この週末も雨模様で、ずっと家にいるのもなんなので、前日になってチケットを探しました。いろいろ探して、これかなぁと思って予約。残りわずかでした。でも全曲知らない曲ばかりというか、作曲家さえ知らない人多数。まぁこれも貴重な体験と思い、出かけることにします。バボラークは、元ベルリン・フィルの首席奏者だった方ですね。
曲目
ライヒャ:木管五重奏曲 ニ長調 op91-3
バボラーク(hrn),瀧本実里(fi),荒木奏美(ob),イシュトヴァーン(cl),シュパチュコヴァー(fg)
モーツァルト:ホルン五重奏曲 変ホ長調 K407
バボラーク(hrn),城野聖良(vn),長田健志(va),多湖桃子(va),大江慧(vc)
タファネル:木管五重奏曲 ト短調
バボラーク(hrn),瀧本実里(fi),荒木奏美(ob),イシュトヴァーン(cl),シュパチュコヴァー(fg)
ー休憩ー
パガニーニ(バボラーク、イール編):コンチェルティーノ
バボラーク(hrn),シュパチュコヴァー(fg),CMAアンサンブル
モーツァルト:アダージョ KAnh94
バボラーク(hrn),CMAアンサンブル
ドニゼッティ(ルロワール編):オーボエ・ソナタ ヘ長調
バボラーク(hrn),CMAアンサンブル
この演奏会は、サントリーホール・チェンバーミュージック・ガーデンとして、連日開催されているコンサートの一つ。全体のプロデュースは、堤剛さんです。エリアス弦楽四重奏団によるベートーヴェンチクルスなど、大変賑やかなプログラムになっています。今夜の演奏会は、ベルリン・フィルの首席奏者も務めたホルン奏者で、最近は指揮者としても活動されている、バボラークさんのプログラムでした。
さて、演奏を聴いた感想を書き留めておきましょう。
①ライヒャ この曲でスタートしました。この作品は1819年作曲の物という事ですが、曲自体が少々パワー不足かなと感じました。これを聴きつつ、木管五重奏って制約もあるとは思いますが、こんな感じになるのかなぁ?と思いました。ホルンの音の力強さをまず体感しました。
②モーツァルト 1782年作曲。これは、ホルン協奏曲の室内楽版的な曲ですね。ヴァイオリン1,ヴィオラ2,チェロ1という、ちょっと変わった編成です。チェロが予定していた高木優帆さんから、急遽大江慧さんに変わったようです。モーツァルトなので安心して聴きました。
③タファネル この曲で一気に雰囲気が変わりますね。1878年作曲の多彩な曲でした。なかなか面白くて、演奏会映えもしますね。CDがあったら是非また聴いてみたいと思いました。しっかりとテクニックも含め、木管五重奏の面白さを見せていただいた感じです。
このメンバーではちょうど荒木奏美さんが正面に見えていたのですが、表情が明るくて、盛り上げているような感じがして良かったです。
後半はソロ+弦楽合奏という形になります。弦楽合奏のCMAアンサンブルは、サントリーホール室内楽アカデミーのメーバーということで、普段トリオやクァルテットを組まれている音楽家の方々が集まった形です。Vn8,Va3,Vc2,cb1という編成でした。
ソロは前に立って演奏するスタイルで、バボラークさんはホルンと指揮を兼ねた形です。
④パガニーニ これは大変楽しかったです。弦楽合奏がリズムを刻み、バボラークのホルンと、シュパチュコヴァーのファゴットが、対話風にソロを取っていく曲でした。だんだん話し?が進むと、ファゴットはいろいろとメロディを奏でて主張しますが、ホルンは相槌を打っているように同じメロディを繰り返しているように感じました。
⑤モーツァルト:アダージョ ホルン協奏曲断片的な感じの曲で、アヴェ・ヴェルム・コルブスの美しいメロディから始まります。じっくりとホルンとアンサンブルを味わうことができます。
⑥最後にドニゼッティのオーボエ・ソナタということで、オーボエとピアノのためのソナタをバボラークのために編曲したものとのこと。協奏的な作品で聴きごたえがあります。でも、この曲は三楽章くらいあるのかな?と思ったら意外と短かったのでした。
ホルンの音色自体が明るく伸びやかなもので、バボラークさんの素晴らしい技巧と屈託のない表情で、雰囲気も大変明るいコンサートでした。若手の室内楽演奏家も一堂に会して大変フレッシュで、楽しいコンサートでした。
曲としてはすべて初めて聴く曲。美しい曲ばかりです。パガニーニはとても楽しかったのですが、これは演奏会で見てナンボという感じもしますので、今日の一曲ということで、タファネルの曲を、またじっくり聴いてみたいと思います。