しばらく、更新していませんでした。全く聴いていなかった訳でもなく、むしろ生活は音楽と共にあったのですが、集中するような聴き方はせず、流して聴いていた感じです。今日はいつも楽しみにしている、新日本フィルハーモニー交響楽団の室内楽シリーズを聴きに行きましたので、更新しています。
今回は、膜ということで、パーカッションの腰野真那さんプロデュースによるコンサート。すべて膜鳴楽器のみ。すべて現代曲というプログラムでした。全く馴染みはありませんが、今日が4分33秒が「聴ける」というのが一つのポイントですね(笑)。
◆プログラム
前半
①ジョン・アルフィエーリ:タンバリンのためのファンファーレ
②アレクセイ・ゲラシメス:アスヴェンチュラス
③アンドレ&ジャック・フィリドール:二組のティンパニのための行進曲
④クセナキス:オコ
⑤アンソニー・J・シローン:4人のための4/4
後半
⑥マーク・フォード:ヘッド・トーク
⑦濵口大弥:Eight in the BLACK
⑧ジョン・ケージ:4分33秒
⑨小橋稔:阿呍
プロデュース:腰野真那
演奏:腰野真那(新日フィルパーカッション奏者)①②④⑤⑥⑦⑧⑨
川瀬達也(新日フィル首席ティンパニ奏者)①③⑤⑥⑨、
山内創一朗(新日フィル副首席ティンパニ奏者)①③⑤⑥⑨、
柴原誠(新日フィルパーカッション奏者)①⑤⑥⑦⑨、
金井麻里(神奈川フィルパーカッション奏者)①④⑥⑦、
村居勲(シエナ・ウインド・オーケストラ打楽器奏者)①④⑦⑨
2025年5月19日 すみだトリフォニーホール
プレトークでは腰野真那さんによる説明、というより若干の説明と協賛の日本音響エンジニアリングさんと竹徳さんのPRがありました。打楽器の音を柔らかくするためということで、日本音響さんのAcoustic Grove Systemの設備を使用しているとのことです。
編成は、打楽器6人で楽器はいずれも膜鳴楽器を使用する曲とのこと。打楽器アンサンブルのための現代曲プログラムなので、私はどの曲がどうのとは書くことはとてもできませんが、会場はきっとコアなファンが多く、しかも満席になっていました。この室内楽シリーズ、毎回聴いていると、プログラム内容により観客層がガラッとかわるのも面白いのです。
ということで、演奏された曲の音源を2つほどリンクしておきます。
クセナキスのオコ。ジャンベという楽器のために作曲された曲。今ではいろんな打楽器で演奏されていて、たくさんの動画を見ることができるようです。
最後に演奏された、小橋稔作曲の「阿呍」。最後は盛り上がりました。ティンパニ5台による演奏です。
さて、お目当てのジョン・ケージの4分33秒です。ご存じの方も多いと思いますが、楽譜が全て休符になっていて、演奏者が舞台に登壇して楽譜を広げ演奏開始。そしてすべて休符なので、音は無し。4分33秒経過すると、退場するという「曲」ですね。楽譜も見たことはあるのですが、CDは見たことがなく、今回初めて「聴き」ました。
そういうことですので、その場の演出や雰囲気も大きいと思いますが、今回は暗闇の中に観客の方を向いた譜面台が照らし出され、そこに腰野さんが登場して楽譜を置き、暗闇の中で4分33秒が過ぎるというもの。誰かがたまに立てる音や咳以外は静寂の世界。静寂の音を聴くことになります。座禅しつつ自分と対話しているような感じだと思いました。希少な体験でした。
4分33秒のあと、メインの「阿呍」が演奏されました。「阿呍」は、ティンパニ5人という構成で、冒頭一斉にロールを始めるのですが、実は4人はエアで、一人だけ静かにロールの音がしているという形にみえました。このあたり、間に楽器の配置換えの時間があるとはいえ、音を出す出さないという視点での、4分33秒からの接続の妙に、ちょっと感心しました。
そして、「阿呍」は華々しく終わる曲でもあり、演奏後この室内楽シリーズには珍しいくらいの、拍手喝采を受けておりました。こういった曲は、その場の雰囲気やパフォーマンスも大きいなと思いました。
次回は、6/30。オーボエの神農さんプロデュースで、木管五重奏が楽しみです。


























