても真摯な音楽です。

 

それは、他の曲にも共通します。戴冠式ミサも勿論そのスタイルが生きていますが、エクスルターテ・ユビラーテも、コールズのソプラノが軽快で透明感も持ち、明るく明快に聴こえます。また、定番のアヴェ・ヴェルム・コルプスが入っているのも嬉しいです。この演奏は、感情で揺れることなく、過度な敬虔さを演出することなく、豊かな音楽を作り出していると思います。私自身も、今は音楽をガチンコで聴きに行くというよりは、日常の中でいろいろな音楽に満たされたいという気持ちの方が勝っている感じなので、このCDは、感情や様式を前に出しすぎず、均整の取れたモーツァルトを聴かれるという点でも理想的ではないかと思いました。

 

だからNAXOSが聞きたくなるのですね…。

 

この音源から、K317戴冠式ミサK317のグロリアを貼り付けておきます。

 

 

購入:2026/02/04、鑑賞:2026/02/05

 

過去記事のリンクです。

 

 

 

 

 

 

 

しばらく、更新していませんでした。全く聴いていなかった訳でもなく、むしろ生活は音楽と共にあったのですが、集中するような聴き方はせず、流して聴いていた感じです。今日はいつも楽しみにしている、新日本フィルハーモニー交響楽団の室内楽シリーズを聴きに行きましたので、更新しています。

今回は、膜ということで、パーカッションの腰野真那さんプロデュースによるコンサート。すべて膜鳴楽器のみ。すべて現代曲というプログラムでした。全く馴染みはありませんが、今日が4分33秒が「聴ける」というのが一つのポイントですね(笑)。

 

◆プログラム

前半
①ジョン・アルフィエーリ:タンバリンのためのファンファーレ

②アレクセイ・ゲラシメス:アスヴェンチュラス

③アンドレ&ジャック・フィリドール:二組のティンパニのための行進曲

④クセナキス:オコ

⑤アンソニー・J・シローン:4人のための4/4

後半

⑥マーク・フォード:ヘッド・トーク

⑦濵口大弥:Eight in the BLACK

⑧ジョン・ケージ:4分33秒

⑨小橋稔:阿呍

 

プロデュース:腰野真那

演奏:腰野真那(新日フィルパーカッション奏者)①②④⑤⑥⑦⑧⑨

   川瀬達也(新日フィル首席ティンパニ奏者)①③⑤⑥⑨、

   山内創一朗(新日フィル副首席ティンパニ奏者)①③⑤⑥⑨、

   柴原誠(新日フィルパーカッション奏者)①⑤⑥⑦⑨、

   金井麻里(神奈川フィルパーカッション奏者)①④⑥⑦、

   村居勲(シエナ・ウインド・オーケストラ打楽器奏者)①④⑦⑨

2025年5月19日 すみだトリフォニーホール

 

プレトークでは腰野真那さんによる説明、というより若干の説明と協賛の日本音響エンジニアリングさんと竹徳さんのPRがありました。打楽器の音を柔らかくするためということで、日本音響さんのAcoustic Grove Systemの設備を使用しているとのことです。

編成は、打楽器6人で楽器はいずれも膜鳴楽器を使用する曲とのこと。打楽器アンサンブルのための現代曲プログラムなので、私はどの曲がどうのとは書くことはとてもできませんが、会場はきっとコアなファンが多く、しかも満席になっていました。この室内楽シリーズ、毎回聴いていると、プログラム内容により観客層がガラッとかわるのも面白いのです。

 

ということで、演奏された曲の音源を2つほどリンクしておきます。

 

クセナキスのオコ。ジャンベという楽器のために作曲された曲。今ではいろんな打楽器で演奏されていて、たくさんの動画を見ることができるようです。

 

最後に演奏された、小橋稔作曲の「阿呍」。最後は盛り上がりました。ティンパニ5台による演奏です。


さて、お目当てのジョン・ケージの4分33秒です。ご存じの方も多いと思いますが、楽譜が全て休符になっていて、演奏者が舞台に登壇して楽譜を広げ演奏開始。そしてすべて休符なので、音は無し。4分33秒経過すると、退場するという「曲」ですね。楽譜も見たことはあるのですが、CDは見たことがなく、今回初めて「聴き」ました。

そういうことですので、その場の演出や雰囲気も大きいと思いますが、今回は暗闇の中に観客の方を向いた譜面台が照らし出され、そこに腰野さんが登場して楽譜を置き、暗闇の中で4分33秒が過ぎるというもの。誰かがたまに立てる音や咳以外は静寂の世界。静寂の音を聴くことになります。座禅しつつ自分と対話しているような感じだと思いました。希少な体験でした。

4分33秒のあと、メインの「阿呍」が演奏されました。「阿呍」は、ティンパニ5人という構成で、冒頭一斉にロールを始めるのですが、実は4人はエアで、一人だけ静かにロールの音がしているという形にみえました。このあたり、間に楽器の配置換えの時間があるとはいえ、音を出す出さないという視点での、4分33秒からの接続の妙に、ちょっと感心しました。

そして、「阿呍」は華々しく終わる曲でもあり、演奏後この室内楽シリーズには珍しいくらいの、拍手喝采を受けておりました。こういった曲は、その場の雰囲気やパフォーマンスも大きいなと思いました。

 

次回は、6/30。オーボエの神農さんプロデュースで、木管五重奏が楽しみです。

いつも楽しみにしている、新日本フィルハーモニー交響楽団の室内楽シリーズを聴きに行きました。今回は、The Sectionと題して、オーボエ奏者の浅間信慶さんプロデュースによるコンサート。メンバーは、新日フィルのオーボエ奏者4人ということで、題名通り、ザ・セクションなのでした。

 

◆プログラム

オープニング(プログラムに無し)

①チャイコフスキー:白鳥の湖より、四羽の白鳥の踊り

前半
②モーツァルト:5つのディヴェルティメントK439b 第5番(オーボエ三重奏版)

③アラン・スティーヴンソン:ミニ・トリオ (2007)

後半

④J.S.バッハ:ゴルドベルク変奏曲より抜粋(浅間佳世子編)

アンコール

⑤J.S.バッハ:主よ、人の望みの歓びよ

⑥ジョプリン:ザ・エンターテイナー

 

プロデュース:浅間信慶

演奏:神農広樹(ob③④,E.Hrn①)、岡北斗(ob①②④)、浅間信慶(ob①②③,E.hrn④)、森明子(obd'm④,E.hrn①②③)

⑤と⑥は編成を忘れてしまいました…。

2025年1月20日 すみだトリフォニーホール

 

プレトークでは浅間信慶さんによる説明。この公演の成立よもやま話。なのですが、今回はプレトーク以外にも、曲の合間など、いろいろとユーモアに満ちたメンバー紹介や曲紹介が、4人それぞれ登場して語られました。和気あいあいとして、とても楽しいコンサートでした。

 

編成は、オーボエ、オーボエ・ダモーレ、イングリッシュ・ホルンと、オーボエ族の楽器による、トリオとカルテット。この3つの楽器は、3度毎音程が違うのですね。ゴルドベルクは、浅間さんの奥さんの佳世子さんによる編曲ということで、客席でご挨拶されていました。

 

オープニングの白鳥の湖は、四羽の白鳥ということで、セクションの4人を掛けたもの。楽し気に始まります。

 

モーツァルトの5つのディヴェルティメント(K439b)は、初めて聴きました。あまりCDが無いですね…。原曲は3台のバセットホルンによるもので、ウラッハ他による全曲の録音があるようです。気軽に聴く感じの曲でした。

 

こんな曲です。椅子のトラブルで、1分過ぎから開始されます(笑)

 

アラン・スティーヴンソン(1949-2021)は、初めて聴く作曲家ですが、イギリス生まれで南アフリカで活躍された作曲家ということです。2007年の曲ですが、現代曲の作曲家というよりは、伝統のイギリスのクラシック音楽を現代の風味で作曲しているというところのようです。

とても聴きやすく、演奏会でも映える曲だと思いました。楽しかったです。オーボエ2,イングリッシュ・ホルン1というのは、原曲通りの編成です。

 

 

後半は、バッハのゴルドベルクから選曲して20分ほどにまとめられています。さすがに聴きごたえがあります。凝った編曲で重厚に響きます。ただ、オーボエの音の特徴かもしれませんが、個々の曲間の振幅があまり大きく感じられなくて、こうして聴いてみると、全体的にまったり聴こえるかな?と思いました。

 

アンコールは2曲でした。

まず、バッハの「主よ、人の望みの歓びよ」こうしてオーボエの四重奏で聴くと、あたかもオルガンで演奏しているような重厚感があって、とても迫力がありました。とても良かったです。そして、最後は「エンターテイナー」で楽しく締められました。

 

とても素晴らしい選曲と、サービス精神あふれる演出で、大変楽しい時間を過ごさせていただきました。

 

次回は、2/17で、ヴィオラの桂田さん。いつもこのシリーズは、楽しみです。

 

【LPについて】

作曲:モーツアルト

曲名:セレナード第13番 ト長調 アイネ・クライネ・ナハトムジーク K525 (17:54) 
   ディヴェルティメント 変ロ長調 K137 (12:21)
   ディヴェルティメント ニ長調 K136 (13:51)
   ディヴェルティメント ヘ長調 K138 (13:25)

演奏:レーデル指揮、ミュンヘン・プロ・アルテ室内管弦楽団

録音:1950年代中頃

CD:E-1027(レーベル:ERATO、発売:RVC)

 

またまた、エラートの1000円LPです😅。あと少しあるので、この際全部聴いてみようと…。今回はアイネ・クライネ・ナハトムジーク。これは、高校時代でも素直に聴けました(笑)。

学生時代に買ったレコードを聴いてみる…⑧

 

【演奏者と演奏について】

クルト・レーデルは以前このブログのお題として一度聴きましたが、最近あまりなじみがないので、ごくごく簡単に略歴など…

 

クルト・レーデルは、1918年にブレスラウ(現ポーランド領)に生まれ、1941年にバイエルン国立管弦楽団の首席フルート奏者に就任。その後も教授職等も歴任します。1952年にミュンヘン・プロ・アルテ室内管弦楽団を創設し、音楽監督を務めました。また、20年間にわたり、自ら創設したルルド音楽祭を率いると同時に、ヨーロッパの重要なオーケストラとも共演しました。

 

こういった経歴は、例えばバウムガルトナーとか、リステンパルトとか、戦前生まれで戦後室内管弦楽団を創設して活躍した指揮者と重なるものがありますね。天寿を全うし、1913年に94歳で亡くなりました。


さて、久しぶりに聴いてみます。このLPは昔よく聴いたものですので、だいたい私のアイネ・クライネ・ナハトムジークのイメージは、たぶんこれで出来上がっています。LPには記述が無いのですが、調べてみるとどうも1950年代の録音のようで、プロ・アルテが創設されてからあまり時間が経っていない時期のようです。

 

印象としては、ニュアンス付けを控えた、端正で颯爽とした雰囲気。録音のせいもあるかもしれませんが、音は厚くはなく少々高音寄りのところがあります。それでも、とても美しく整った音で、インテンポの中で音楽の美しさが湧き出るように表現されている…といった感じでしょうか。大オーケストラの雄弁な演奏とは違った、小編成の明るくすっきりした屈託のない演奏だと思います。K525もさることながら、ザルツブルク・シンフォニーの3曲が素晴らしいと思いました。K138とか、ふだんあまり聴かないだけに、新たにこの曲の面白さを発見できました。

 

このLPの音源です。代表曲のアイネ・クライネ・ナハトムジークを貼り付けておきます。

 

 

 

 

購入:1980年頃、鑑賞:2025/1/3

 

関連過去記事のリンクです。

 

 

 

 
 

あけましておめでとうございます。

本年もよろしくお願いします。

 

【LPについて】

作曲:ブラームス
曲名:クラリネット・ソナタ第1番へ短調 op120-1 (22:58)
   クラリネット・ソナタ第2番変ホ長調 op120-2 (22.14)
演奏:ペイエ(cl)、バレンボイム(p)
録音:1967年9月23-24日
LP:C069-00365(レーベル:EMI、販売:仏 PATHE)

 

このLPは昨年秋に、ディスクユニオンで買って来たものです。そのままにしておくうちに、2024年の新春はブラームスのクラリネット五重奏曲を聴いたので、2025年はクラリネット・ソナタにしようと思いたって、今日まで聴かずにおいたのでした。

ということで、2025年の元日に大好きなブラームスのクラリネット・ソナタを聴いてみます。

 

【曲や演奏などについての感想】

ブラームスの晩年の名作のクラリネット・ソナタ。五重奏曲と共に、クラリネットの名曲の一つとして演奏され続けています。YouTubeを見ていると、ある動画の中で、人生の最後に演奏するとしたら、第1番、第2番のどちらを選びますか?という質問がありました。哀愁と美しさが同居した第1番、ほのかな明るさと穏やかさを持った第2番。晩年の境地という意味で、究極の選択かもしれません。

 

あえて、晩年を意識して聴かなくてもいいのかも知れませんが、この曲を聴いているとどうしてもそういった感じになってしまいます。ブラームスが61歳の時の作品で、こちらも似たような年(もうすぐ追い越してしまう…)なんですね。歳に応じていろいろな聴き方ができて、面白いものだと思います。

 

演奏はペイエとバレンボイム。ペイエの演奏は柔らかな音色ですが、芯があって強い音にも感じました。少しだけゆったりめの演奏かなと思います。バレンボイムのピアノはダイナミックな感じだと思いますが、わたくし的には、この曲だとちょっと違うかな…?という感じがしました。とはいっても、新年にとっておいたLPを何度も繰り返して聴いて大満足で、今年もまた新たな音楽との出会いがあることを楽しみにしていきます。

 

この音源から、第1番の1~4楽章です。

 

 

 

 

 

購入:2024秋、鑑賞:2025/1/1

 

過去記事のリンクです。

 

 

 

 

今年もいよいよあと4日を残すのみとなりました。今日は、お知り合いの方のコンサートを聴きに行きました。これで今年のコンサート鑑賞も最後になります。よい一年でした。

 

◆プログラム

ー前半ー
フィンジ:5つのパガテル op23

モーツァルト:クラリネット五重奏曲イ長調 K581

ー後半-

ポーランド民謡:クラリネット・ポルカ

ルロイ・アンダーソン:クラリネット・キャンディー

モンティ:チャルダッシュ

ドビュッシー:月の光

バルトーク:ルーマニア民族舞曲

ーアンコールー

ブラームス:ワルツ

 

演奏:山道裕子(cl)、藤野真恵子(p)、梅原孝輔(vn)、佐藤直樹(vn)、小関麻里江(va)、中野陽一郎(vc)

2024年12月28日 柏市民文化会館

 

今日は、知人のコンサート鑑賞という事で、リラックスして聴いています。そういえば、フィンジの曲は、曲は違いますが先月の中館さんのコンサートでも最初に取り上げられましたので、2ヶ月続けてフィンジの曲を聴きました。原曲はCL+Pのデュオ編成ですが、ここでは五重奏で演奏されています。いい曲ですね。クラリネットの貴重なレパートリー?

 

そして、モーツァルトの五重奏です。この2ヶ月で、ウェーバー、ブラームス、モーツァルトと、五重奏を名曲を連続して聴くことになりました。この前半の2曲が、クラリネット五重奏の編成でした。

 

後半は、山道さんがマイクを持ってコメントしつつのクラリネットとピアノのデュオで、月の光は藤野さんのソロでした。楽しい曲や美しい曲ばかりで楽しめました。ルーマニア民族舞曲は、この編成の編曲は初めて聴きました。コンサートでも、なかなか映えます(笑)。

 

いろいろな編成で演奏されるルーマニア民族舞曲ですが、クラリネットとピアノデュオの演奏があったので、貼り付けておきます。

 

アンコールのブラームスのワルツは、有名な15番を中心にした編曲で、今日のメンバー全員(クラリネット+ピアノ+弦楽四重奏)での演奏でした。いろいろな編成で演奏される名曲の、ブラームスのワルツ。これも久しく聴いていませんでした。ひところ大好きだったなぁ…。

 

いただいたパンフレットには、山道さんの手書きのコメントが印刷されていて、最初で最後かもしれないソロコンサート、などと書かれていましたが、毎年やってください(笑)。年初の企画から、今日のコンサートまでご苦労様でした。最後に楽しいコンサートが聴けたので、良い年越しができそうです。